■なぜ、ブラチスラバか?

こんばんは、行動強化コンサルタントの石田久二です。
あくまで私の周囲に限っての話ですが、起業家、それもうまく行っている起業家のほとんどが「旅好き」です。スタイル自体はそれぞれで、バックパッカースタイルの人もいれば、ビジネスクラスで高級ホテル志向の人もいます。その折衷型の人も。ただ、一つ言えることは、パッカーであれ、セレブであれ、自由ということ。お金がないからパッカーとかではなく、お金があるけど好きでやってる、選択肢の一つとして自由であること。
そしてだいたいいろんなところを見てきて、自分の好きな国、場所があるようです。私についてはインドかな。ある人はギリシャだったり、ある人はラスベガスだったり、ある人はバンコクだったり、ある人はバリ島だったり、ある人はブラチスラバだったり。はて、ブラチスラバ?? すぐにどこか分かった人はかなりの旅人が地理通でしょう。
以前、世界一周をしている時、ハンガリーはブダペストの安宿でお会いした年輩の男性のこと。若い頃に事業で成功されてセミリタイヤして世界をフラフラしてたのですが、その方の一番の都市がブラチスラバでした。ブラチスラバとは、スロバキアの首都。チェコのプラハに行く人は多いですが、ブラチスラバを何度もリピートする人は希でしょう。その実、何もないそうです。
ではなぜ、そのリタイヤの方はブラチスラバに何度も足を運ぶのでしょうか。そこには「山」があるそうなんです。それもマイナーな山ばかり。だけど、いざ登ってみるとこれが最高なんだとか。こんな話、日本人で知ってる人はほとんどいないでしょう。ブラチスラバに滞在するのもマイナーだし、その中で好んで登山する人など滅多にいない。
だけど、これは一種のビジネスセンスなのかもしれません。大企業と中小零細個人とは経営戦略が違います。大企業は大金かけて大衆を相手にする戦略をとりますが、それ以外のほとんどの企業はそもそもそんな資金力も持ち合わせません。ですので、客層をマス(大衆)に求めるのではなく、地域や年齢、性別を絞り込み、そこにあった商品を売り込んでいくしかありません。ようは、絞って絞って絞り込むのが大企業以外に求められる戦略です。
そのブラチスラバ大好きおじさんがどんな仕事をしていたのは聞きませんでしたが、何となく大企業ではなさそうです。おそくら小さなマーケットで手堅く稼いでいたのでしょう。どんなマーケットでも「一位」になれば勝てるのですから。
おそらくそのセンスとブラチスラバの山が好きなセンスは通じるところがある気がします。多くの人は世界山と言えばアルプスかヒマラヤ。ちょっと頑張ってキリマンジャロ辺り。その他は北米や南米にあるのでしょうが、中欧の、それもスロバキアの首都ブラチスラバに最高の山があって、そこばかりリピートするセンスはかなり最高です。
より狭く、より深く、その中では一番、それが最高。大衆に操られるよりも、自分だけの「最高」がある人生って素敵だと思います。ビジネスも人生も、そうありたいと思います。


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