トントン拍子の恐怖

人生相談」に次のようなご質問を頂きました。ありがとうございます。

宇宙の援護があり、波に乗っている時は、何の障害もなくトントン拍子に事が運ぶといいます。苦労するどころか、ラクチンといいます。自分の使命を果たしている時は、スルスルと上手くいくといいます。また、成功するためには色々な人に出会え、動けともいいます。
私も、そういうもんだと思っています。
しかしある友人は、スルスルと上手くいくことほど怖いもんはない、色んな人と出会って、それが悪い人やったらどうする。そうやってみんな詐欺に遭うてしまうんや。ようできた話には乗ったらイカン、といいます。
それもそうかなとも思ってしまい、その友人を納得させられるような説明ができません。別に友人を納得させることが、本来の目的ではないので、それはどうでもいいです。多分、自分自身を納得させたいかも。よろしくアドバイスお願いします。

まず「宇宙の援護」とか「自分の使命」ってとこですが、毎度ながらよくわからないんですよね。確かに「宇宙の援護」を受けて「自分の使命」に生きていると、何事もトントン拍子に事が運ぶと言われることはあります。精神世界系の本にはよく書かれてあります。
ただ、最近思うのは、「トントン拍子」という結果を得たいがために、どうすれば「宇宙の援護」を受けることができますか?って話がなるのはどうかと。そもそも大きく見れば、この世に「宇宙の援護」を受けずに生きている人は誰ひとりいません。「宇宙」は決してえこひいきしないのです。
そんなこと言うと、じゃあ、世界中の貧しい人はどうなんですか?と反論してくる人もいるでしょう。詭弁に聞こえるかもしれませんが、「貧しい」や「豊か」で人間の価値観が測られるわけではありません。確かに「貧しい」より「豊か」の方が良いに決まっています。そして日本人のほとんどは「豊か」の恩恵を受けています。
だからと言って日本人が特別に「宇宙の援護」を受けているわけじゃないと思うのです。それは、あえて国名は出しませんが、生活水準の著しく低い国でも同じく「宇宙の援護」を受けているのです。だけど、この手の話は今日の本題じゃないので、別の機会があればまたお話したいと思います。
話を戻しますが、「トントン拍子」の時は気をつけろ、、、との話はよくわかります。「うまくいく」には厳密には二種類あって、それは「今まで通りうまくいく」と「今まで以上にうまくいく」です。
前者の「今まで踊り」であれば問題ないのですが、「今まで以上」の時は、まさに「未知の世界」に突入するわけですので、無意識は自然と抵抗を感じるものなのです。ですので、「怖い」という感情は「トントン拍子」そのものにではなく、「未知の世界」に向けられているものなのです。
そして今まで、「未知の世界」に入る直前に失敗した経験などがあり、それが「トントン拍子は怖い」なる「ビリーフ(思い込み)」を作ってしまっていると考えられます。そしてその「ビリーフ」は確かに現実化しやすいため、「トントン拍子の後には失敗が待っている」がその人の中で「事実化」してしまっているのでしょう。
しかしここで、「未知の世界」を突破して「今まで以上」が「今まで通り」へと変換されると、同じようなことで「恐怖」を感じることはなくなります。では、どうすれば変換されるのでしょうか。それは何度もチャレンジして失敗することによってしか、変換して恐怖を克服することはできないのです。つまり「経験」によって「恐怖」を克服するのです。
そこで、その人に聞いてみるといいです。
「以前、トントン拍子で失敗したことがあっても、もし今、まったく同じことでトントン拍子に進んでいたら、それでも恐怖を感じますか?」
と。おそらく「一度経験したことならば、あまり恐怖を感じない」と答えると思います。そうやって人間ってのは成長するもんだと思います。
ただ、大きく振り返ってみると、失敗も含めて、何だかんだと成長しているのであれば、それらをひっくるめてすべて「トントン拍子」と言えるのではないかと思うのです。そしてそれこそがまさに「宇宙の援護」であり「自分の使命」なのです。
もう一度整理しますと、そもそも「宇宙の援護」を受けてない人はこの世に存在しません。ですので、「宇宙の援護」を受けるにはどうすればいいですか?なる質問は完全にナンセンスなのです。とにかく「やること」をやっていたら、「トントン拍子」の時もあるし、そうでない時もある。
短期的には「トントン拍子」に恐怖を感じることはあっても、それを克服した時、それはもはや恐怖ではなく「今まで通り」となるのです。逆に恐怖を感じない「トントン拍子」とは、単に現状を維持しているだけと思われますので、あまり成長してないと言えます。
宇宙的な意味での「トントン拍子」とはまさに「成長(学び)」のことであって、友人の方が感じておられる状況(恐怖など)の方が言うなれば「宇宙の援護」を直接感じていると言えるんだと思います。
回りくどい説明になったかもしれませんが、とにかく「やること」をしっかりやって失敗もたくさんして恐怖も感じましょう。その状態こそが大きな意味での「宇宙の援護」であるので、あまり上手にやろうとか気にせずに、どんどんチャレンジしていけばいいと思います。


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トントン拍子の恐怖 への4件のフィードバック

  1. bera のコメント:

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    まず初めに、Qさんの文章ってボリュームがあり、読み応えがあって好きです。文章って長けりゃいいってもんじゃないのかもしれないけど、Qさんの文章は、むさぼるようにもっともっと読みたいっ!って感じになるんですよね。そして、今日も長文でお答えいただいて、本当にありがとうございます。(それだけで満足してしまいそう)(笑)
    やはり今回の問題も、ポイントはビリーフですね。あと、失敗も含めてその先の成長、というのでしょうか。私の友人に関して言うと、失敗をせずして物事を成し遂げたい、そして、だまされ経験はないけども世の中には詐欺事件というものがとても多いので、ひっかかりたくない、この2つの気持ちが強いようです。
    昔、クヒオ大佐の結婚詐欺事件というのがあり、何人もの女性がひっかかったようですが。
    よく言われるスピリチュアル的な考え方をしますと、
    私もいよいよ波動が上がってきたから、こんなに素敵でステータスのある人が私にアプローチをかけてきて、何の苦労もなくトントン拍子で結婚できるのね☆これは、宇宙の後押しがある証拠で間違いないっ!!
    ということになるんでしょうが、
    Qさんのおっしゃるところの宇宙的な意味で言うと、騙されることも学びと成長の一つであり、それもあってこそ次の本当の幸せを手に入れることができる、これぞ宇宙の援護!ということでしょうか。長文失礼しました。間違っていたらおっしゃってくださいね。

  2. 石田久二 のコメント:

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    >beraさん
    ありがとうございます!
    騙されること、失敗することは確かに「成長」の一つだと思います。
    果たしてこの世に、失敗せずして成功した人がいたでしょうか?
    ちょうど先ほど、イタリアンの川越シェフがテレビに出ていました、彼だって数え切れないくらいの失敗をして、それだけの料理人になったと思うのです。
    ですので、失敗すればしたで改善すればいい。
    そう思うと、チャレンジが怖くなくなるんですよね。

  3. bera のコメント:

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    >石田久二さん
    ああ~そうだ!なんとなくわかってきました!
    ありがとうございます('-^*)/

  4. 石田久二 のコメント:

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    >beraさん
    は~い!

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