密教風水・密教環境科学の主催者である松長修岳氏の著書。現在、松永氏は風水を「科学」として取り扱うことで、住宅やマンション、オフィスビルなどへの建築指導等を行っている。松永氏の実践する風水は「西に黄色でお金が貯まる」などという根拠のはっきりしないオカルト風水ではなく、建築学、大脳生理学、地質学など客観的科学に依拠した、列記とした科学技術であり、「風水環境科学」として特許も取得している。
さて、本書「ドラエゴ」は幾多の松永氏の著書の中では、タイトルだけ見ると幾分オカルト色を感じさせる。しかし、内容はきちんとした「風水環境科学」であり、様々な具体的な質問に松永氏が丁寧に答えるという「一問一答式」で進められている。我々人間にとってあまりにもストレートな質問が多く、非常に興味をそそられる。例えば、
・お金持ちになる法則
・仕事ができるようになる法則
・疲れないための法則
・「運」をよくする方法
・体調不良の原因
・「死」の受け入れ方
・「恋」と「愛」の違い
など。松永氏の一貫した主張としては、「場」のエネルギーが物事に深く関与しているということだ。巷に流布する根拠の乏しい精神論的な風水とはことなり、松永氏の風水は極めて「唯物的」である点が強調される。
例えば、「お金持ち」になるために、お金持ちの集まる場所に行く、お金持ちになるためのモノを持つ(アクセサリーや財布など)、お金持ちの金の使い方をする、などのように。例えば「財布」を例に取るとこのよう説明がなされている。お金持ちになるための「財布」とは、
1.まっすぐの財布を使う(二つ折りでない)→お金持ちはピン札を使うから
2.小銭とお札を分けてつかう→小銭(金)とお札(木)は相性が悪く、木は金にどうしても負けてしまうため
3.レシートを財布にしまわない→お金が出て行った証を置くのは良くないから(古いと新しいをごちゃごちゃにすることは意識を低下させる)
4.黒の財布を使う→黒は光を吸収する色であるように、気や金も集める。ちなみに黄色は「希望が沸いて、明るく活発に、前向き」な色なので、貯めるよりも逆に使ってしまう。赤は「刺激」なので、同様にお金を使ってしまう。青は「人間の意識を冷静にする」ので、必要以上に渋ってしまう(浪費家には良い)。白は光(お金)を反射するので最悪。
5.ピン札を持つ癖をつける→他の人の意識が入っていないので、自分の意識が入りやすい。つまり、自分の意思でお金を使うことが出来る(お金が自分のために働いてくれる)。
どうであろうか。これは一例ではあるが、単なるハウツーモノでは全くなく、全てにおいて納得のできる根拠が示されている点が素晴らしい。
本書の後半には松永氏の出発点である「密教」との出会いと経験が紹介されてあり、松永氏の奥の深さを感じさせる。
何事も一生懸命やっているのに今一つ「結果」が出ないと悩んでいる人は、もしかしたら「場」のあり方が間違っているのかもしれない。本書は良き「結果」を導くためのヒントに満ちている。
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