■ほんま、どうよって話(毒記事)

こんばんは、石田久二です。フェイスブックに書いた記事の転載ですが、ほんま、どうよって話します。


実は私の母なんですが、ちょっと前にリンパの悪性なんとか、つまり癌が発覚したんですが、早期治療で完治しました。お産以外で初めて入院したオカンは、改めて医学の素晴らしさに感嘆してました。


その一方で、オカンの知人(専業主婦)から「抗がん剤はダメよ!」「免疫力高めなきゃ!」とか余計なアドバイスされて、そして一本5,000円のドリンクを毎日飲めって勧めてきたそうです。いわゆるマルチの商品なんでしょうが、それで「治る」って言うのは薬事法的にも普通にアウトだし、そもそも人の生き死に対して素人が口出しするのは犯罪じゃないかと思うんです。


もちろんその知人の勧めは断り、普通に病院に行って、普通に治療してもらって、普通に治りました。術後の経過を見るのに、ある程度の通院とかは必要でしょうが、歳とるといろいろあるわけで、そんなに騒ぎたてることもないと思うんです。


だけど、人が癌になったり、アトピーとかがわかったりすると、すぐに接近してくるマルチの人たちって何なの? 西洋医学は医師会と製薬会社が癒着してマッチポンプのように患者から搾取してるのよ、、、とかどっかで聞いたような話で医学を否定する。そして決まって、これ飲めば治るから、とか言って怪しげなサプリを勧めてくるんです。


そもそも医師会の陰謀とかって話がありますが、医者ってそんなに金だけのために生きてるとは思えない。もちろん金だけの人もいるとは思うけど。金のためだったら経営者になった方がいい。もし私が医者になる頭があっても多分できない。大変そうだから。休みもなく、そんでちょっとしたことで訴えられたりして、実は知人が勤める耳鼻科がそれで今えらい目にあってるんですよ。


医者のことをむやみに美化するわけじゃないけど、やっぱり金よりも患者が治ること、喜ぶこと、そして医学を発展させることの方が絶対嬉しいだろうし、そこの使命を感じてると思うのです。


むしろ陰謀論をすぐに持ち出す人は、それなりの理由があって、その端的な例がマルチとか代替医療の人たちの「商売」のため。「医学=陰謀=悪」って図式を洗脳しないと、マルチの人たちを動かせませんから。


で、その理論的根拠の代表として、免疫学の世界的権威と言われてる安保徹博士の一連の「一般書」があります。調べてみたところ、安保氏はほとんど臨床経験もなく、単なる理想論を振りかざしてるに過ぎません。


癌については、当然、化学療法を否定。もちろん「免疫力」を高めることが大切なのは素人でもわかるけど、それはあくまで予防であって、癌と診断された人にはちゃんとした治療が必要。安保博士に信奉するあまり、適切な処置が遅れる危険だってあります。


安保博士の本はずっと前に読んだこともありますが、彼は医者と言うより作家であり講演家と言った方がいい。話はわかりやすいし、何より「印象」がいい。医師会の巨大組織に孤軍奮闘して立ち向かう姿は、一般人の心を鷲掴みにします。


もちろん安保博士の言うことも間違いじゃない。日頃から笑顔で、感謝して、歩いて、自然なご飯を食べてると免疫力が上がって病気になりにくくなる。確かにそう。だけどそのことと「抗がん剤はダメ」ってのは別の話。混合しちゃうと、取り返しのつかない事態が増えてしまう。


似たような話に「ステロイド=毒薬」って話があって、やっぱり安保博士の信奉者などはステロイドを極力避けようとします。私の知人にもいました。しかし彼はある日、突発性難聴になり、病院に行くとステロイドの投与を言われるのですが拒否。理由は毒だから。そしてサプリやヒーリングで治そうとしたのですが、手遅れとなり完全に耳が聞こえなくなりました。


やっぱり大切なのはバランスなんです。そして「印象」だけで判断してはならない。物事の判断基準は「誰が言ってるか」ではなく「何を言ってるか」であって、そして素人が一方の意見だけを正しいと思って行動するほど危険なこともないんです。


ちなみに安保博士については以下の記事が参考になります。

http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20091026



<○×計画22>4/7(×お菓子、腕立・腹筋、執筆)
<愛>特になし・・・
<感謝>21日行を無事に満行することができました、滝場まで送って頂きました


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■ほんま、どうよって話(毒記事) への2件のフィードバック

  1. あめま のコメント:

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    私の父も、今年の夏に肝臓ガンになりまして、幸い早期発見で完治し現代医療に感動していた所だったのでコメントせずにはいられませんでした…本当に適切な治療を受ける事は大切だと思います。私もスピリチュアル等好きですが、本当にバランスです。それに混同してはいけない、適切な治療を受け、治るのであれば治し生きるのを私も選びます。それと本当に医者という職に着くのは貢献したい気持ちがないと選ばない、これにも頷きました。幼なじみが医者を目指してもうすぐ夢を叶えますが、彼の話を聞いていると富、名声だけの為に選ぶような職でないと感じます。長々とすみませんでした。とても素晴らしい記事だと思います。

  2. 石田久二 のコメント:

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    >あめまさん
    おっしゃる通りです。都合が悪くなったら、すぐに陰謀論を持ち出すのは、一部のスピ系の悪い癖だと思います。医者と腹割ってしゃべればそんな風には思わなくなるんでしょうけどね~

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