■名前の付いたオバケは怖くない

こんにちは、行動強化コンサルタントの石田久二です。


中国のことわざに「名前の付いたオバケは怖くない」というものがあるそうです。このことわざがとても好きです。人間にとって、何が怖いかと言えば、それは「未知」です。


例えば、いつも顔を出してくれる馴染みの営業マンと、一見の飛び込み営業マンと、どちらに仕事を頼みたくなるでしょうか、どちらから商品を買いたくなるでしょうか。よほどタイプとかでない限り、ほとんどの人が前者の馴染みの営業マンですよね。


やっぱり知ってる人の方が安心だし、親近感もあります。確かに世の中には、飛び込んで一発必中で成約してしまう営業マンはいます。だけど、ほとんどの人は、門前払いか、パンフレットをおいてくる程度でしょうか。ですので、営業の基本といえば、やはり顔を覚えてもらうことから始めるのが王道と言えるでしょう。


ちなみに何度も顔を見せることで、信頼感(ラポール)を築いていく効果のことは、単純接触効果、またはザイアンス効果と呼ばれています。


ただ、その一方で、人は「未知」に対する好奇心があるのも事実。もし好奇心がなければ、決して科学は発達しなかったでしょう。例えば何らかの病気が発生したとして、最初はその病気の仕組みも原因も「未知」だったはず。それを「神の仕業」と考えていた時代もあったでしょうが、誰かがその「未知」に好奇心を持ち、解明しようとしたからこそ、医学が発達したわけです。


原因不明の病気はとても怖いですが、わかってしまえば怖くない。オバケと同じく、名前のない病気ほど怖いものもないでしょう。


つまるところ、人間社会ってのは「未知」と「既知」の繰り返しによって発展したと言えるでしょう。もしも何か漠然とした不安を持っているのなら、それは単に知らないから。もっと言うと、知らないことさえも知らない。それを「無知の知」と言ったりしますよね。


不安の原因は知らないから。そして知らないことさえ知らないから。その事実に気が付けば、様々な不安も解消していくんじゃないかと思っています。まずは「無知の知」からスタートする。何をするにおいても、その謙虚さが大切じゃないでしょうか。自戒も含めて。


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