昨日、金スマに接遇講師の平林都氏が出ていました。体育会系の厳しい口調で、社員を徹底的に絞り上げるシーンはお茶の間でもお馴染になっていると思います。私は一日に数回はアマゾンの書籍ランキングを見ているのですが、突然、順位が上がるのはたいていがテレビの影響。
ですので、この放送で平林氏の本も大幅にランクアップしているかと思い見てみると、ベストセラーになって久しいためか、さほど上がるわけでもなく、それでも最初のページ(20位以内)には入っていました。さすがはテレビです。
それはともかく改めて平林氏の本のアマゾンレビューを見ると、酷評するレビューが意外と多いことに気が付きました。私は読んだわけではありませんが、平林氏のウリはあくまでリアルな研修にあるのであって、それを文字化すると、その真意が通じにくいのは仕方のないこと。
確かに本は本としての評価があり、その上で率直なレビューをしたのかもしれませんが、この手の話でいつも疑問に思うことがあります。
それは、なぜに接遇のプロ(に限らず、プロ全般)に対して、素人が知ったような口調で批判できるのでしょうか、ということ。単なる個人の好き嫌いであればともかく、例えば「儀礼的に歯をむき出して作る笑顔には魅力を感じません」と書いてあったりしますが、それで効果が出ているのであれば、それに従う方が得策だと思うのです。
ここに学び上手と学び下手が分かれると思います。例えばコミュニケーションセミナーなどでいつも出てくるスキルに「ミラーリング」なるものがありますが、それは相手の動作はさりげなく真似して親近感を得るための方法。
これは確かに下手な人がやればわざとらしいだけで逆効果な場合もあるのですが、セミナーで学びに来ているのであれば、まずはきちんと練習をすることが重要。その上で、「実践では使えない」と判断するのであれば、それはそれでいいです。
しかし実践以前のワークの段階で「これはわざとらしいので効果がない」と言っておろそかにしてしまうのは、どう考えてもその人の学び下手を主張しているようにしか聞こえないのです。
「ミラーリング」なるスキルがあって、それは多くの人が「効果がある」と経験上もわかっているからワークするのであって、それを無視して自己流にこだわるような人は、成長の望みが薄いと言わざるを得ない。
その道のプロが「歯を見せろ」と言うのであれば、まずは歯を見せて笑顔を作ること。それに徹すること。講師に反発することがセミナーの目的ではないはず。本を読んでも、出版物として世に出ている以上、必ず学びことが一つでもあるはず。単に自分と合わない個所を見つけて公の場で批判するのは、そのレビュアーの態度を疑ってしまいます。
まずは「素直」になること。これが学び上手の鉄則であり、成長する人間の特徴だと思うのです。そしてその逆もまたしかり。