私は中学高校と寮生活をしていたのですが、その時の寮長先生の話で今でも心に残っている言葉があります。
当時、寮長は40代後半か50代前半だったと思います。
小柄な体躯ながらに、威厳、、、と言う言葉がふさわしいかわかりませんが、言葉の一つ一つに重みがあり、中学生ながらに、話を聞いていつもずっしり来る何かを受け止めていたと思います。
そしてそんな寮長の話を聞くのがいつも楽しみでした。
そう言えば、こんなことがありました。
私の弟も後年、同く寮生活をして、同じ寮長にお世話になったのですが、弟は当時、どちらかと言うといじめられっ子だったそうです。
身体が小さく、性格も大人しいため、何かとからかいの対象になる。そんな存在だったと思います。
ただ、弟は決して泣きごとを言わず、何を言われても、何をされてもじっと耐えていたと聞きました。
そんなある日、もう、いじめられることに耐えられなくなったのか、意を決して寮長先生に相談に行ったそうです。
そこで、どんな話があったかわかりませんが、弟は目覚めて、いじめに立ち向かってくようになりました。
実際に力で立ち向かったわけではないと思いますが、自分の得意分野、つまり「勉強」で立ち向かったのです。
すると弟はすぐに学年一番になり、それ以降も常に一番をキープ。
もう、誰からもいじめられなくなったそうです。
それから数年が経ち、私も弟も高校を卒業してからのある日、私が何気なく、その寮長先生を揶揄するようなことを口走りました。
もちろん特別な悪気があって言ったわけではなかったのですが、普段は大人しい弟が血相変えて起こり始めたのです。
「寮長先生の悪口だけは言うな!」
人生の恩人に対する悪口、それがたとえ悪気がなくとも、身内の発言であっても、どうしても許せなかったそうです。
その迫力に、私はただ口を閉じて反省するしかありませんでした。
話が脱線しましたが、そんな寮長の話の中で、今でも心に残っている話。
それが「男が泣いても許される時」について。
それは2通りしかない。
一つは親が死んだ時。
その時は感謝の気持ちを込めて、思いっきり泣け!と。
そしてもう一つが、、、感動した時。
男は悔しくて泣くんじゃない、痛くて泣くんじゃない、失敗して泣くんじゃない。
男が泣いていいのは、長年の夢を叶えたり、大きな目標を達成したり、熱い友情に触れたり、友達のことを喜んであげたり、何かを深く理解した時、、、
そんな時のために涙はとっておけ。
そう言うのです。
その言葉を聞いたのは、確かまだ中学一年生だったと思います。
残念ながら、その言葉をしっかり守れているとは言い難いこれまでを過ごしてきました。
恥ずかしながら。
でも、それ以上に、今、人生の感動をたくさん味わっています。
それは年をとれば取るほどに多く、そして大きくなっている気がします。
だから、これからはもっと強くなり、そしてこれからいろいろ体験するであろう、大きな大きな感動のために、涙をしっかりとためておきたいと思います。
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