■経営とは営業

こんばんは、行動強化コンサルタントの石田久二です。
前にいた会社は官庁・市町村から業務委託を受け、限られた工程内で成果を納品するスタイルの仕事でした。クライアントは役所が中心ですので、年度末に納品期が集中します。そうなると死ぬほどの忙しさ。
なのでほとんどの社員は報告書の作成業務(技術者)としての要員なのですが、ライバル会社はたくさんあるので、黙ってて仕事が入るわけではありません。つまり仕事を取るための「営業」が重要となり、そのための専門社員も当然ながら配置されています。
しかし、その要員は技術者と比べて遙かに少なく、5~6人に1人くらいしか営業に回せません。つまりそれ以外はすべて技術者なのですが、特に年度末などは猫の手を借りたいほど忙しいため、それでも十分に配置されているとは言い難い状況。それは実際の作業にあたる現場の技術者が一番よく分かります。
私は最初から最後まで技術者としての要員だったのですが、一度、事務所長と本社社長に呼ばれて「営業職」への異動を打診されたことがあります。結局作業の手が回らないことから、その話はなくなったのですが、当時、なぜにこんなに忙しいのに営業職を増やそうとするのか不思議でした。しかし今ならよく分かります。
「経営」の本質は「営業」だからです。もちろん「商品」や「技術」も重要ですが、それはむしろ当たり前のことであり、経営以前の問題です。そもそも商品・技術がないのに市場に存在することは不可能。孫正義やビル・ゲイツが経営者として超一流なのは、常に商品・技術よりも営業を優先していているからでしょう。
ビル・ゲイツはクライアントにハッタリかまして、とりあえず仕事を受ける。そこから考えて何が何でも求められたシステムを組む。孫正義は顔も見えない一消費者の要望に対しても、まず「やりましょう」と返してから取り組む。
おそらく一流とそうでない経営者の違いはここにあるのでしょう。一流は商品よりも常に営業が先行する。それ以外の経営者は商品ありきで営業をかける。と言うか、まともに経営をしていると、営業を後回しにすることは考えられないので、つまり経営者マインドとはこれなんです。営業は常に商品に先行する。
私が会社員当時、営業マンへの異動の話はなくなりましたが、経営者としては人員を増やしてでも営業を強化し、とにかく仕事を取ることを優先したかった。私も曲がりなりにも経営者となって、その気持ちが痛いほどわかるようになりました。
まずはハッタリかましてでも仕事を受ける。そこから考えても、以外とどうにかなるものです。そもそも仕事を与えられた時点で、できることを期待されているもの。できない人、できないオーラを出している人に出す仕事はありませんから。
経営とはまずは営業ありきなのです。


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