■あるがまま(外編)

こんにちは、行動強化コンサルタントの石田久二です。
精神世界の本などには、しばしば「あるがまま」であることが力説されています。これには二つの方向が示されます。一つは「外」に対する「あるがまま」であり、もう一つが「内」に対する「あるがまま」です。
まず「外」に対することとしては、この世の中を一切に価値判断を挟まずに見る、ことを意味します。例えば「雨が降っている」という事実に対し、多くの人は「鬱陶しいな」とか「イヤだな~」とか、逆に「落ちつけていい」などの判断を挟みながら、雨に接しています。
しかし、「あるがまま」の世界では、「雨が降っている」は「雨が降っている」以上のでも以下でもなく、ただ、その事実があるだけ。「お金がない」なる現象も同じで、多くの人は「ないと困る」と判断してしまいます。確かに現実生活ではそのケースが強そうですが、実際にはなきゃないでやってる人もたくさんいます。
また、「お金がない」と言っても、本当に一銭もないケースは稀であり、多くは程度問題。貯金が100万円を切ると、夜も眠れないほど心配する人もいれば、100万円貯めて達成感を抱く人もいます。さらには、貯金がゼロでもまったく意に介さない人もいる。つまり人それぞれ。
さらに言うと、本当にすべての財産を失っても、「これでお終い」と思う人もいれば、「ここがスタート」と思う人もいます。すべては価値観。その価値観を外すと、現象はすべて無色透明で、これが「あるがまま」の本質です。
しばしば「リフレーミング」という名のスキルで、マイナスの価値観をプラスに言い換えましょう、考え直しましょう、なるワークが紹介されますが、正直なところ、マイナスをそのままプラスに言い換えるのは、単なる言葉遊びのようにならなくもない。植え付けられたマイナスの価値観はなかなか治らないもの。
ですので、よりよい人生を送るためには、まずはすべての「現象」には価値がなく無色透明であることを「知識」として知ることからスタートします。そしてその「現象」を知らずに貼り付けた「価値観」を静かに傍観してみる。そのトレーニングができると、そのうち、どんなことがあっても動じない、つまり「あるがまま」に物事を見ることができるようになります。
プラスへのリフレーミングをそれからのこと。「あるがまま」の真実に立脚した上で、「いずれにしても無色透明だけど、プラスとマイナスでは、とりあえずプラスに考えた方が役に立つこと多いから、じゃあ、プラスに価値判断しましょ~」と自分の意思でコントロールする。
それが本当の意味での「自由」ってやつです。


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