■左脳の力

こんばんは、行動強化コンサルタントの石田久二です。
私は常々「左脳」に生きることの重要性を主張してきました。人はなぜ悩むのか。それは「左脳」が弱いから。つまり、考える力が弱いから悩むのです。ただ、世間一般的にと言っていいかわかりませんが、現代人は「左脳」に偏重し、「右脳」を軽視する傾向がある、よって「右脳」を鍛えましょう、なる論調を聞くことがよくあります。
一般に「左脳」は言語や論理、「右脳」はイメージや感性と言われますが、ここで大切なのは「善悪」や「正誤」について。「悩み」を仮に「好ましくないもの」と見なしたとき、それは悪であり誤となります。実は「右脳」の最大の欠点は、「善悪」は「正誤」の区別ができないことにあります。
「悩み」とは何か。それは悩む対象、例えば人間関係への悩みなど、自分を苦しめる対象から身を守ることにあります。もしも、「悩み」がなければ自分を危険たらしめる人間関係に飛び込んでします恐れがあります。人が蛇を見て怖いと思うのは、蛇が人に対して危険だと本能的にも経験的にも知っているから。もしも、怖いという感情がなければ、安易に蛇に近寄りかまれてしまうかもしれません。
ただし、蛇が怖いという感情は実際のリアルな蛇に対してだけでなく、おもちゃや映像の蛇に対しても抱いてしまいます。同じように、人間関係の悩みについても、悩むべき出来事はほんの一度であったとしても、それが何度も来ると勝手に思い、それが永続的な悩みへと発展するのです。
つまり自分の身を守ってきた「悩み」も、それが永続的に続くことで、その人をどんどん「悩み」に追いこんでしますので。そして「右脳」は極めて素直なため、その「悩み」を自分で処理することができず、ますます「悩み」の蟻地獄へと追い込まれてしまうのです。
では、どうすればその蟻地獄から逃れられるのか。それが「左脳」の力です。最終的に「悩み」から逃れるのは、その「悩み」がバカバカしいことに気がつくこと。おもちゃの蛇に怖がるのは一瞬でも、それが「おもちゃである」と判断できた瞬間に、恐怖は薄れます。つまり「判断」が恐怖を遠ざけるように、「悩み」もまた判断によって消滅するものなのです。
「な~んだ、そんなことに悩んでたのか、バカバカしい」
そう思えるようになった瞬間、「悩み」から解放されます。そのためには「悩み」の対象をできる限り客観視し、そこから距離を取ること。人間関係に悩んでいたのなら、「この人間関係は一生は続かない」、「相手も同様に悩んでいるかもしれない」、「いつでもここから離れれば断ち切ることができる」などと「考える」のです。その考えのバリエーションが多ければ多いほど、「悩み」は自分から遠ざかり、解放されるのです。
もう一度言いますが、そうやって考える力があるのがまさに「左脳」なのです。


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