アメリカの自己啓発界の巨人であるマーク・ハンセンとロバート・アレンの共著。
本書は「物語編」と「実践編」とが左右見開きに同時進行で記載されており、それぞれ「物語編」をハンセン、「実践編」をアレンが担当するようになっている。
私はまず「物語編」を中心に、ところどころ「実践編」に目を移すという読み方をした。
分量も多く、内容も濃いのだが、「物語編」が立派な物語になっていることもあり、面白く一気に読めた。
物語は非常に単純だが奥が深い。親権を取られたある女性が、子どもを取り戻すために、約束の百万ドルを期間内に稼ぎだす話。
失意のどん底にある主人公の女性ミシェルは、ある夜、成功者のパーティに参加して、メンターとなるべき人物に出会う。
出会った瞬間からテストが始まり、最初のテストは「拒絶の克服」である。多くの人が「第一の拒絶」で引きさがり、お金持ちになれないが「第三の拒絶」を乗り越えた時に道は開けると言う。
ミシェルはその「第三の拒絶」を克服したところから、本格的なサクセスストーリーが始まる。
一方で「実践編」については、古今東西の「成功法則」が凝縮されているようだ。
最初に「富を呼ぶ24の法則」として確認されるが、改めてその力強さに心を打たれる。それだけはここで紹介したい。
1.誰もが具現する。
2.ある、やる、得る。
3.線より上で生きよ。
4.豊かさこそ自然な状態。
5.与える者が得る。
6.ピシッと現実が変わる。
7.言葉で一変する。
8.あなたの富はあなた自身。
9.お金持ちは自由。
10.すべては夢から始まる。
11.豊かさは力なり。
12.さらなる明快さはさらなる力なり。
13.あなたの天分を活用する。
14.愛の梃子。
15.想像力は意思を凌駕する。
16.質問の大きさが成果の大きさを決める。
17.あなたはすでに答えを知っている。
18.整列すべし。
19.マネーの磁石となれ。
20.叩けよ、さらば開かれん。
21.分かち合いは人のためならず。
22.お金のありかは神のみぞ知る。
23.破壊は創造なり。
24.ひとつにまとめあげよ。
ここで言う「富」とは主に「お金」のことであるが、巨額のお金を稼ぐためには、「梃子」が必要である。
そのための方法論を「実践編」において指南するが、それは同時進行で「物語編」でも実演される。
それは「師」「チーム」「ネットワーク」「無限ネットワーク」「技術と道具」「システム」であり、それらがレバレッジとして働くことで、ひとりの力は何倍にもなるとする。
主人公のミシェルにも師(メンター)が付き、その指導のもとで、チームやネットワークを構築しながら、最終的には期限内で約束のお金を用意することに成功する。
物語の中で実際に稼ぐ手段として用いられるのが「投資」「不動産」「起業」「インターネット」であるが、実際に巨額の富を蓄積する上でも、それらは非常に現実的な選択肢であるように思う。
物語のラストは感動的である。
それでいて現実感覚に即した「富の獲得方法」が学べる仕組みなっている。
本書が多くのお金持ちを生み出したと聞くが、あながち誇張でもないだろう。私も改めて読み直して、実践しようと思う。
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