【書評】「90日で商工会議所からよばれる講師になる方法」東川仁著

ここ数年、最も実用的に使えた一冊。本書との出会いは、その約半年前、著者の友人であるコンサルタントの方と個人的に知り合えたことがきっかけ。本書の出版キャンペーンではその二人の対談音声がプレゼントされており、それ欲しさに購入したのが本当のところ。それ以後、音声は何度も聞いたが、本書はパラ読み程度だった(そもそも私は読むより聞く派)。
それからさらに半年後、ひょんなことから某中核都市の商工会議所より講演の依頼を受け、それに弾みをつけようと著者を思い出し、ホームページを検索。すると「商工会議所からよばれる講師オーディション」なる企画が目に入り即参加。それから何度も本書を読み、企画書を磨き、オーディションでは無事に本戦に進んだことから、現在、本当に商工会議所からよばれる講師になったしまった。
その現実からして、本書そして著者との出会いがなければ、今の状況は絶対になかったであろう。さて、肝心の本書の中身であるが、タイトル通り「商工会議所からよばれる講師」になるための手順が、これでもかとばかり微に入り細に入り示されている。私自身も本書を手引書として、やったことやってないことをチェックしながら、確実に自らを完成品へと作り上げていった。
特にプロフィール、そして企画書のタイトル作りについては、非常に役立つ部分が多かった。使えるセミナーネタ一覧も、自分の企画を立ち上げるのに非常に参考になった。
私自身、自主開催セミナーについては、すでに100回以上開催し延べで3,000人以上動員してきたので、まったくの初心者ではなかった。しかし「商工会議所からよばれる」という目的に対しては、それなりのアプローチがある。内容や実績はもちろんだが、言ってしまえばその「見せ方」が極めて重要となる。その点においては、それまでのセミナーの「見せ方」ではまずよばれることはなかったであろうが、それを少し(または大幅に)変えるだけで、見事に「よばれる講師」へと変貌できたのだから、まさに本書さまさまである。
世の中、ビジネス上の「ブランディング」を指南する本は山ほどにある。もちろん良書もあろうが、それこそ玉石混合である。しかし本書は講師を「商工会議所」からよばれる領域までブランド化する意味で、極めて実用的であり、なおかつ類書は他にない。
ブランディングとは何か。フェイスブックやツイッターのフォロアが多ければブランドなのか。アメブロの読者が多ければブランドなのか。著書を出していればブランドなのか。もちろん、それらは結果論としてはアリだろう。しかし、そのような細々した見た目がブランドの着地では決してない。ブランドとは自分で見せるものではない。誰かに認められて初めてブランドとなりうるのだ。
その意味において、商工会議所から認められる(よばれる)ことは立派なブランドであり、そのための道筋を明瞭に示している点において、これぞ真のブランディング本であろう。セミナー講師としてのブランド力を身につけたいと思っている人にとっては必読の一冊である。
90日で商工会議所からよばれる講師になる方法 (DO BOOKS)/東川 仁 著

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