ミリオネア・コンサルタントの鳥居祐一氏の二冊目。
本書のテーマは「人脈形成」。成功者の周辺には必ず人脈が広がっている。
ただ広いだけではない。その「質」が何より重要となる。
本書は成功者になるための良質な人脈形成のノウハウが極めて懇切丁寧に紹介されている。類を見ない本であろう。
成功者の良質な人脈、それを本書では「富のシンジケーション」と呼んでいる。
そして「富のシンジケーション」はこのように定義される。
「『富のシンジケーション』は、経済的にも社会的にも成功した人たちの輪でつながっています。そして、『協力に値する』と認められた人だけがその一員として参加できるものです。メンバーたちは絶対的な友情で結ばれてはいますが、単純な遊び仲間とは質がまったく違います。」
「富のシンジケーション」の中で交わされる情報や会話は一般のそれとは質が違う。
一般に降りてくる前の一次情報とでも言えようか。
成功者の人脈形成とは、つまるところ、この「富のシンジケーション」に入ることである。
それではどのようにして「富のシンジケーション」に入るべく「人脈づくり」をすればいいのか。
それにはまず「自分磨き」が必要であると言う。
ポイントは5つ。
「時間を無駄にしない」
「セルフイメージを高める」
「継続して努力する」
「読書を活かす」
「非日常を体験する」
である。
中でも鳥居氏らしさが出ていると思われるのが、「継続して努力する」の中の「ブログのすすめ」、「非日常を体験する」の中の「旅のすすめ」「成功者を食事に誘う」であろう。
実際、ブログは自己ブランドの強化に役立つし、それがきっかけで成功者とつながることもある。
また、良質な旅を経験することはその話題性から良質な人脈につながりやすい。
成功者を食事に誘うことは、うまくいけば極めて安価にプライベートレッスンが受けられるものだし、事実、成功者は意外とそれに応じてくれるものらしい。
次に出会いの場所についてであるが、ヴァーチャルを高く評価するのは現代的であり、また、常識化を先んじている。
例えばSNSの「ミクシィ」の活用方法など、それを人脈形成の一手段として本に書かれてあることは意外と少ない。
リアルな場では交流会やセミナーがあげられるが、そこでのマナーやタブーについて言及されており、多くの経験を持つ著者ならではの、具体的なノウハウが紹介されている。
会話を優先させるために、パーティ前に腹ごしらえをしておくなどは、目から鱗だ。
後半部分でも鳥居氏自身のエピソードを紹介しながら、成功者へのアプローチ、メンターとの付き合い方などが語られる。
そして最後に「人脈形成」のエッセンスとも言うべき言葉を紹介する。
鳥居氏やさらにアンソニー・ロビンズ自身のメンターとしても知られるジム・ローンの言葉である。
「世の中には与える人と与えられる人とがいます。そして、あなたは与える人になりなさい」
と。
それこそが成功者のみぞ知る成功の真髄であろうか。それが「富の循環法則」を生み出すと言う。
繰り返しになるが、本書は成功者になるめの「人脈形成」の指南書である。
そこに特化した内容は類を見ないし、新旧様々な方法により、そのエッセンスが紹介される。
一読するにはさほど時間がかからないであろうが、そこで語られる内容は自らの「人脈力」を問う上でも極めて示唆的である。
繰り返し読む必要がある。
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