■ナウル化する日本

こんばんは、行動強化コンサルタントの石田久二です。


南太平洋に「ナウル共和国」なる国がありますが、非常に面白い歴史を辿った国です。20世紀初頭からリンが産出されることがわかり、そのおかげで国は信じられないくらいに豊かでした。税金なし、教育・医療はただ、年金でもないのに国民には生活費が支払われる。働いているのは公務人と外国人労働者とのみで、ほとんどの国民が遊んで暮らしていました。


しかし唯一の産業であったリン鉱床は21世紀には枯渇してしまい、突然、収入源がなくなってしまいます。当然、それまでの潤沢な国民福祉は維持できなくなり、現在の生活水準はどうなっているのでしょう。とりあえず哀れなまでの外交で援助を引き出すだけの国。だからといって、長年、働くことを知らなかった国民に、頑張って国を復興するだけの力はありません。わずかな望みとして、かつてのナウルを知らない若い世代への教育がどのように、どのように花開くかだけ。


国が平和なのは幸いですが、絵に描いたような「キリギリス」の国。しかし、私たちとてナウルを笑うことはできません。何だかんだと言って、やはり日本は恵まれています。ナウルの実状を見るたびに、日本の生活保護世帯を連想せずにはいられません。


一定の条件を満たせば、何もしなくても生活できる資金が保証される。むしろ何かしようと働こうとも、生活保護費よりも少ないことがある。と言うか、ほとんどがそう。だったら、嫌な思いして働くのは損。となると、毎日が暇。そこでパチンコにでも手を出したらもう終わり。どんどん資金を吸い取られて本格的に生活苦が始まる。どうしようもなく手を出すのが高利貸しのサラ金。このパターン、決して少なくないようです。


しかしこれからも未来永劫、このような状況が続くとはまず考えられません。リン鉱床が枯渇したように、日本の生活保護予算が大幅に削られないとも限りません。と言うか、その方向に進んでいることは間違いありません。


これは生活保護だけじゃなく、親にパラサイトしているニート・フリーター、終身雇用神話を信じているサラリーマンもそう。今までそうだったから、これからもそうだなんて幻想は通じない世の中がやってきています。そこで私たちは今後、どのような生き方を目指せばいいのか。


やっぱり最後は自分次第なんですよね。今の仕事、会社、資産、資格などがすべてリセットされたとしたら、自分はどうやって生きて行くべきか。この「質問」に明確に答えられる状態を、私は「安定」と呼んでいます。全国民が肝に銘じておくべき「質問」だと思います。


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