■セミナー講師で失敗する方法2

こんにちは、石田久二です。
セミナー講師で失敗する方法ですが、昨日は話がそれてああなったので、今日が本番の話です。セミナーをやっていて一番怖いのが集客できないこと。集客のために、参加費を下げることはご法度だと言いましたが、それと同じくらいやってはならないことがあります。
それは、ジャンルをころころ変えること、です。例えばコーチングの資格を取ったので、コーチングでセミナーを開始したとします。最初の頃は順調だったのが、次第に参加者も減っていきます。そこで、突然、フェイスブックのセミナーをするようなこと。
ジャンルを変えたら、その分、幅も広がるので集客できそうに思います。しかし、コーチングをやっていた人が、突然、フェイスブックのセミナーをしたところで、誰が行きたいと思うでしょうか。逆を考えてみたらわかります。
極端な例ですが、クラシックの世界にフリードリッヒ・グルダ(故人)という天才ピアニストがいました。世界的な名手で、日本でのリサイタルは安くとも一万円は下らないでしょう。そして度の会場でも満席になります。その状況は本場のヨーロッパでも同じ。と同時に、グルダはジャズピアニストでもあります。
しかし、グルダがジャズををやると、チケットは全然売れなかったそうです。耳の肥えた聴衆は正直です(日本ではグルダの名前だけで売れたとは思いますが)。つまり、聴衆が聴きたいのはグルダのベートーベンでありモーツァルトだったのです。
つまり、セミナーをする場合においても、第一に考えることは、「参加者は何を自分に求めているか」であって、「何をすれば集客できるか」ではないのです。この二つは似ているようでいて全然違います。フェイスブックのセミナーであれば、すでにその道の第一人者がおり、その人に勝てるのであればすればいい。だけどそうでなければ、流行りだからとやってみたところで、人は集まりません。
それよりも、例え参加者が減ってきたところで、本当に自分がやりたくて、求めらていることを愚直にやっていると、いつか何かがはじけてブレイクすることもある。そのブレイクを待たずして、流行りにばかり手をしていると、自滅は目に見えています。
以上は私自身が少なからず体験したこと。やっぱり積み重ねが大切なのです。ちなみに今年は震災があり、被災者のメンタルケアが必要と言われていましたが、それを狙ってメンタルトレーナー講座などを開催する人も少なからず目に付きました。
一方で、それまでと変わらずコツコツとセミナーを続けている人も。この先、どちらが市場に残るかは明らかでしょう。流行りに手を出すのは、ある種の誘惑のようなもので、ちょっと危険。それよりも、常に原点に戻って、自分が一番自身のある内容をブラッシュアップして提供する方が、一時的な落ち込みがあれど、必ずブレイクに結びつくものなのです。


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