日本最大のメガセミナー、ジェームス・スキナー氏による「成功の9ステップ」の書籍版。
私はまだセミナーには参加したことはないが、セオリーや考え方としては、この一冊で十分吸収できると聞く。
実際にはセミナーに参加するのが一番であろうが、まずは本書でその内容をつかむことはできる。
「9ステップ」だけに9つの項目に分けられている。
1.心を決める(決断)
2.成功者のパターンを学ぶ(学習)
3.無限健康を手に入れる(健康)
4.自分の感情をコントロールする(感情)
5.望む結果を明確にする(目的)
6.時間を管理する(時間)
7.思い切った行動を取る(行動)
8.アプローチを改善させる(改善)
9.ほかの人を自分の夢に参加させる(リーダーシップ)
内容は古今東西の成功法則をきわめて実践的にプログラミングしたもので、分量も多いながらも、何度も繰り返し読む価値がある。
そして実践する必要がある。ここでは各ステップごとに個人的に響いた箇所を紹介したい。
1.決断
人類の歴史は決断の歴史である。同様に今の自分を作り上げたのも決断の蓄積である。そして今後も決断こそが人生を決めていく。無力感を感じていたら決断を下せばいい。
決断の質は自分の状態で決まる。つまり「状態」の結果こそが、人生のすべてとなる。例えば会社をリストラにあったとしよう。その時、絶望的な気持ちになって投げやりになるか、新たな可能性への機会だととらえるかは、出来事は同じなのに、結果がまったく違ってくる。
その都度、その都度で、出来事に対してどのような「状態」を選択し、「決断」を下すかが人生を左右するのである。
2.学習
成功者には学習する習慣があることを繰り返し確認している。そして彼らは効果的な学習方法を知っている。その秘訣はVAK(視覚・聴覚・触覚)にある。
そして成功者のVAKをモデリングすることが効果的に身に付ける近道となる。何に焦点を合わせるか(V:視覚)、どんな話し方をするか(A:聴覚)、どんな身体の動かし方をするか(K:触覚)。
VAKこそが学習、そして成功のベースとなる。
3.健康
健康はエネルギーである。健康は決して「病気でない状態」とイコールではない。自分の生活を送り、夢を追い求め、仕事をし、遊び、愛し、奉仕をする無限のエネルギーを持っている状態こそが健康と言えるのである。
しかしほとんどの人は健康の基礎を知らない。例えば自らの臓器の役割を正確に言える人はほとんどない。まずは健康を得るための基本的な生理学について知る必要がある。
運動も効果的にプログラミングされねばならぬし、正しい食事法についても知る必要がある。そして摂取すべきものと排除すべきもの、その時間帯、量などについても明確にする必要がある。
正しい方法で行えば誰もが30日で健康になれる。
4.感情
人間とは感情である。必要な感情を手に入れれば、ほしいものはすべて手に入る。つまり人生を極めるには感情をいかにコントロールするかがカギとなる。
感情にはレシピがある。そのレシピとはVAKである。自らをパワフルにする身体の使い方(K)がある。感情を増幅させる言葉(A)がある。感情を左右する焦点(V)があることを知ってほしい。
すると感情を変えることは実に簡単である。身体の使い方を変え、使っている言葉を変え、そして焦点を変えるための新しい質問を続けることだ。
5.目的
自分の欲しいものが明確になれば、それは実現される。もし欲しいものを得ていなければ、それが明確になっていないからだ。達成したい結果を紙に書いて、定期的に見直している人がどれくらいいるだろうか。
もし自分の限界がすべて取り払われたら、何をするだろうか。それは自らの価値を確認することにつながる。この価値こそが人生である。さらにそれが自分自身のミッションにつながる。
6.計画
何を行うにしても、時間を通してそれを行っている。時間をマスターすることは成功の本質と言える。時間は私たちの人生に投資できる唯一の資本であるから。
時間は誰にでも一定のスピードで流れているものだろうか。相対性理論によるとそれは否である。なぜなら時間は感情であるのだから。自分の感情如何によって時間の価値は変わる。
そして時間を管理することは新しい現実を生み出すプロセスとなる。そのためには「目標設定」と「行動計画」が必要となる。さらに時間を有効活用するためには、誰が、いつするかを考えることも重要だ。他人にできることは他人に委任してもいい。
また、「目標設定」や「行動計画」はいつでもゼロに戻してやり直すこともできる。無価値なことをやり続けることほど無駄なことはない。
7.行動
やってみる、ではだめだ。「やる」か「やらないか」であって、その中間はない。つまり思いきって行動すること。
物理学によると物体が加速すると質量が増し、周りに対して及ぼす引力も増加する。同じように人間も行動を起こすとき、自分自身の器も大きくなり、周りに対するある種の引力をもたらす。つまり動けば動くほどそれをサポートする資源が引き寄せられるということだ。
「アラジンと魔法のランプ」の話では、ランプをこすると夢が叶えられると言われるが、そのランプはすべての人がすでに持っている。多くの人はこすらないだけ、つまり行動を恐れているのだ。とりわけ人は「ノー」という拒絶に恐怖を抱く。しかし「ノー」を聞いたからと言って、失うものはなにもない。その前に、人は「イエス」と言いたいのだ。だったら頼めばいい。恐れず行動すればいい。
行動している限り失敗することは不可能である。人は死ぬ間際になって、やってきたことを後悔はしない。公開するのはやらなかったことであり、人生最大のリスクは、リスクのない生活を送るリスクなのである。
8.改善
エジソンは電球を発明するのに何回失敗しただろうか。答えはゼロだ。彼は毎回の実験から学ぶようにしていたから。つまりエジソンは常に自分のアプローチを改善するようにしており、その結果、街中には明りが灯るようになった。
アプローチの改善を止めてはいけない。改善し続けることで、いつか目標に到達する方法を発見する。NLPにおいては「失敗は存在しない、結果があるのみ」と教えられる。うまくいかなければアプローチを変えてみればいいだけだ。
9.リーダーシップ
成功のための最終段階はリーダーシップ、つまり他の人を自分の夢に参加させる力である。自分でできなければ、人に協力を求めればいい。しかしそのためには3つの能力が必要になる。コミュニケーション、相乗効果、組織作りである。本書ではとりわけコミュニケーションについて紙面が割かれることになる。実にパワフルなコミュニケーション上達法を体験してほしい。
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