■潜在意識に否定型はあるか?

こんばんは、行動強化コンサルタントの石田久二です。
「ピンクの像を想像しないでください」
だいたい「ピンクの像」か「白クマ」なんですが、この手のセリフは私の周りではよく聞きます。つまり「想像しないでください」と言われると「想像」しないではいられない、ゆえに脳は「否定型」を理解できないのです、、、なる話につながります。
確かに「○○を想像するな」と言われて想像しないでいることは難しいです。できない。だからと言って「脳(潜在意識)には否定型はない」と決めるのは話の飛躍です。もちろん直接言った方が理解しやすい場合はあります。
例えば「貧乏にならない」よりも「金持ちになる」や「安定した収入を得る」の方が理解しやすいです。「貧乏にならない」と言った時点で、「貧乏」にフォーカスしてしまうので、実際は「貧乏」が引き寄せられる、、、などの理屈にもつながりますし。しかし、本当に貧乏に苦しめられている人は、その苦しさをバネに脱出することもあり、否定系がモチベーションになることもあります。
そもそも「潜在意識」は本当に「否定型」を理解できないのか。結論から言うと、これはウソ。催眠状態で「腕を曲げないでください」と指示したら、もし、潜在意識が本当に否定型を理解できないのであれば、腕はガンガンに曲がるはずです。しかし、実際はちゃんと腕は固まる。
また、子どもに何かを支持する際、特に小さな子どもは潜在意識の塊なんだから、否定型ではなく直接言った方がいいと言う人もいますが、本当にそうでしょうか。私には3歳の子どもがいますが、嬉しいことによくお手伝いをしてくれるし、なんでも自分でやりたがります。例えば食卓から食器を台所まで持ってきてくれるのですが、その際、母親は「こぼさんごとよ(溢さないようにね)」と声をかけます。もし潜在意識が否定型を理解できないなら、ガンガンにこぼすはず。だけど、今のところ、そのようなことはありません。
つまり、潜在意識は否定型をしっかり理解できるのです。もちろん直接表現の方が入りやすい場合は多い。だけど、「こぼさないようにね」などの場合、「こぼさない」ことそのものにフォーカスさせた方が効果は高いに決まっています。
ですので、基本は肯定型で言うのがいいのでしょうが、時と場合により否定型を使う方がいい場合もあります。それはまさに「柔軟性(フレキシビリティ)」の問題であり、杓子定規に「潜在意識は否定型を理解しない」と決めて表現するのは必ずしも得策ではないのです。


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