■瞑想のスタート

こんばんは、石田久二です。


最近、早起きして瞑想する習慣が付いています。今年に入って早起きが苦じゃならなくなっています。朝5時に起きて、その静寂の時間にする瞑想。これはなんとも気持ちの良い時間です。


ところで、しばしば「瞑想」について質問を受けることがあります。まず、私が「瞑想」をしているか否かについて。これはまず「YES」と言えるのですが、だからと言って何か特別な方法があるわけじゃありません。マントラも唱えませんし、梵字を見ながらするわけでもありません。


せいぜい、結跏趺坐で座る程度で、胡坐や椅子のこともよくあります。目は瞑っている時もあれば、半分開けている時もある。つまり、決まった形なく、やりたいようにやってるだけです。そして、それでいいと思っています。ただ、寝てしまう可能性があるので、横にならないようにはしていますが、それもまた瞑想だとの認識があります。


サッカー選手の長谷部誠さんは、著書の「心を整える」の中で、毎晩、寝る前に30分ぼんやりと横になる習慣があると書いています。何も考えないのでもなく、考えるのでもなく。ただ、右から左に受けながす。視線はただ天井を見ているだけ。それもまた瞑想だと思います。

心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣/長谷部誠

¥1,365
Amazon.co.jp

かつて、ビジネスマンを中心に「TM瞑想」という瞑想法が流行りました。もちろん今でも実践されています。ここで興味深いのが、それが「ビジネスマン中心」ということ。そして決して安価でないにもかかわらず、受講者は非常に多かった。それだけの評判があるということは、実際に効果があるからだと考えていいと思います。


では、どんな効果か。それは、直接的にビジネス上の効果。私の知人にも、TM瞑想や独自の瞑想など、普段の生活に瞑想を取り入れている人がいます。その方々は、私の目からは、とてもビジネスがうまく行っているように見えます。


では、なぜ瞑想をするとビジネスがうまくいくのでしょうか。それは一言で言うと「バランス」だから。ビジネスをしていると、どうしてもいろんな問題に直面します。そして頭がグチャグチャになります。そんな時、一日30分でも、何もしない時間を積極的に取ることは、脳を休め、冷静になる上で極めて効果的。ゆえに、瞑想がビジネスに効果的となるのです。


一方、ビジネスをしていない人にとって瞑想とはどのようなものか。おそらくビジネスマンほどの顕著な効果は見られないと思いますが、それでも瞑想の習慣を持つことは悪いことではありません。しかし、時として瞑想が逆効果になる場合もあります。


それは、瞑想をすれば何か「特別な存在」になれると思っているケース。巷では、瞑想によって悟るだの、インスピレーションが研ぎ澄まされるだの、クンダリーニが上昇するだの、様々な説が流布されています。そして、どれも正しいこととは思いますが、実のところ、それはあくまで結果論でしかありません。


「悟り」とは何か。それは「差取り」の当て字のごとく、世の中をありのままに見て、いかなるものにも優先順位を付けない状態。「自我」とは、自分が見たいもの、優先したいものと定義されることがありますが、その意味で言うと、「悟り」とは「自我」が限りなく沈黙した状態と言えるでしょう。


ですので、「悟り」という状態を目指すとは、その状態を目的とする、優先順位を付けることとなり、「悟り」とは矛盾した状態が常にはらんでいることになります。「特別な存在」になろうとすることも同様。そうなりたいと思うのはまさに「自我」の働き。「自我」を沈黙させて「特別な存在」になろうと、「自我」が欲するという、非常に滑稽な状態が見られるのです。


その意味では私がやっている「滝行」も似たようなもの。今まで何人もの人を滝行へとご縁を結んだことがあります、一年以上続く人は非常にまれ。なぜなら、「滝行」をしたいと思う人も多くもまた、「特別な存在」になることを目指しているから。しかし「滝行」ではその目的は叶いません。それがわかると来なくなる。


「瞑想」によって悟り、そして特別な存在になる。まずはその考えがどこかにあるのだとすれば、それを認めること。そして「特別な存在」に「なる」のではなく、そもそも自分は「特別な存在」であることからスタートする。それが本当の意味での「瞑想」のスタートとなるのです。


カテゴリー: |―禅・瞑想 パーマリンク