体験を伝える

私のセミナーの多くはNLP(神経言語プログラム)をベースとしているのですが、それだけを伝えるのではなく、最近は特にオリジナルの色が強くなってきました。そのオリジナル部分は言うまでもなく、私の「体験」に基づくものです。

その一方で、一時期ほど盛んではないにせよ、NLPの資格コースがいろんな資格機関で提供されています。全部で70程度の基本スキルをプラクティショナーとマスタープラクティショナーの合計20日間程度で習得するセミナーです。

資格コースは確かにNLPのスキルをまんべんなく習得するのに適していますが、セミナーとしての弱点があります。それは、「資格コース」としてコンテンツが決まっているだけに、トレーナーはそのコンテンツの通りに伝える必要がある。そしてすべてとは言わないまでも、トレーナーの多くがNLPのスキルを完全に習熟せずして、受講生に伝えている可能性が高いのです。

NLPが日本国中にすごい勢いで広がって久しいですが、それによってわかったことは、残念なことに資格それ自体は、NLPトレーナーを目指していく以外には「使えない」ってこと。もちろんコンテンツそれ自体は素晴らしいのですが、資格として持つ意義があまり見出せないのが現状です。

その背景としては、NLPの場合、一定時間の講座に参加するだけで、何の条件もなく資格が取得され(費用はかかるが)、さらに希望すれば100万円程度の費用を負担することで資格コースを開講できるトレーナーの資格をもらえるのです(今は必ずしもそうでないですが、バンドラー系の資格はかつてそうであったし、実際、国内ではそのトレーナーが最も多いの現状)。

それによって、どうしてもトレーアーの「劣化コピー」としてのトレーナーが増殖してしまいました。その結果、多くの受講生から資格以前に、コンテンツ自体に対しても「NLPは使えない」という評価を下されてしまうのです。

そのような事情があってかどうかわかりませんが、国内の名のあるトレーナーは次々とオリジナルセミナーを展開する傾向にあるようです。私もそのいくつかに参加したことがありますが、いわゆる資格コースとは比べ物にならないほどの素晴らしいセミナーでした。

それはまさにトレーナーがNLPの「決まりきったコンテンツ」を超えて、自らの「体験」から、そして自分自身で完全に成果を出した自信のコンテンツを打ち出しているからでしょう。

その意味で、これから先も資格コース離れが進み、力のあるトレーナーによるオリジナルセミナーに流れていく傾向が進んでいくと思われます。


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