位相法とは
十二支が織りなす、現実の力学
算命学は、大きく陽占法と陰占法の二つに分かれます。陽占法が、心や性質といった精神の世界を映すのに対して、陰占法は、目に見える現実の世界のほうを映す技法です。位相法は、この陰占法にあたります。
位相法が手がかりにするのは、命式の十二支だけです。年支、月支、日支という三つの支が、たがいにどう引き合い、どうぶつかるのか。その組み合わせから、その人が現実の場面でとる行動や、社会や家庭での動き方を読み取っていきます。
「位相」とは、その人の立場や置かれた環境をあらわす「位」と、じっくり見て調べるという意味の「相」から成る言葉です。つまり位相法とは、支の配置から、その人の立ち位置をよく見ていく技法だといえます。
大前提
位相法は「形」だけを見る
はじめに、大切な約束事があります。位相法が読み取るのは、あくまで現実に起こる「形」だけだということです。
たとえば、命式から「別れ」という形が浮かんだとします。その別れが幸か不幸かまでは、位相法は教えてくれません。それを決めるのは、その人がいま立っている場所のほうです。憎しみ合った相手との別れであれば、むしろ救いになることもあるでしょう。
つまり位相法は、戦い、前進、病、別離といった現実の形を映すだけで、その良し悪しまでは判断しません。吉凶は、十大主星や守護神といった他の技法を重ねて、はじめて見えてきます。良い悪いをいったん脇に置いて、形だけを読む。これが位相法の、基本の姿勢です。
三つの場所
東・中央・西
位相法では、三つの支が、それぞれ「場所」を持ちます。この方向を押さえておくと、読みが立体的になります。
東(年支)は、社会や仕事、そして未来。前へ進む力の場所です。
中央(月支)は、自分の心や立場、現在。手段や方法があらわれる場所です。
西(日支)は、家庭や結果、蓄積。物事がどうなったか、という収益の場所です。
同じ組み合わせでも、それが東で起きるのか、西で起きるのかで、意味は変わります。仕事の話なのか、家庭の話なのかが、分かれるからです。
まずは、触ってみる
ボタンをタップすると、円の上に関係があらわれます。
※ この図は十二支(地支)の関係のみを示します。破は作用が軽いため、また特殊四種(大半会・律音・納音・天剋地冲)は干を要するため、ここでは省いています。
合法
結びつく力
位相法の関係は、大きく「合法」と「散法」に分かれます。合法は、支と支が引き合って溶け合う形。この結びつきによって、五行の働きが変わります。四つの形があります。
三合会局
三支が正三角形で結ばれ、ひとつの五行を完成させる形。物事の成就、夢が形になる象徴です。(申子辰=水/巳酉丑=金/亥卯未=木/寅午戌=火)くわしく →
半会
三合の二支だけがそろった、完成の一歩手前。ひとつにまとまろうと、前へ進む気が働きます。くわしく →
支合
二支が無理なく寄り添う、自然な結びつき。心と現実が食い違わず、飾らず着実です。くわしく →
方三位
同じ方角・季節の隣り合う三支。質は変わらないまま、狭い範囲でくり返し広がります。くわしく →
散法
ぶつかり、動かす力
散法は、支と支が分かれ、ぶつかり、崩れる形。合法とちがい、五行は変わりません。こちらも四つの形があります。
対冲
円のまっすぐ向かい合う二支。壊れ、分かれ、止まる形。ただし吉凶はなく、離れて救われることもあります。くわしく →
害
支合を直角に断つ関係。心と現実がずれ、思いどおりに運びにくい。体をこわしやすい運ともされます。くわしく →
刑
三合会局と方三位をともに崩し、争いをもたらす形。自刑・生貴刑・庫気刑・旺気刑の四種があります。くわしく →
破
急な加速や、足踏みをもたらす小さな形。単独ではほとんど働かず、他の形に重なって、はじめて響きます。くわしく →
特殊四種
干と支が生む、特殊な関係
以上の八つが基本です。加えて、干と支の組み合わせから生まれる、特殊な四つがあります。
大半会
干が同じで支が半会。半会より強く働き、発想が大きく、成功も失敗も振り幅が大きい。
律音
同じ干支が二つ並ぶ形。二つの顔を持ち、二度生きるような歩みに。専門・職人の道に向きます。
納音
干が同じで支が対冲。広がりがひとつに納まり、慎重で内にこもりがち。考えと行動がずれやすい。
天剋地冲
支が対冲し干も相剋。内に強い力を秘め、ひとつの事業を担う立場が合う。後天運では大きな節目に。
※ ここでは、それぞれの輪郭だけを示しました。四つの詳しい読み解きは、特殊四種の記事にまとめています。
読み方
位相法の、読み方
位相法は、三つの見方で使います。宿命位相法は、その人の命式の中で成立する関係から、生まれ持った行動の特徴を読みます。後天運位相法は、大運や年運としてめぐってくる支と、宿命の支との関係から、その時期の運の流れを読みます。そして、複数の命式のあいだで関係が成立すれば、人と人との相性を読むことができます。なお、めぐる支が宿命の支とまったく同じになる比和、どの支とも約束事を結ばない無条運という読み方もあります。くわしくは比和と無条運の記事へ。
くり返しになりますが、位相法はあくまで「形」です。合が多ければ結束に恵まれますが、まとまりすぎて、動けないこともある。散が多ければ波乱を含みますが、変化を起こす力にもなる。どちらが良い、悪いではありません。偏りも、対立も、その人に与えられた宿命の形です。その形が幸となるか不幸となるかは、十大主星や守護神を重ね、その人の状況に照らして、はじめて見えてきます。
引き合う縁、ぶつかる縁、重なる縁。
そのどれもが、その人という一つの現実を、形づくっています。