こんにちは、石田久二です。たまには完全な息抜き記事を。
今日は久々に外でランチをしてきました。近所、、、と言うか、徒歩1分にある「ボナペティート」というイタ飯屋です。今の家に住んで5年ほどになり、数え切れないほど横を通り過ぎてるのだけど、入ったことは一度しかありません。
いろんな人から「美味しい」と聞いていたので、夜の時間に夫婦で行ってみたのですが、いろんな意味ですごい店でした。ヨーロッパ風のお洒落な建物と内装ですが、とにかく客が少ない。ところどころ掃除が行き届いてない感を、照明を落とすことでごまかしてる感じ。一言で言うとさびれてる。何より特筆すべきが、オーナー(?)の愛想の悪いこと。初老の男性が一人か二人でやってて、接客としては最低ランク。
以前行った時、何かのパスタを注文したのですが、そのオーナー、「それは、感心しない」と言って別のパスタを勧めてきたのです。最初の注文に特別な思い入れもなかったので、言われるがままにオーダー。かなり待たされてようやく来たのですが、食べてビックリ。「美味しい」のです。その日は予算をケチって、パスタだけになりましたが、いつかちゃんと食べたいと思っていました。まずはランチからでも。
後日、妻が友達とランチをするのに、この店を訪れたそうですが、確か12月30日だったかで店はお休み。だけど、ドアは開いてるし、店内も照明がついてたので、それと知らずに入ったところ、いきなりオーナーから怒られたとのこと。「休みって書いてるでしょ」、と。ただ、書いてるかどうかは店内に入らないとわからなかったそうで、店内はオーナーのお孫さんらしき子どもがちょろちょろ遊んでいたそうです。とても感じが悪かったので、「もうあの店行かん!」となり、私もそれ以降、行こうと思わなくなりました。
ただ、ここ最近のこと。ウォーキング中に毎日その店の前を通るのですが、相変わらず薄暗い店内に、客が入ってる気配もなし。商売的には完全にダメだと思うのですが、それでも長くやってるのは、何かあるんじゃないかと気になってきて。
そんな好奇心も半分、今日、ついに行くことにしました。正直、めちゃくちゃ入りにくい雰囲気で、入った瞬間、思わず「店、開いてますか?」と聞いてしまったほど。「はい、開いてます。奥どうぞ」と相変わらず無愛想加減で通され、オーダー時はメニューもなく「ランチしかありませんけど」と一言だけ。
どんなランチかも知らされず、「はい」と返事。ただ、見るとお客はそれなりに入っています。外から見えないだけなんでしょう。そして例によってかなり待たされ、ランチのパスタがやってきます。何も言わずに無言で置くだけ。フォークだけでスプーンなしですが、私はパスタを食べる時にスプーンは邪道だと思ってるので、そこは気にしません。
スパゲティカルボナーラ。具はベーコンのみ。フォークを突き刺すと、パスタのもちもち加減が伝わります。クルクルとフォークに巻いて口に入れた瞬間、ふわ~と生クリームとコショウの香りが広がります。うまいじゃん。
そして、このパスタはもしかすると生パスタかもしれません。乾麺を茹でたものじゃ、このもちもち加減はあり得ませんから。味は濃い目だと思いますが、私は濃い味が好きなので嬉しいです。ボリュームもそこそこあります。
そして間もなく、パンとメインが運ばれてきたのですが、パンは普通のフランスパン。メインは鶏肉のディッシュ。料理の名前はわかりませんが、ハーブとオリーブオイルで味付けがされています。そして期待を裏切らず、うまいじゃん、です。また、パンですが、それ自体は何の味もない普通のパンですが、パスタとメインのソースにからめて食べると、これが絶品。おそらくこうやって食べるのが正解なんだろ思います。
デザートはティラミスとエスプレッソ。ティラミスが美味しいのは当然として、エスプレッソのビックリ。これまで、こんなに美味しいエスプレッソに出会ったことがない。通じゃないのでよくわかりませんが、とにかく香りがよく、味も濃厚。味も量も大満足で1,000円は安いです。
お店としては、接客とか悪いとこだらけかもしれませんが、もし「安くて美味いパスタが食いたい!」と思ったのであれば、絶対にお勧め。グーグルで「ボナペティート 那珂川」で検索したところ、同じように接客のまずさはあるものの、味については誰もが大絶賛でした。確かにその通り。
ネットで調べてみたところ、このオーナーは若い頃に空手の先生として南イタリアに住んでて、その時に料理の腕を磨いたそうです。私はイタリアには行ったことがありませんが、実のところ、日本の接客の良さは異常です。
アメリカのレストランではウェイトレスは基本的に無給で、客からのチップで生計を立てているそうですが、そうなると当然、接客も良いと思われるでしょう。しかし、日本の接客に慣れているので、そこまで感じません。ましては、ヨーロッパやアジアはチップで生計を立てることもないので、いい接客に出会ったことの方が稀。
そう考えると、この「ボナペティート」は味も接客も、忠実に「南イタリア」がコピーされてるのかもしれません。そう思うと、このオーナーの無愛想さも憎めないどころか、店の個性にさえ思えてきます。こんな近くにありながら、今まで寄らなかったことが悔やまれます。
おそらくこのオーナーで店も終わりだろうと思うので、できる限り足を運びたいと思います。できれば、ランチだけじゃなくディナーも。久々に料理に美味しさに感動。この店はきっと根強いファンに支えられ、今日まで20年以上も続いてきたのでしょう。私もちょっとファンになりました。
「ボナペティート」
〒811-1201 福岡県筑紫郡那珂川町片縄2丁目122
石田久二(いしだひさつぐ)
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