ピアノの天才をdisります

曲を聞くだけでピアノが弾ける19歳、講師は「弁護士より音楽の道に」
・・・というニュースを読んで思ったこと。この19歳の青年はピアノの経験がまったくなかったにも関わらず、聴いただけで音を記憶してしまい、ピアノで再現することができる天才だそうです。
記事を読むだけなので、それ以上のことはわかりませんが、その青年が単に「耳コピ」の天才であるだけならば、弁護士の道をそのまま目指した方がいいと思うのです。
茂木健一郎さんの本の受け売りなんですが、人間の脳にとって極めて重要な機能として「忘れる」ことがあるそうです。別の言い方をすれば、必要のない情報を消去する能力。その代りに新たな情報を「創造」する能力が与えられたのです。
実際、音楽だけでなく、本や人の話なんかも、一言一句を覚えてしまう天才的な脳の持ち主がいて、それを芸(見世物)にして生計を立てていた人がいたそうです。しかし、その人の最大の欠点は、編集能力がないってこと。
つまり情報をインプットする能力はあっても、必要に応じて消去したり、編集したりして、新たな価値を創造する能力がなかったこと。ただ単に正確にインプットするだけだったら、コンピューターで十分。だけど、人間が人間であるための価値は、コンピューターにできないことをする。それが「創造」なのです。
このピアノの天才と称される19歳の青年が、単に「耳コピ」だけの才能しかなくて、与えられた楽曲から自分なりのオリジナリティを生みだす能力がないのであれば、ピアニストになる価値はありません。
ちなみにモーツァルトも一度覚えた楽曲はそのまま再現できる能力を持っていましたが、同時に彼は記憶力以上の「創造力」を持っていました。そこがいわゆる「天才」と比べても群を抜いた「天才」として歴史に残り続けるようになったのでしょう。
ちなみにその青年の演奏ですが、、、ピアノ自体はまだまだのようです。。。これは単に技術的な問題なので、今後、どのようになっていくかが楽しみではあります。ただ、、、生活のことを考えたら、弁護士やりながら趣味でピアノを弾いていた方がいいとは思うのですが。


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ピアノの天才をdisります への4件のフィードバック

  1. kaorin のコメント:

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    すみません。。。
    記事とは、直接関係ないです。。。
    つい3時間前ほど、ドビュッシーのアラベスクが、モーレツに聞きたくなり、youチューブから拾って聞こうかと…。
    演奏がまだまだでも、とりあえず、今晩はこれを聞いて寝ます!!^^

  2. 石田久二 のコメント:

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    >kaorinさん
    は~い

  3. めぐみ のコメント:

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    disるって日本語でも言うんですね。 なんとなく嬉しい。 disられるのは嫌だけど。

  4. 石田久二 のコメント:

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    >めぐみさん
    disるっ言葉は最近の言葉みたいですね。ディスリスペクトから、相手をけなす時につかう、特にネット上でけなすことみたいですね。

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