■「洗脳」について

こんばんは、石田久二です。
先日、ネットワークビジネスをしている人とお話して、つくづく思い出したことがあります。ネットワークビジネスの普及活動ってのは、良い悪いは別として、限りなくカルト宗教のそれに似ているってこと。つまり「洗脳」のこと。
ただし、私は必ずしも「洗脳」をネガティブな意味で用いているわけではありません。社会に生きていると、多かれ少なかれ、何かに洗脳されざるを得ないわけですから。北朝鮮などは国家レベルでの洗脳と言えますが、では民主主義が洗脳じゃないかと言うと、それもまた違うとは断定できません。
それはともかくとして話をもっと限定したいと思いますが、これまた良い悪いは別として、ネットワークビジネスで成功するには、実は「洗脳」の力を身に付けることが一番効果的です。おそらく私が今からそのビジネスを始めると、割と早くに成功する自信があります。もちろんやるつもりはまったくありませんが。
なぜ自信があると言えるのか。それは「洗脳」のやり方を知っているからです。だからと言って、どこでもそこでも洗脳して歩いているわけではありません。なぜなら「洗脳」をするにおいて、最も大切なの条件は「場」だからです。
しばしば「洗脳」が行われる場として、世間から隔離された山奥のセミナールームなどが用いられますが、これは不可欠な条件です。その辺の喫茶店で洗脳はできません。しばしばファミレス等でネットワークの勧誘をしている人を見かけますが、きっかけとしてはいいとしても、仮にそこで勧誘できてもすぐに解けてしまうでしょう。
「洗脳」において「場」が大切なのですが、もっと詳しく言えば、情報を遮断することが第一の条件となります。この辺は逆に思っている人も多いと思います。つまり洗脳は情報を与えることだ、と。ですが、これは大きな間違い。情報を与えるよりも遮断することの方が100倍効果的。北朝鮮を見ればよくわかるでしょう。
そしてそのような「場」に連れていくことができれば、正直、プロにかかってしまえばイチコロです。なぜならプロは勧誘するためのありとあらゆるノウハウを有していながら、勧誘される側はそれを断ることにおいても素人だから。
ですので、宗教であれ、ネットワークであれ、単なる付き合いで話を聞く程度ならば、相手の「アジト」には絶対に行ってはなりません。プロを甘く見てはならないからです。
では、そこでどのような「洗脳」が行われるのか。それは主に二つのこと。つまり、
「『インパクト』と『繰り返し』
です。またはその組み合わせ。では、どんなインパクトを与え、何を繰り返すのか。それは、
「『喜び』と『恐怖』」
です。宗教で言えば、教義や教祖に従えば「喜び」を与え、そむけば「恐怖」を与える。そんな話を映像をずっと見聞きさせるのです。ネットワークで言えば、商品を使う「喜び」と、使わない「恐怖」に関する情報を延々と与え続けるのです。
するとどのような現象が起るのか。それがまさに「アンカリング(プログラミング)」です。確かにネットワークが扱う商品の中には一般の市場にはない素晴らしいものがあることは否定しませんが、ただ、誤解を恐れず言うと、9割以上マガイモノです。
しかし、どんなマガイモノであっても、その商品を使う「喜び」と、使わない「恐怖」がしっかりとアンカリングされていれば、もはやそれなしでは生きていくことができなくなるのです。
「パブロフの犬」の実験と同じ。犬に餌を与えながら鐘を鳴らし続けると、そのうち餌を与えず鐘を鳴らすだけでヨダレが出るようになる。これは、「餌」→「ヨダレ」という「無条件反射」に、「鐘」を滑り込ませ、「鐘」→「ヨダレ」という回路を作ってしまう。つまり「条件反射」を作りだすですが、同じ原理。
「商品を使う」→「喜び」と「商品を使わない」→「恐怖」という「条件反射」が作られてしまえば、周囲が何を言おうとも聞く耳を持つことはありません。それは「鐘」→「ヨダレ」という「条件反射」を作られた犬に対して、「鐘を聞いてもヨダレを出すな」って説得するようなもの。
これがまさに「洗脳」のメカニズムです。これ以上詳しくはあえて書きませんが、このようなメカニズムを知っていたら、まず「防御」はできますし、もしかしたら誰かを「洗脳」することも可能かもしれません。ただし、悪用厳禁。とは言うもの、どうせやるならこれくらいは勉強して知っておくのも損な話ではないかもしれませんね。


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■「洗脳」について への4件のフィードバック

  1. めぐみ のコメント:

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    ネット商材の販売ページなんてみんなこれ使ってますよね。 あまりにテンプレート化されている感もありますが。

  2. あさもん のコメント:

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    僕は全部から目をそらしてきました。無茶できるときに痛い目に遭うことも凡人には必要だったのかもしれません。

  3. エイン のコメント:

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    教義や教祖と、それらにそむいた場合に起こるとされる「恐怖」、それらの関係性と、その「恐怖」的事象は本当に事実であるのか?という疑いや検証の姿勢を常に持っている人だとしても、場合によっては、洗脳にかかってしまうものなのでしょうか?
    それとも、洗脳は催眠術のようなもので、理屈の入る余地が無いのですかね?

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    こんにちは^^
    面白い記事ですね。
    最近は、苫米地英人さんの洗脳について学んでいますが奥が深く面白いです。
    また覗きに参ります。
    平山公威

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