「洗脳支配」苫米地英人著

オウム信者の「脱洗脳」を施した「洗脳」のエキスパートである苫米地英人氏による一冊だが、他の類書が「どのようにして洗脳が行われるか」といった機能的な側面が主であったのに対し、本書は「どのような洗脳に支配されているか」といった実体的側面が強く押し出されている。

ただ、「都市伝説」や「陰謀論」めいた黒幕暴き的な記述が目立ち、本書に書かれてあることをすべて鵜呑みにするべきはないと思うが、それでも社会のメタに立って、世の中を俯瞰するにはいい材料だと思われる。

例えば私たちはある「階層」に常に洗脳的に支配されていると主張するが、それはなんと明治維新にまでさかのぼる。つまりは、幕府を倒した「薩長」の末裔が今でも世の中を牛耳っており、そればかりでなく、明治維新で倒されたはずの徳川の家系までも、以前とその階層におかれたままであり、それらの階層は政財界にて圧倒的な支配力を持つと言う。

数年前、ライブドアやグッドウィルなどのベンチャー企業が「経団連」に名を連ねたことがあったが、ちょっとした経済不祥事によってすぐに除籍されているのに対し、丸紅や三菱などの昔からの大企業は裏表様々な不祥事があったにも関わらず、いつの間にかお咎めなしで、当然、除籍されることもない。

これはまさに「薩長」など倒幕に携わった支配層であるが故の実体なのだと指摘する。そしてそれらの支配層を「勝ち組」だとすれば、それ以外の「平民」は政権を取ったことがないばかりでなく、「国民」として認められていないと言う。それは年金未払い問題での開き直りを見ても明らかだと言う。

そしてそれらの「洗脳」の一例として「資本主義」なるシステムがある。成果主義などもそうであり、一定の成果を上げると褒美をもらえることを受け入れることなど、まさに「奴隷」を育て上げているのと同じであり、その点で言えば年収1000万円も300万円も質的には何ら変わらない。

そして日本における「勝ち組」たる支配層の上には、アメリカによる徹底的な支配がかぶさっている。日本はアメリカの奴隷であり、さらに私たち平民もまた、奴隷の奴隷なのである。昨今の「ゆとり教育」やテレビ番組でやたらと字幕テロップを流す風潮も、平民(奴隷)に考えさせないための洗脳手法の一つなのだと言う。

本書にはこのような「事実・実体」に依拠した驚きの情報が満載であり、もちろん苫米地氏の推測が入っている部部もあるのだろうが、私たちは少なくとも「何らかの洗脳を受けている」という事実からは目をそらすべきではなく、その点で本書のような過激な本に目を通すことは重要であろう。

それ以外にもいわゆる「話のネタ」として魅力的な記述も多いので、面白く読めるし、まずは読んで損はないだろう。

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