独立奮闘記(3) ~必ず誘われるビジネスとの出会い~ (2005)

スピリチュアルなバックボーンから会社を退職。

それが理由として一番適切かもしれません。

その頃、素手でトイレ掃除、新月に願いごと、満月に通帳をかざす、各種呪文など、いわゆる「スピリチュアルテクニック(スピテク)」の情報をいろんな人から聞き、それを実践することで、生活できないかと考えていました。

インドから帰って間もなく、コーチングを学ぶクラスメートから「ガラクタ捨てれば自分が見える」などと言ったタイトルの本を紹介されます。筆者はカレン・キングストン詩。

何気なく読んだ文庫本ですが、20ページも読まないうちに、いきなり掃除がしたくなり、普段は一週間に一つ出ればいい方のゴミ袋が、何と数時間で7袋も出てしまい、とたんに家がスッキリしたものです。

そしてその数時間後、何と2万円分の簡単な仕事と、米10キロ、その他食料が一気に手に入り、「掃除をすればお金が入る」のスピテクを確信するのです。

それ以降もとにかく呪文(真言)を唱えながら、素手でトイレ掃除をし、月の動きにも敏感になり、まさに天にお任せのように日々を送るのです。

ただ、さすがに私もそんなお調子者でもないので、具体的にお金を稼ぐ方法を持たなかったわけではありません。

それは、

・まちづくりNPOの仕事

・ネットワークビジネス

・アフィリエイト

でした。

まちづくりNPOの仕事と言うのは、前職からの付き合いでそのNPOに所属し、前職と同じように委託業務をこなすもの。

ただし、それはある時だけの不安定なものでいた。それでも、いずれは安定するであろうと、定期的に顔を出します。

そしてネットワークビジネスです。

会社を辞めたりなんかすると、まず声をかけられる、ある種の「通過儀礼」のようなものですが、実際、数名の人から誘われました。

多かったのがニューウ〇イズという会社。あまりに誘われて鬱陶しいので、入会費が0円ってことで、一応、エントリーだけして商品も買わず、セミナーも無視。

ただ、実を言うと、私が会社を辞めるにあたって、普段から背中を押し続けていた仲の良い知人から誘われていたものがありました。

それは健康食品や日用品の類ではなく、オンラインセミアーがコンテンツという変わったものでした。

知る人ぞ知る「SQ」というビジネスで、オンラインセミナーには、アンソニー・ロビンズ、ロバート・キヨサキ、ブライアン・トレーシー、道幸武久、和田裕美、など内外のそうそうたる顔ぶれがそろっていました。

もっとも、その時はセミナーやら、成功法則やらの存在も知らず、入会費が安かったのと(3万円)、あわよくばこのビジネスを広げることで成功できるのでは、、、という思いがあり、会社を辞める直前に参加したのです。

実は(1)に登場したKM氏はこのビジネスのトップディストリビューターでした。

とにかくやる気満々でした。

誘ってくれた友人からも、

「これで日本全国を周って、一緒にシンガポールのコンベンションにも参加しよう!」

などとハッパをかけられていました。

そして数人の知人にも勧めたのですが、当然のごとくうまくいきません。

興味を示した2~3人が一応参加したものの、実はそのビジネスをきっかけにそれまで仲の良かった誘ってくれた友人ともギクシャクし始めます。

例えば会議をしようと家に呼ばれます。

そこで言われたのが「初日に1人誘え、二日目はその1人が誘うから2倍だ、3日目はさらに4倍、4日目は8倍・・・」などという、あまりにも無謀な理論値を押し付けるのです。

何も知らない私は、そんなものかとコミットメントさせられるのですが、そんなにうまくいくはずがありません。

するとできない理由を責め立てられるのです。

そのうち私もギャクギレです。

それでも私自身はあきらめておらず、「人脈ネット」なる、いわゆるネットワークビジネスに特化した「出会い系サイト」があり、それに登録。

すぐにアポもとれるのですが、お互い自分のビジネスに引き込みたいがために登録しているのですから、うまくいくはずもありません。

ただ、多い日は1日に5人以上の人とアポを取り、同時に毎日「SQ」のオンラインセミナーを見ながら頑張るのです。

私を誘ってくれた友人とは単独で行動するようにもなりました。

また、自分でチラシを作って、近所から飛び込み営業に出たのですが、正直、ネットワークビジネスの飛び込み営業など現実的でもなく、1件目で玉砕し、その後は日が暮れるまで、どこも訪問せずにただ歩くだけの日もありました。


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