生き残るマルチ会社

先日のNLPセミナーで出たお話をしたいと思います。2005年に会社を辞めた時、正直、どうやって生きていくかの目途もなったのですが、そんな時、通過儀礼のようにある方面からお誘いがやってきます。私も数え切れないほどお誘いがきました。
それはネットワークビジネスです。誰もが一度は誘われた経験はあると思いますが、会社を辞めたばかりの私などは、もう格好の餌食だったと思います。結局、親しかった知人の誘いを受けて、最終的に3社のビジネスに参加しました(詳しくは「独立奮闘記」より)。
今は参加していませんし、これからも参加するつもりもないのですが、あの経験からはそれなり学ぶこともありました。特にたくさんの人と会う「量稽古」ができたことは大きかったと思います。ただ、正直言って、あれは簡単に儲かるビジネスでは決してありません。そして向き不向きもあります。私は向かないし、好きじゃないことから、今さらどんなビジネスから誘われても参加することはありません。
ところであの時期、いろいろ誘われる中で、たくさんの会社のセミナーに参加してみました。それこそア○○ェイに始まり、ニュ○○キン、ニュ○○ェイズなどの有名どころから、日本上陸前、設立直後の会社、あきらかあにねずみ講的な怪しげな会社まで、いろいろ見に行き、当時は俄かに「ネットワークビジネス研究家」のようになっていました。
今はほとんど知りませんが、当時はかなり詳しかったと思います。そこでいろいろ見て回った結果、自分の実力とは別に、参加する会社自体が重要であることを知ります。つまり、どんなに実力があったところで、すぐにつぶれてしまう会社に参加しては身も蓋もないわけです。
そして実際毎年300社くらいのマルチ会社が立ち上げるそうですが、5年後に生き残っている会社は3社もないと聞きました。それほど不安定な業界ながら、生き残る会社にはそれなりの理由があることがわかりました。
それは製品力でもなく、資金力でもなく、やはり「営業力」なのです。ただ、ここでの「営業」とはディストリビューターと呼ばれる販売員が行うもので、いかにして販売員を「動かす」かが要なのです。
アメリカの会社などは、とにかく成功すること、金持ちになることなどを標榜して、販売員を動かすことができたのでしょうが、それと同じことをやっても日本では伸びないようなのです。実際、私自身もアメリカで上場して日本に上陸したばかりの会社に参加して見ましたが、今一つ盛り上がることはありませんでした。
そんな中、日本市場において「生き残る会社」はある原因があると分析しました。それは、
「社会貢献」
です。つまり会社の製品を使って、それを広めることが「社会貢献」につながるような扇動をするのです。「わが社の製品を使うことは環境や健康にとってプラスであるが、それ以外の製品を使うことは地球環境や遺伝子に著しく負荷を与える犯罪行為でさえある」などと煽るのです。
「個人の成功」ではなく「社会貢献」を第一義に起き、貢献した結果として富が得られるなど「成功」に対する大義名分を明確化するのです。そのような扇動に成功している会社が日本では生き残り、成長しているようです。
ただ、このことはネットワークビジネスに限らず、日本市場を考える上で示唆に富む分析だと感じています。


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生き残るマルチ会社 への6件のフィードバック

  1. ロドリゲス鈴木 のコメント:

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    私の生きる音楽業界でもア●●ェイなどの話は良く聞きました、大御所でも関わってる方が結構います。社会貢献を謳って音楽活動してる方もいますが、どうも私には胡散臭い。売れてる奴ならまだしも、最初から社会貢献なんて一種のカルト的なものを私は感じます。どうせなら音楽の中身がカルトのほうが私には合っています。しかし その胡散臭ささも受け入れられる土壌がありますからね。

  2. 石田久二 のコメント:

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    >ロドリゲス鈴木さん
    そう、つまり「カルト」であり「洗脳」なんです。本文には書きませんでしたが、「洗脳」の上手な会社が最終的に生き残るんですね。いい悪いは別として、それが現実のようです。特にマルチの場合は。

  3. HOKA-O のコメント:

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    8年ほど前、知り合った同年代の男性に
    「知人の家で飲み会やるので来ませんか?」
    と誘われ行ってみると、ホームパーティーのようなものでした。しかし時間が経ち酒が進むにつれて主催者らしき人物が
    「君達は、夢を持ってるか??」
    と語りだしました(笑)
    何か胡散臭いなぁと思いながら部屋を見回すと
    冷蔵庫に【ディストリビューターの使命】とか書いてある紙が貼ってあるを発見。
    更にキッチンの調味料入れが○○ウェ○のサプリケースになってました。
    ピン!と来た私は携帯に電話が掛かってきたフリをして、仕事で急用が出来たといって退散しました。その際主催者の人が、
    「アルコール飲んでるし、今から仕事なら酔い醒ましにコレ飲みなよ」
    とよく分からないサプリを2錠くれました。断るのもアレなので、口に含みましたが、奥歯に挟み込み、帰りがけに吐き出したのを、今回読ませて頂いた記事で思い出しました。
    そのパーティーには年端の行かない若者や世間知らずな感じの方も居ましたが、自分の身の危険を感じて退散した後、他の人たちが餌食になったかもなぁと思うと少し胸が痛みました。

  4. 石田久二 のコメント:

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    >HOKA-Oさん
    帰ったのはもったいない!
    どういう人がサインアップするのか、そしてそのプロセスを観察することができたのに!
    でもまぁ、エグいやり方するとこもありますからね~

  5. HOKA‐O のコメント:

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    今でしたら仰る通り、観察も出来たかと思いますが、当時はネットワークビジネス=恐ろしくて近寄りたくない、と言うビリーフ(?)が強烈にあったので、そこまでの余裕は無かったですね(笑
    ある意味あのパーティーは集団催眠的な物でその気にさせようとしていたのかなぁと。

  6. 石田久二 のコメント:

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    >HOKA‐Oさん
    ラポールに喜びと恐怖ですね。

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