■願望を人に言う快感

こんばんは、行動強化コンサルタントの石田久二です。


しばしば、「願望」は人に言うべきか言わざるべきか、という論争が起こりますが、結論的には「人による」となります。もっと正確には「その人の状況による」です。


ただ、どちらかと言うと「言う」ことの方が、実現に向けて加速するとは経験的にも思いますが、そうでないケースについて書きたいと思います。「願望」を人に言うことで、帰って実現を遠ざけるケースについて。


それは「願望」を人に言うことそれ自体が「満足」になるケース。ただし、このケースは往々にして周囲が悪い。それは素直に賞賛してあげるから。例えば、「ボクは将来、南の島の別荘を買って、そこでボクの楽園を作って楽しく暮らすんだ」と言ったとしましょう。何か返事をしないといけない場合、普通の人は衝突を避けたいと思うので、「へ~、すごいですね~」と思ってもいないリアクションをとったりします。


そこで言った人はこの「すごい」が快感になって、そこで目的を果たしてしまうのです。フェイスブックなどにも「宣言」をする人がいますが、それは本当に自分を追い込んで行動を加速させるためなのか、単に「いいね」が欲しいだけなのか。こんなとき、フェイスブックの最大の特徴でもある「いいね」が逆効果になります。


本当であれば、ブログに書いたとしても、誰も反応はしてくれない。だから、それが気持ち悪くなって、本当に実現に向けて動き出すことはある。実現して初めて「いいね」と言ってもらえるから。しかし、フェイスブックの場合は、実現する前に「いいね」と言ってもらえるため、そこで承認の満足が満たされてしまうのです。


そのように、もしも本当に叶えたい願望があるのであれば、それを実現させるためにエネルギーを使うべき。だけど、中途半端な承認はそのエネルギーを奪ってしまいかねません。その辺をわかって上で、宣言するか、フェイスブックに書き込むようにした方がいいでしょう。


別荘の例以外にも、「山籠もりして修行する」などのストイックな宣言についても同様。本当に籠もるのなら、何も言わずに籠もればいい。だけど、それを言うことによって、周囲から「すっご~い!おもしろ~い!」と言われ、それが快感になっているようでは、絶対に籠もらないでしょう。籠もってしまったら、その快感を得られないのだから、そんなもったいないことをするはずがありません。


「願望」を人に言うことによる快感には要注意です。


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