陰 占 ・ 位 相 法

け い

刑とは争いの相手を、先に教えてくれる形

散法支刑石田久宗

三合会局方三位の記事で予告した、あの形です。二つの合を、まとめて崩す。それが刑(けい)。刑罰の刑ですから、意味は、争い、闘争。人を傷つけ、また、傷つけられる形です。

実線の三角 = 生貴刑(寅巳申) 破線の三角 = 庫気刑(丑戌未) 太い線 = 旺気刑(子卯) 二重の環 = 自刑(亥・午・酉・辰)
争いの形。けれど、誰と争うかまで、あらかじめ書いてあります。

仕組み

二つの合を、まとめて崩す

刑は、別名を支刑ともいいます。三合会局と方三位、二つの合の法則をもとに生まれた散法で、その両方を破って、争いのエネルギーを生む組み合わせです。四つの種類があります。

ここに、刑の面白さがあります。争いの形でありながら、誰と争うのかが、組み合わせに書いてあるのです。どこで争うかは、いつもどおり方向(東・中央・西)が教えてくれます。つまり刑とは、争いの相手と場所を、あらかじめ知らせてくれる形なのです。

原理

なぜ、この組み合わせなのか

出発点は、自刑です。四つの三合会局と、四つの方三位を見比べると、それぞれに、両方に顔を出している支があります。三合木局(亥卯未)と北方三位(亥子丑)なら、亥。三合火局(寅午戌)と南方三位(巳午未)なら、午。ひとつの支が、二つの合に同時にエネルギーを取られてしまう。この引き裂かれた場所が、自刑(亥、午、酉、辰)です。

そして、三合会局のなかの役割どうしが、局をまたいでぶつかる組み合わせが、残りの三つです。魂の入り口である天貴星の場所どうし(寅・巳・申)がぶつかるのが、生貴刑。収め所である天庫星の場所どうし(丑・戌・未)がぶつかるのが、庫気刑。そして、力のもっとも盛んな天将星の場所どうし、子と卯がぶつかるのが、旺気刑です。いちばん強いものどうしが正面から崩し合うのですから、旺気刑は、刑のなかでもっとも激しい形とされます。

ひとつ、添えておきます。算命学の通説(俗説)によると、刑は古代中国で軍略に使われた技法だとされます。敵陣の上位三名の年支が三合会局を組むとき、局の始まりと同じ支を持つ者を送り込み、力を方三位の方向へ散らした、と。完成した器のいちばんの急所を突く。刑を説明するギミックとしては秀逸です。ただし、裏付ける史料は確認できていません。史実の厳密性を優先するなら、この話は慎重に扱ってください。

宿命

宿命に、刑を持つ人

宿命の地支に、刑の組み合わせを持つ人です。まず、場所の読みはこうなります。

種類ごとの傾向も、あります。自刑を持つ人は、心の安住が得にくく、不安や焦り、怒りを抱えやすい。穏やかさと、平和の心を、意識して育てることです。生貴刑は、目下との関係で悩みやすく、親であれば、子が伸び悩むことがあります。庫気刑は、目上との関係で悩みやすく、西方にあれば親との縁が薄くなりがちです。旺気刑は、友人ができにくい傾向があります。まわりの人に、柔らかく、おおらかに接すること。それがこの形を持つ人の、いちばんの処方です。

念のため、繰り返しておきます。位相法に、吉凶はありません。刑があるから不幸なのではなく、争いという形の力を持って生まれた、ということです。その力は、競い合う世界でこそ生きる力でもあります。

後天運

刑が、めぐるとき

大運や年運の支が、宿命の支と刑になるときです。読み方は、シンプルです。どこで起こるかは方向が、誰とのあいだで起こるかは種類が、教えてくれます。

そして相手は、自刑なら身内、生貴刑なら目下、庫気刑なら目上、旺気刑なら他人。たとえば、東で庫気刑がめぐる年なら、職場で目上とぶつかりやすい年、と読めます。あらかじめ分かっていれば、売り言葉に買い言葉、という場面をひとつ減らせます。刑がめぐる時期は、勝つことより、争いを小さくすることに知恵を使ってください。

刑は、争いの形。けれど、相手と場所を先に教えてくれる争いです。
知らされた争いは、もう半分、争いではありません。