■クオリアとしてのジョブズ

こんばんは、石田久二です。
今日はスティーブン・ジョブズ氏のニュース一色でした。私はマックユーザーでもないですし、iphoneは活用してるけど、いわゆるアップル信者を自称する方々よりは、ジョブズ氏への思い入れもないはずなんです。だけど、お亡くなりになった一報を聞いた時、正直、心身がフリーズしました。
それと共に、いろんなことを思い出してしまったので、思わずフェイスブックに投稿。

我が家(石田家実家)にパソコンが初めて来たのは、確か小学4年くらいの時だったと思う。当時はマイコンって呼んでた。
従兄弟の家にNECのPC8801があり、一つ上の兄貴がそれに興味津々で、従兄弟の家に行くのをいつも楽しみにしていた。そして従兄弟の家にあるパソコンの本などを借りては、プログラム(ベーシック)の組み方を独習し、ノートに書き綴ったプログラムが作動するのを空想上でいつも楽しんでいた。
そんな兄貴の姿を見て不憫に思った親父は、まもなく従兄弟の家にあったのと同じPCを買ってきた。おそらく当時で20万円は下らなかったと思う。ディスプレイは緑色。カセットテープでプログラムをセーブ。8ビット。今では考えられないスペックだけど、兄貴は当然、それに夢中になった。
あらかじめ書き綴っていたプログラムが実際に作動するかを一つ一つ確認しながら、ゲームをする以上に、次々とプログラムを組んで楽しんでいた。そんな姿を見た小1の弟は、勝手にベーシックをマスターしてしまい、二人で次々とゲームを作っては楽しんでいた。
どちらかと言うと数字より文字に強い(単に数字に弱い)私は、弟の作ったゲームに解説文を加えて、「ベーシックマガジン」なる雑誌に投稿。それが採用されて印税として税抜き9,000円をもらった。たぶん確定申告はしてないと思う。
そんな弟も今では某大企業のエンジニア。兄貴も某法人でのシステム屋。私は、、、書いてしゃべるのが本業。小学生の時にすでに将来の方向性が決まっていたのかもしれない。
それはそうと、PC8801で遊んでいる当時、アメリカにすごいゲームがあることを雑誌で知る。その名は「ウルティマ」。実はこれ、後に流行るRPGのベースとなったゲームで、ドラゴンクエストもファイナルファンタジーも、ほとんどがウルティマのパクリ。
しかし当時、PC8801ではウルティマはプレイできなかった。そのゲームをするには、、、アメリカのハードウェアが必要であった。そのハードウェアの名前が、確か、、、アップル。
アップルにはウルティマだけでなく、とんでもなく魅力的なソフトが並んでいた。いつか必ず、、、アップルを買うんだ、と三兄弟は誓い合ったが、まもなく16ビットのPC9801が家にやって来て、さらには日本のハード・ソフトが激しく進化し、いつの間にかアップルの存在は無きものさえなっていた。
それから約10年後。ウィンドウズ95が発売され、IT革命が巻き起こった。時代はウィンドウズ。だけどそれは、、、実はあるハードウェアのパクリであることを知る。そのパクリ元の名は、、、アップルのマッキントッシュ。
ウィンドウズの陰に隠れて、いわゆるマックユーザーからはしぶとく愛用されていた。そのうちなくなるだろう、、、なんて思ったりしたけど、それは完全なる見当違い。やっぱり「本物」は残った。
結局、マックユーザーになることはなかったが(今後はなる可能性大)、今、手元にあるiphoneだって、今さらながらアップルじゃん。幼き日に、いつ必ずアップルを手にしてやる、、、と心の誓ったのは、知らず知らずに実現していた。
そんなことを思い出しました。。。


それから急きょ、ニコニコ動画で「ジョブズ追悼番組」が放送されたのですが、その中で脳科学者の茂木健一郎氏と元マイクロソフト副社長の西和彦氏のバトルがハイライトとなっているとのこと。
茂木氏もいわゆるアップル信者であって、マイクロソフトへの悪気はないのだけど、つい感情が高ぶって「ウィンドウズ大嫌い」とか言ってしまったのでしょう。その言葉に西氏が食ってかかってわけですが、そのような「大人のケンカ」を呼び起こすのもまた、ジョブズの魅力なんだと思います。
アップルにはアップルとしての独特のクオリア(質感?)があって、それに人々は魅了される。理屈じゃない。ウィンドウズには確かにクオリアとしての魅力は劣る。そんなニュアンスだと思うのです。
そこにマック信者でもない私に、「ジョブズ死去」のニュースを聞いてフリーズフリーズさせた何かがあるのでしょう。56歳の早すぎる死。少なくともあと30年は活躍して欲しかった。でも、夭折するのもまた天才の宿命なのでしょうか。
その破天荒な生き方も含め、ジョブズこそが現在のモーツァルトになり得たのだと感じます。ご冥府をお祈り申し上げます。


<○×計画6>7/7
<愛>来客の方にお茶をご馳走させて頂いた
<感謝>滝行を開始して、ちょっと弱っていた喉が治り、ますます喉が強くなっているのを感じる


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