もともとこの手の話に興味がないわけじゃなかったらしいが、ヘミシンクを聞き、ワークに参加したことをきっかけに、その辺のチャンネルが一気に開花し、そこで体験したことを日記にようにつけていたら、それが一冊の本になったのがこれ。
ヘミシンクとはアメリカのモンロー研究所で開発された特殊な音源のことで、左右で違う周波数の音を聴かせることで、脳波が特別な状態となり、それによって様々なものが見えると言う。
著者は薬学系の営業マンで、職業柄、曖昧で感覚的なものをやたらと信じることなく、あくまで冷静に左脳的な姿勢が、多くのチャネラー本との違いとなっているのだろうか。信じる信じないの話はあったとしても、実際の体験だけは疑えず、読者としても静かに読み進めるしかない。
著者は4人家族で2人の娘がいるのだが、次女を除いてはスピリチュアルにも関心を持つタイプ。しかしその次女はなぜか昔から家族に心を開こうとしない。ヘミシンクで「驚愕の前世」に触れたことで、その理由が分かったと言う。
つまり次女とは前世でも親子であり、不幸なことに次女が水に流され溺れ死ぬのを、なす術もなく見放してしまった過去があったらしい。それによって次女は「見捨てられた」というカルマを今生に引きずっており、それが現在の家族関係に影響しているのだと言う。
そのことを知った著者は大いに泣き、そして次女との共感を得ることになるのだが、その話が本当かどうかよりも、ヘミシンクの体験によって家族関係が改善されたのは素晴らしいことではないか。
その前世での出来事は、著者は次女、家族の今日にも大いに影響しているようで、スピリチュアルな言い方をすれば、やはり前世のカルマが今生に受け継がれていることになるのだろうか。
ヘミシンクで「フォーカス」というレベルによって、様々な世界を垣間見ることができるそうだが、著者はその高いフォーカスレベルにおいて、ガイドやハイヤーセルフと言った、高次元の存在とつながることができた。そこからメッセージを得ることができ、それをチャネリングと呼んでいる。
そしてそのメッセージを通して、仕事など現実生活まで変わったと言うのだから、この手の話も無暗に疑うことなく素直に受け入れるべきところはあるのだろう。
本書は余計な理屈などなく、ただ淡々と体験談と気づきをつづっているだけなのだが、それがゆえに出来事の生々しさが伝わり、最後まで一気に読むことができた。
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人生を変える100日ブログ :53日目