「日々の暮らしを楽にする」小林正観著

 いつの間にか一般書店でも数多く見かけるようになった小林正観氏による一冊。4~5年前までは特定の出版社の特定の書店かインターネットでしか買うことができない「知る人ぞ知る」人であったのだが、今では出す本がほとんどベストセラーなので、広く知られるようになっている。

 もともとは旅行作家という肩書であるが、今では年に300回以上の講演会を展開し、出す本のほぼすべては出版社付きのライターが講演会を書き起こした内容となっている。従って、どの本も同じような内容であり、本書も例外ではない。しかし、初めて小林正観氏の本を読む人であれば、最初の一冊としてはとっかかりやすいであろう。また、小林正観ファンにとっては、おそらく新しいと思われる記述もあるので後述したい。

 本書は全部で13章あり、各章ともテーマが設定されている。

第一章:自分探し
第二章:他人の問題
第三章:恋愛・結婚
第四章:夫婦関係
第五章:子育て
第六章:仕事
第七章:お金
第八章:健康
第九章:死
第十章:霊
第十一章:占い・予言
第十二章:感謝
第十三章:実践

とまあ、人生に関わる問題のほぼすべてが網羅されている。いい話、すぐに実行できる話、そして感動する話も多く、読むと気持ちが楽にはなるだろう。今流行りの「トイレ掃除で臨時収入」などの話も、おそらく正観氏がその走りではないか。実際にトイレ掃除だけで収入が得られることはないにせよ、トイレ掃除が悪いはずもなく、やってて自他ともに気持ちがいい。当り前の話である。

 全体的なトーンは「現世利得」の追及をお釈迦様や宇宙エネルギーなどスピリチュアル(オカルト)要素で実現しようとするものであり、汗臭い努力を嫌う現代人の心をわしづかみする。ただ、トイレ掃除は確かにいい習慣であるが、それさえやっておけば・・・という安易な現実逃避につながるよう人に対しては、本書は毒にもなろう。

 
 目新しい記述としては「占い・予言」に関する一章。ややもするとスピリチュアル(オカルト)好きの多く(つまり本書を手に取りがちな人)は、占いや予言などの類に依存する傾向がある。そのような現象を皮肉っている様はある意味痛快。

 とりわけ、おそらくはジュセ・・さんのことなのであろうが、「いつどこで大地震が起こる」みたいな予言は「悪魔の側」の話であり、聞く必要は一切ないと一刀両断している。全体的にはとてもいい本かもしれない。しかしこれは大人の読むもので、中学生などリテラシーのしっかりしていない人はまだ読んではならない。

日々の暮らしを楽にする/小林 正観
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