今や累計60万部を超す大ベストセラー作家となった石井裕之氏の実質上の処女作に当たるのかが本書。そして石井裕之氏の最高傑作であることに疑いはない。
潜在意識を活用したコミュニケーションのテクニックであるが、NLP(神経言語プログラム)などの本を併読するとさらに理解が深まるであろう。ここで言う「催眠誘導」とは、もちろん巷で見る催眠術の類ではなく、ミルトン・エリクソンの催眠誘導がベースとなっていることは言うまでもない。
2009年現在では、NLPをはじめ類書が数多く出ているが、本書が世に出た2000年、つまり今から10年前はこのような類の本はほとんど出ていなかったのではないだろうか。ある意味、禁断のテクニックであったかもしれないが、今でもその効果は十分にある。10年たった今も色あせない、まさしくビジネスマン必読の書であると言えよう。
本書はとにかくわかりやすいので、催眠誘導のなんたるかを学ぶ上でも役に立つが、セラピーやコーチングの経験のある、ある意味上級レベルと言える人にとっても気づきの多い一冊であろう。私も何度も繰り返し読んだ。
ここではあえて内容に触れることはしないが、たったのワンコイン500円で、これだけのコンテンツを吸収できるとは、世の中の価値たるや実にチグハグである。ちなみに本書は声を出して読むと非常に効果が高まり、数万円のセミナー受けるのと同じ効果がある。
- コミュニケーションのための催眠誘導 「何となく」が行動を左右する (知恵の森文庫)/石井 裕之
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