■金星見ましたか?

こんにちは、行動強化コンサルタントの石田久二です。


今朝は「金星が太陽の手前を横切る珍しい現象」がニュースをにぎわせていました。48時間以内には完全に忘れ去られ、今年の年末にこの話題を振ると、場が一気に盛り上がることは間違いありません。

「今年は、、、あ、そうそう、金星が太陽を横切ったよね!」

を忘年会の合言葉にしたいほど、どうでもいい話題でした。先日の日食ならまだしも、金星が太陽を横切るのがそんなに面白いのでしょうか。ニュースで見ましたが、太陽をアップにしてもただの「点」にしか見えません。しかも、レンズを買ってわざわざ見ようとしないと見えません。


なぜに、そんなしょうもない「点」をわざわざ見ようとする人がたくさんいるのか。理由は、次回が105年後だからです。これぞまさに「希少性の法則」です。名著「影響力の武器」より引用します。

私はそれまで教会堂を訪れる気になったことなどありませんでしたし、モルモン教について調べてみたいと思う疑問もありませんでしたし、もとより教会建築などに興味もなく、この土地の他の教会で目にするもの以上に壮観で感動的なものに出会えるとは思えなかったのです。話をしているうちに、その教会堂の持つ特殊な魅力が、唯一の原因であることが明らかになりました。つまり、もし私が制限つきの区域をすぐさま体験しておかなければ、もう二度とそのチャンスは訪れないかもしれないのです。それ自体には本来はほとんど魅力を感じなかったものが、見ることができる可能性が急速に少なくなりつつあるという理由だけで、ずっと魅力的なものに思えてきたのです


この世の中は本来、何の意味も価値もない無色透明。色即是空。だけど、そこに「希少性」なるファクターが入ることで、急にそれが魅力的なものに思えてしまうのです。


もしも毎日、金星が太陽を横切っていたらどうでしょうか。誰も見ようとはしないでしょう。また、もし仮に「月」が10年に一日だけしか見られないものだとしたらどうでしょう。その日の前後は間違いなく経済活動や株価に影響するほど、もの凄い大騒ぎになっていることでしょう。そう言えばハレーすい星もそうでしたね。


本来、何の価値のないものを、とたんに魅力的に見せるには、そこに「希少性」を与えればいい。商売上手な人は、大なり小なり、これをきちんと心得て使っています。今回の金星通過現象を見ても、やはりその法則は生きてるんだな~と改めて思いました。


ただ、そうは言っても、こんな機会にこそ自然や科学に目を向ける、一つのきっかけになればいいな~とも思っていますし、私もどちらかと言うとそっち派です。年末は金星の話で盛り上がろうと思います。


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