著書いわく、
「自分の頭の中の配線とスイッチを切り替えることで、瞬時にストレスを解消・軽減するための方法とテクニックを網羅した本」
とある。ストレスを引き起こす30の悩みや症状と、その解決方法を具体的にワークによって紹介される。方法論はNLP(神経言語プログラム)である。
現在、NLPに関連する著作が次々と刊行されており、その多くはコミュニケーションであったり、願望実現であったり、とりわけビジネスサイドからのアプローチが多いようであるが、本書は「ストレス」に焦点を絞った、ある意味、特徴的な一冊。
目次に目を通すと「ストレス」「~がない」「~できない」「苦痛」「ムカッとくる」「気分が悪くなる」「イライラ」「プレッシャー」「混乱」「無力感」「やる気が出ない」「不安」「いじめ」「コンプレックス」「嫌いな人」「先送り」「ダメ」など、ネガティブな言葉が目に付く。
しかし著者が「一億三千万人総ストレス時代」と言うように、誰もが様々なケースにおいて、ネガティブな感情を持つことはあるだろう。
本書ではそれらを取り除くための実践的な方法がイラストをまじえながらわかりやすく示されている。
まずは初っ端にNLPの基本スキルとも言える「アンカリング」がくる。それは身体に特定の刺激を加えることで、瞬時に感情や反応を変える(元に戻す)ための方法である。まずはそれだけを徹底したとしても、よい効果はでるであろう。
本書では、NLPのコースやセミナーで実践される、個別のスキルを、個別のケースにあてはめながら紹介しているので、より実感しやすいだろう。
ただ、ラポールを切るためのスキルとして「メタモデル」が紹介されるのはどうかと思うが、ストレスを解消することに特化しているので、そのつもりで活用した方がいいだろう。
確かに使える。しかし、ある意味、偏った使い方であることを知った上で手に取るのが無難かもしれない。
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