先日、尾崎豊の半生を描いたテレビドラマを見ました。若手のイケメン俳優が尾崎豊にふんしていたわけですが、雰囲気がよく伝わっていたように思います。
私は尾崎豊については特に好きってわけでもないのですが、一つの時代の象徴として、無関係ではいられない世代にはあったと思います。同級生とカラオケに行くと「卒業」や「I love you」などは必ず出てくるレパートリーだし、誰もが違和感なく口ずさめる歌って位置づけにあります。
ところで私の同級生の中に、尾崎豊の大ファンがいて、彼は同時に矢沢永吉も好きでした。当時はどちらも好きでないし、よく知らなかったため、尾崎と矢沢は私の中では同じカテゴリーにあり、ファン層も同じと見ていました。
ところが今回のテレビドラマを見てすごく気になったことがありました。それは「自由」について。
尾崎豊はやたらと「自由」にこだわっているように思えたのですが、その本質は「この支配からの卒業」って歌詞に見られるように、「束縛からの自由」にしかないように感じました。
しかもその束縛とは「校則」のようなちっぽけなものに過ぎなかったわけです。
高校を中退し、歌も売れて「10代のカリスマ」となったわけですが、二十歳をすぎ、いざ本当に「自由」になったとき、尾崎の創作意欲は瞬く間に低下し、いわゆる大スランプに陥りました。その後、大きなヒットも出ず、26歳で謎の死をとげました。おそらくは自殺。
つまり、尾崎が尾崎でいられたのは「束縛」があってこそ。束縛に立ち向かうことでしか、自分を表現することができなかった。それが尾崎の「自由」だったのです。しかし、それって本当に「自由」と言えるのでしょうか。
一方、矢沢永吉については不遇な少年時代を送ったものの、裸一貫で上京してたとき、すでになんの束縛もない「自由」がありました。
だからなんでもできる。ハッタリかましながらでも、やりたいことをどんどん実現していき、自分を表現することができた。
二人を玉ねぎに喩えると、尾崎の場合は「束縛」という名の皮があり、それを無理矢理むくことでしか自分を表現できなかった。しかし、すべてむき切ったとき、もはやそこには表現すべき自分を見つけることができなかった。
それに対して矢沢の場合は、最初から皮なんてものもなく、何もない状態から好きなように衣をまとっていくことができた。
そして還暦を過ぎた今でも新たな衣を自由にまとい続けている。
尾崎と矢沢とどちらが真に「自由」と言えるでしょうか。答えは言うまでもないと思います。
尾崎豊と矢沢永吉。一見、似たような歌を歌い、ファン層も重なって見えながらも、二人が見ている世界はまったく正反対だったと言えるかもしれません。
石田久二(いしだひさつぐ)
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はじめまして。
こんな見方があるんだと感無量になりました。私もそれほど詳しいわけではありませんが両者を知っていますが、比較することでより理解できたような気がします。
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学生時代はよく尾崎を聞いていましたが、社会人になってから何か貧相な印象を受けて聞かなくなりました。わたしと似ているようなところもあり、可哀想ですね。自由の意味を考え真に自由になりポジティブに生きていく方法を身につけていきたいとおもいます!
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自分もどちらのファンでもないけど、どちらも嫌いじゃないです。尾崎豊の場合は代表曲のイメージが強いですが、それ以外を聞いてみると、とても深いものがあるとおもいます。 矢沢永吉はロックスターという感じですが、タイプは違えど、この二人は人を惹き付けるものがありますね。
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そうかなぁ。。
卒業ってのは、校則とかのことじゃなくて、
この3次元世界からの卒業のことを
歌ってると思うけどなぁ、、
「仕組まれた自由」、それは
生まれてくる前にあらかじめ自分が
設定しておいた、不自由の自由。
でも人間は生まれてくると全て忘れているので
「誰も気づかずに」と歌っていると思いますよ。
尾崎さんは人気がありますよね。
なんででしょうか?
本当は誰でも生まれる前には
知っていたことを、
3次元の世界の苦しみを
たっぷり含ませて歌っているからなんだと思います。
私は、そう思います。