「島田紳助の話し方はなぜ9割の人を動かすのか」久留間寛吉著

 1980年台、「紳助・竜介」という漫才コンビでブームをけん引した島田紳助も、今では見ぬ日はないテレビタレントとして活躍し、そして芸能界1,2を争う実業家で資産家でもある。

 本書は島田紳助の最大の武器でもある、その話術に焦点を当ててフリーライター久留間寛吉氏が分析、論述している。

 紳助の成功法則については、「紳竜の研究」というDVDで紳助本人が詳しく語っているので、本書の内容とも重なる部分は多いが、本書には紳助がテレビや著書などで語っている本音の部分を多く拾い上げている。さしずめ、ビジネス書という論述の姿を借りた、紳助の名言集であるとも言える。

 例えば、最初に目次を見て、気になる「言葉」があれば、そこから読んでもいい。紳助が芸能界で売れて、実業家としても成功するには、紳助の中に決してぶれることのない確固たる軸、つまり「哲学」があることがよくわかる。

 本書には人生において気づきを与える言葉がたくさん散りばめられてあるが、私が特に響いた言葉を紹介するにとどめたい。

「俺はもうおるで。成功者の真似は成功から遠ざかる道」

誰かみたいになりたいなんて、つまらない夢だなあと思う。
他人のようになろうとするのではなく、もっと自分になれと思う。
成功している人を見ると、あの人みたいにすれば成功できると思うかもしれない。
僕に言わせれば、それが一番成功から遠ざかる道だ。

島田紳助の話し方はなぜ9割の人を動かすのか/久留間 寛吉
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