外国に行かない理由

以前、とある知人としゃべっていた時のこと。その知人は一度外国に旅行に行きたいと言ったいたので、軽い気持ちで促したら、なぜか乗り気じゃありません。行きたい気持ちはあるのだけど、行く気になれない。その理由を聞いて、ちょっと笑いました。

なぜ、外国に行かないのか。それは「外国に行ったことがないから」だそうです。

なんだか落語のオチのように聞こえますが、実は笑えない話かもしれません。私にも、そして私たちにも少なからずこのようなことはありはしないかと。例えば私は路上で女の子をナンパしたことがありません。なぜしないのか。いろんな理由があると思いますが、一番の理由はやっぱり「したことないから」なのかもしれません。

古典を読みたいと思っている人は少なくないと思います。教養その他いろんな意味において。もしも本当に読む気であれば岩波文庫など数えきれないくらい並んでいます。しかし、大学時代の友人はこう言ってました。「多すぎて何から読めばいいのかわからない」、と。

とりあえずマックス・ウェーバーの「プロテスタンティズムの倫理・・・」を勧めたのですが、いざ確定されるとテンションが下がってくるのです。図書館にもあるのだから読めばいいのにと思うのですが、それもやっぱり「読んだことがないから」ってのがブレーキになっているように感じます。

つまり何をやるにしても、「最初に一歩」が大変なわけで、もしもその一歩を進めると、何かが「変化」してしまうことに潜在意識が恐れているのでしょう。潜在意識は「現状」を最も好むわけですから。

でもやってみれば大したことがなかったりもします。外国だって一度行ってしまえば、その次は何の恐れもなくいけることでしょう。とにかく最初ややってみる。それがすべてのスタート。私たちは例外なく、最初にこの世に「生まれてみた」わけで、それ以上に恐ろしい「変化」は死ぬまで訪れないでしょうね。


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