「7日間で人生を変えよう」ポール・マッケンナ著

 本書にはNLP(神経言語プログラム)という言葉は使われていないが、紛れもなくNLPの本である。

 「現代の魔法」とも言われるNLPのスキルを使って、劇的に人生を変えていこうと指南する。

 そして7日間で人生を変えるためのプログラミングがこの一冊に組み込まれている。

 著者のポール・マッケンナはイギリスの人気のあるニュースキャスターで、催眠の第一人者でもある。

 本書は「はじめに」と「おわりに」を除くと、7章の構成で、一日一章、与えられた課題をこなしながら読み進めることになる。実に親切な構成である。

 簡単に内容を紹介すると、

一日目はセルフイメージのプログラミング。本当の自分、なりたい自分へと自らをプログラミングする土台を造る。

二日目は心のネガティブな回路を断ち切り、ポジティブなスイッチを入れる。

三日目はさらにプラス思考を強化する。

四日目は夢・目標を設定する。

五日目は健康という土台を造る。

六日目は富の基本となるお金を稼ぐための力を強化する。

そして7日目は「幸せ」にフォーカスしたテクニックを実践する。

 各章ごとにテーマに沿ったワークが紹介されており、誰でも簡単に実践することができるようになっている。

 とりわけイメージングを重視しており、手順に従ってイメージの世界から現実に働きかけるような仕組みである。

 中でも五日目の「免疫システム活性化」というスキルは興味深い。

 西洋医学では治療が不可能とされる難病を、イメージングの力で改善させた例を紹介しており、イメージングがいかに効果的で実践力があるかを物語っている。

 各章の冒頭では簡単な逸話が紹介される。ただ紹介されているだけで、何の説明もない。

 多くの読者が拍子抜けするかもしれない。しかしこの拍子抜けこそが著者の意図であろう。

 メタファーの力によって、無意識の領域に働きかけ、章の目的をより効果的に果たそうとする。

 また、ところどころに囲みの中に歴史的な名言を挿入している。

 これもおそらくは無意識の世界への働きかけを意図しているのであろう。

 それでは本当に7日間で人生が変わるのであろうか。

 もちろん個人差や取り組み姿勢にもよるのだろうが、「変わる」と断言していもいいと思っている。

 私自身、毎日、この本に取り組んでいる際、心の状態がダイナミックに変わっていくのを感じた。

 より大きな変化を起こしたいのであれば、繰り返し本書に従って実践してみるのもいい。

 また、おまけのように付けられているCDがあるが、この本のメインは実はそのCDにあると言っても過言ではない。

 30分の催眠誘導が収録されており、前半は日本人のアナウンサー、そして後半は著者自身の声が収録されている。

 実際、これをリラックスした状態で聞いていると、30分があっという間に感じられるほど、深いトランスに入ることができる。

 本書のスキルを実践する前にCDを聞くことを勧めているが、確かにそれは正しい。

 
 本書はNLPの知識がなくとも実践できるが、決して教養書の類ではなく、具体的な実践の手引きであることを力説したい。

 個人的には特にお勧めの一冊である。

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