「愛と革命のルネサンス」須藤元気著

元格闘家であり、今となってはスピリチュアル業界で著名な須藤元気氏による中欧旅行記。

オーストリア、ハンガリー、ドイツ、チェコを相棒のイトウくんとの旅をユーモラスに綴っている。

写真も須藤氏が撮影したのか、どれもとても素敵である。多才だ。

正直、須藤元気と言う人を胡散臭く見ていたが(笑)、本書を読んでみて、非常に親しみがわき、楽しく読み進めることができた。

ところどころ、イトウくんとの漫才のようなやり取りも素直に笑えたし、ところどころに登場する思想や物理学に関する話も興味深く読むことができた。

それにしてもハンガリーはゲーデルにソロスにノイマンに、歴史に名を残す人物が多いこと。

そんな知の源泉に触れようと、ウィーン工科大学で学食を食べることにこだわる須藤氏であるが、そこでビールを飲むところなど、まったく「旅」を感じさせるものだ。

本書のハイライトと言う「ブダペストクラブ」への訪問では、ラズロ博士に「舞」という書を送る話が興味深い。

ラズロ博士は量子物理学者であり、須藤氏がラズロ博士から「量子は常に舞っている」と聞かされたことからその書をプレゼントしたとのこと。

その書を受け取った女性理事は元からあった壁時計を外し、すばやく須藤氏の書を飾り、そこでおもむろに手をかざす。

エネルギーを見ている、と言う。

物理学者の会において、そんな「怪しげ」なことも堂々と行われてるなんて、科学の世界はもっともっと自由なのかもしれない。

ブダペストクラブを出た直後、須藤氏の目の前を一台の車が横切った。

ボンネットに「舞」と書かれてあり、見事なシンクロニシティ(共時性)を体験するのである。

ラズロ博士は言う。

「私たちを含めた宇宙の万物が、これまで常識とされていた空間と時間の枠を超え、ほかのものすべてと非局在的につながりあっている」

須藤氏は「We are all one!」と繰り返す。

まさにそうなのかもしれない。

本書は旅行記としてもとても面白い。

缶詰のフォアグラをその場で食べたり、温泉と間違って水のプールに毎日入っていたり、カジノでぼろ負けしたりなど、私自身も身に覚えのあるような旅の風景が面白おかしく綴られている一方で、深淵な物理法則や思想に関する話もさりげなく挿入される。

最終章で旅のきっかけとなった思想家アーサー・ケストラー氏との対談について述べられるのだが、瞑想時の脳の状態の話になる。

瞑想時は普段バラバラに動いている右脳と左脳が一時的にシンクロし、そこで様々なアイデアが生まれることがあると。

優れた思想家はやはり瞑想などを通して、脳の働きを活性化した状態を意図的に作るもなのかもしれない。

非常に興味深い一冊だったため、須藤氏の他の著書も読んでみたいものだ。

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「愛と革命のルネサンス」須藤元気著 への1件のフィードバック

  1. kaorin のコメント:

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    私もウサンくさく見てました。(笑)
    買ってみようかな?

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