■「ほどほど」に

こんにちは、行動強化コンサルタントの石田久二です。
最近、よく「ほどほど」なる言葉を耳にします。どうやら、有名な精神科医の某女史の言葉のようですが、その方の本をすべては呼んでいないものの、勝間和代さんとの討論などから、その立ち位置はおおよそうかがい知れます。
基本的に「ほどほど」でいいという主張には賛成します。お釈迦様も似たようなことを言ってることだし、誰も彼もが「極端」に生きる必要もありません。少なくとも今の日本は、頑張らなくても食べていける社会です。幸いなことに。
しかし「ほどほど」のことしかしない人が、「ほどほど以上」の結果を過度に求める姿勢に対しては共感できません。今の日本、年収300万程度であれば、さほど頑張らなくても得られます。いや、最近は200万円くらいまで下がってるかもしれませんが、それでも何とか食べて行くことは可能です。200万円だと月割して約16万円。地方に住んで、4万円の家賃、2万円の光熱費、2万円の社会保険、5万円の食費、残り3万円。それで何とか生活できるし、かつての私がそうでした。サラリーマン時代の最初2年はその生活でした。その後もあまり変わらなかったですが。
確かに仕事は忙しかったものの、生活自体は「ほどほど」を受け入れれば何とかなる。しかし、サラリーマンとは言え、仕事自体はほとんど与えられたもの以上はせず、何事も「ほどほど」にやっていたと思います。しかし、私はその結果としての「ほどほど」に満足はありませんでした。
そこで選択した道が会社を辞めること。その時すでに、「ほどほど」のことなら「ほどほど」の結果しか得られないことを知ったので、私はそれ以上をしたいと思ったのです。そのためには思い切って環境を変えることが重要。それが退職だったわけです。
「ほどほど」でいいよ。そう聞いて心休まる人も多いでしょう。やっぱり苦しい人には、それくらいのスタンスがフィットするのでしょうか。しかしもう一度言いますが、「ほどほど」のことに対しては、「ほどほど」の結果しか得られません。それが世の中の理ってものでしょう。
あとは選択の問題。「ほどほど」でも生きていける社会。それが日本。そこで「ほどほど」を選択するのか、「ほどほど以上」を選択するのか。私たち日本人には、その選択肢が与えられている世界でも稀に見る幸運な国民です。
そこで私が選択したものは「ほどほど以上」でした。もちろん「ほどほど以上」の結果も魅力ですが、それまでのプロセスにも感動があります。確かに大変は大変。だけど、だからこその遣り甲斐があるのです。もっとも、フリーランスや経営者となると、「ほどほど」は決して許されません。それ以上を目指す覚悟のある人しか、フリーにはなれないと思いますから。
しかし、もう一度言いますが、多くの人には「選択肢」があります。どっちを選んでも食べていけます。そんな幸運な国民もいない。それだけでも感謝すべき。だけど、私は「ほどほど以上」を選ぶしかない状況にある。それはそれでまた感謝しかありませんが。
いずれせよ、「ほどほど」のことをして「ほどほど以上」にはならないし、「ほどほど以上」のことをしたってそうなるとも限りません。しかし、少なくとも「ほどほど以上」を選択しなければ、「ほどほど以上」になる道はありません。どちらを選ぶかだけなのです。


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