林貞年氏による催眠三部作の三冊目。「催眠術のかけ方」は催眠術への導入からセックスなどへの応用まで、「催眠誘導の極意」は催眠の歴史背景から自己催眠まで、そして三冊目の「催眠術の極め方」については、いわゆる催眠を用いた願望実現法までと幅広い。
この三部作、つまり林貞年氏の「催眠」は、いわゆる「古典催眠」からエリクソン派の「現代催眠」まで広くカバーしており、およそ「催眠」に関する知識やノウハウはこれで事足りるではと思われる。中には頸動脈を抑えるなど、やや乱暴な催眠術まで紹介されているが、なるほどと思わせる部分もある。
昨今、NLP(神経言語プログラム)や潜在意識を活用したコミュニケーション、願望実現に関する本が氾濫しているが、それらの基本的な考え方はこの三部作で抑えることができる。ただし、本当に「催眠」を学び活かすためには、単なる文字情報だけでは絶対的に不十分であり、本書をベースとしながら、各種ワークショップなどで実施するのがいいと思う。
しかし、「催眠」のプロになろうと思わずとも、本書の「催眠」的なテクニックや考え方は知っておいた方がいいものも少なくない。たとえば、なぜ「言い訳」はよくないのか、「言い訳」は自己成長を著しく損なわせるのであるか。そのような簡単な理屈を知っているのと知らないのとでは、これからの人生に雲泥の差が出るであろう。
余談であるが、実はこの三部作は人には教えたくなかった。第一の理由は、「催眠」というと怪しい雰囲気があるので、変に誤解される恐れもあったから。そしてもう一つの理由は、私がそれとなく使っているテクニックがばれるからである。以上。
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