「毒草を食べてみた」植松黎著

なんと言ってもタイトルが魅力的。「毒草」って何?どんな味?どんな効果?代表的な44の「毒草」についてのエッセイを集めており、興味のある「毒草」から読んでもよい。気になるあの「毒草」についての豆知識も得られる。

例えばトリカブト。その毒性について詳しく知らなくとも、とりあえず猛毒であることだけはよく知られている。かつてサハリンの囚人にとっては宝石のようだったと記されている。なぜならその責め苦から逃れるための、死と言う名の魅惑がそこにあるから。

バッカクという毒草の名を知るものは少ないだろう。まずそれは草ではなく菌の一種であるが、もっぱらイネ科の植物に寄生するから本書にもエントリーされている。かつてバッカクが大量発生した年、それが寄生するライ麦で作ったパンを多くの人が食べて疫病が流行ったそうだ。

しかし毒草は時には薬にもなる。子宮収縮などを防ぐ特効薬として開発している最中、「突然、軽いめまいとともに強烈な光があらわれ、きらめく幻想世界が広がった」とされる。LSDの誕生の瞬間である。

スイトピー、彼岸花、鈴蘭など観賞用として栽培される花卉の類も食べると猛毒で致命傷となるらしい。もちろん好んで食べる人はいないと思うが、美しい花にこそ猛毒が潜んでいるとは、何とも示唆的な話ではないか。

また有名な話であるが、コカコーラの「コカ」とは「コカイン」の原料であるコカに由来すると聞くが、それも本当の話らしい。もともとコーラにはコカインが含まれていたそうだが、法規制によりコカイン抜きのコカを風味付けにしようするようになり、世界的なヒット作を生み出した。今ではコカさえも使用されてないそうだが、もしかしたらどこかの国のコーラにはまだ使われているかもしれない。

そのように単なる毒とも、薬とも、麻薬ともなる「毒草」に関する小話は酒の席にもピッタリかもしれない。一家に一冊とまでは言わないが、個人的には密かな愛読書である。

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「毒草を食べてみた」植松黎著 への1件のフィードバック

  1. ラナン のコメント:

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    この作者は毒草を食べたあと、体は大丈夫なんだろうか。

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