独立奮闘記(1) ~勢いで会社を辞める~ (2005)

私が以前勤めていた会社は、「建設コンサルタント」という職種で、主に官庁からの業務委託を受け、報告書などを仕上げる仕事が中心でした。

クライアントが官庁中心であるだけに、年度末(1~3月)は極端な繁忙期となり、たった4年勤めただけですが、魔の年度末として恐れられていました。

確かに連日の徹夜仕事も辞さない、過酷な業務形態ではありましたが、その反面、年度初めは天国で、GWが10日ほどまるまる休めるというメリットもありました。その間、海外旅行に行くこともできました。

私が会社を退職したのは2005年の4月ですが、その年度末はそれまで以上に極端に仕事が多く、社員もどんどん辞めていったため、一人当たりの仕事量が増え、その割には給料も減少傾向にあるなど、完全に負のスパイラルに陥っていました。

しかし気持ちとしては、あと一年はこの会社が頑張ろうと思っていました。

そんな時、いきなり会社を辞めるにいたったのは、拙著 及びブログ に書いたとおりです。

3月14日、打ち合わせ先に車で向かっている途中、突然、「会社をやめていい」という声が聞こえた気がして、赤信号で止まった交差点が「筑紫神社前」でした。

その瞬間、鳥肌が立ち、そのまま神社に向かいます。

なぜ神社に向かったかには少々説明が必要となります。

この4~5日前、親しい知人から一人の男性を紹介して頂けました。そ

その人の名を仮に「KMさん」と呼びたいと思います。

とにかく私があったことのないような「成功者」で、自己供述ですが、「月収600万円」だと言っていました。年収が1億を超えたこともあったとか。

しかしKMさんは、上場企業の社長さんのようなオーラも感じず、フリーランスでそれだけ稼げることに目からウロコが落ちた思いをしました。

実際、KMさんは実に人の話をよく聞く、魅力的な人でした。

ちょうど会社の昼休みを抜け出して、近くの喫茶店で知人と3人で会ったのですが、その時、今まで聞いたこともないような話をするのです。

・新月に願いごと(計画)をすれば叶う

・運のいい人と付き合え

・初めての土地で仕事をするときは、真っ先に神社に行って土地の神様に許可をもらえ

など。話を聞きながら終始鳥肌が立ちっぱなしでした。

話を戻すと、そのような話を聞いたばかりに「筑紫神社前」という交差点にぶつかったわけですから、これは何かあると思い、「会社をやめていい」という声を確かめに境内に行くのです。

その確認方法はコイン。

「表」が出たら今日辞めると言う、「裏」が出たら時期早々。

そのような決めごとをしておもむろにコインを投げると「表」がでました。

そのまま車に戻って10人ばかりに「会社辞める」と宣言。

その日の夜10時に事務所長に辞意を伝えたのです。

(つづきます)


カテゴリー: ◆独立奮闘記 | 独立奮闘記(1) ~勢いで会社を辞める~ (2005) はコメントを受け付けていません

独立奮闘記について

2005年4月いっぱいで前の会社を退職し、早6年になろうとしています。

今となっては、研修・セミナー・講演等で日本全国を周るようになり、また、昨年末は著書 を出版しアマゾン総合一位に輝くなど、これまでも順調な日々を送って来たと思われるかもしれません。

プライベートにおいても、2007年に結婚し、2009年には長男誕生、さらに今年5月には株式会社を設立し、法的にも「社長」になるなど、順風満帆な人生を歩んできたように思われるかもしれません。

確かにおかげさまで、2005年に会社を退職した当初からすると、今は信じられないような境地に達しているのも事実だし、会社員時代や独立当初に比べると未来への見通しもはるかに明るいと感じています。

しかし、別に言うまでもないことかもしれませんが、この6年間は、何から何までうまくいったわけでは決してなく、ブログ にも書いてこなかったような苦悩の連続があったことも事実。

そしてこれから書くことは、私自身のこの6年間の正直な告白となります。

確かにブログには調子のいいことしか書かないし、自らの苦悩を周囲の人に言うこともあまりありませんでした。

しかし、今から赤裸々に告白することは、今現在、悩み多い日々を送っておられる方、思い通りの人生にならずに苦しんでいる方にとって、ある種の「勇気」を与える内容になるかもしれません。

もちろん私自身、これで成功しているとは到底言えない身分ではありますが、それでも日々楽しく過ごしていることは事実でしょうし、今から書く内容が、多くの人の励みになれば幸いと思って、書き起こしていきたいと思っています。

ただし、あまり公にしたくない内容、検索エンジンに引っかかって欲しくない内容、関係者に迷惑がかかる恐れのあるような内容については、書かないか、または事実関係をぼかしながらアメンバー限定記事に書いていきたいと思っています。

どうぞよろしくお願いいたします。

アメンバー申請については、事前に「読者登録」をお願いいたします


カテゴリー: ◆独立奮闘記 | 独立奮闘記について はコメントを受け付けていません

「ミリオネアの教え、僕の気づき」河本隆行著

 著者である河本隆行氏が学生時代、人生の絶望に附し、自殺を企てようとするショッキングな出だしに引き込まれる。

 本書には、世界の名だたる5人の成功者から、河本氏が「直接」教えてもらった、人生をよりよく生きるエッセンスが込められている。その成功者の名は、、

「金持ち父さん、貧乏父さん」で有名なロバート・キヨサキ。


世界ナンバーワン・コーチのアンソニー・ロビンズ。


男女関係に関する世界的権威であるジョン・グレイ。


日本でもベストセラーになった「話を聞かない男、地図が読めない女」の著者でもあるアラン&バーバラ・ピーズ。


そして両腕がないままに生まれ、今や世界的なスピーカーとして活躍するジョン。フォッピ。

 名だたる成功者、スピーカーのエッセンスを、わかりやすく解説してくれる。

 ただ、それだけだと、単なる書評であったり人物伝で終わってしまう。

 河本氏である必要もない。本書の面白さは、何より、直接、教えてもらったという臨場感に加えて、普通では聞かれない「裏話」がさりげなく聞かれる点だ。

 例えばロバート・キヨサキの章では、代表作である「金持ち父さん、貧乏父さん」の話になるが、河本氏はその「金持ち父さん」に実際に会いにハワイまで出かける。

 しかし、探せども「金持ち父さん」には出会えない。そこでロバート氏本人と接触し、実は「金持ち父さん」は創作の人物、つまりフィクションであったと知らされる。

 「騙された!」とは河本氏は思わず、感動する。

 事実でなくとも、あんなに素晴らしいストーリーでファイナンシャル・リテラシーを高めてくれるなんて。

 さらに内実が明かされる。あの本は、実は、ロバート氏が開発した「キャッシュフローゲーム」の宣伝パンフレットであると言うのだ。

 ロバート氏の魂胆は「キャッシュフローゲーム」を売ることにあり、最初に本を書くことで、それに成功した。

 つまりは、ロバート・キヨサキとは投資家ではなく、マーケッターであることが明かされる。実に面白い。

 また、ピカソとゴッホの話も興味深い。

 同時期に活躍した2名の天才画家であるが、ゴッホは生前、絵が売れずに不幸な人生を歩んだのに対し、ピカソはあれほど前衛的な絵を描きながらも、それを次々に売りさばいた。

 その違いは絵の質や時代感覚ではない。本人のセールススキルの違いであると言う。

 つまりロバート氏もピカソもセールスの天才という点で一致しているのだと言う。

 さらに、ロバート氏はあれほど稼いでおきながら、納税額はゼロだと言う。その秘訣についても語られる。

 この本の特徴を一言で言うと、とても「濃い」ということだ。

 その濃さはルー大柴似の河本氏の顔と比例しているとは言わないが、5人もの世界的成功者からの直接の教えが濃くないはずがない。

 そして雲の上の存在である5人との距離がグッと縮まったようにも感じる。

ミリオネアの教え、僕の気づき/河本 隆行
¥1,470
Amazon.co.jp


カテゴリー: |―願望実現・自己啓発 | 「ミリオネアの教え、僕の気づき」河本隆行著 はコメントを受け付けていません

「ソース」マイク・マクマナス著

 「あなたの人生の源は、ワクワクすることにある。」と表表紙に記されてある通り、本書のテーマは「ワクワク」にある。

 文字通り「人生の源(ソース)」とは「ワクワクすること」であり、それを見つけ実践していくための指南書である。

 学校でも会社でも、うまくいかない原因は、それが「ワクワクすること」ではないから。

 例えばクラス一乱暴で嫌われ者の生徒は、ある時、ボクサーになりたい夢を語る。そこで「ボクシング」に関する教材を使用してみたところ、結果として他人ともうまくやっていけるようになり、自らの存在意義と満足感を満たすに至る。

 また、授業の邪魔ばかりして手に負えないクラスでは、自分たちに関心のある課題に取り組ませることでやる気を引き出すことに成功した。

 このことは学校だけでなく、企業や社会一般にも当てはまるものだと著者は言う。

 しかしながら「ワクワクすること」だけやっていて、本当にいいのだろうか。

 当然、このような疑問を持つ者も少なくないが、望み通りの人生や仕事が手に入らないのは、そのような誤った社会通念を前提としていることにあると言う。

 例えば自らを犠牲にしてまで責任を持つことのウソ。ヤル気を出さなければならないことのウソ。成功するには能力が必要だということのウソ。

 その他にも「上手のウソ」「決断のウソ」「妥協のウソ」「優先順位のウソ」「現実的になれというウソ」など、社会通念として信じられてきたことへの誤りを指摘する。

 そしてその誤りに気づくことが、望み通りの人生を手に入れる第一歩だと言う。

 次に肝心の「ソースプログラム」を実行するための具体的な方法が紹介される。

 ワクワクを全部書き出す、ワクワクすることはすべて同時進行で行う、そしてそれらに同じ量の情熱を注ぎ込む、まずは小さな一歩を踏み出す、目標を立てずに方向性だけ定める、信念を持ち自分の直感を信じる、などがそうである。

 このようなルールに従って生きることが、望み通りの人生を手に入れるための具体的なセオリーとなる。

 そして極めつけは、「ワクワクすることをしていれば、お金は自然についてくる」ということ。

 誰もが「ワクワクすること」に専念し、そして望み通りの人生を送りたいものだ。そのために最大のネックとなるのが「お金」であることに異論ことはないだろう。

 しかしそれはともかく、「お金」がないことを言い訳に、「ワクワクすること」を先延ばしにするべきではないと主張する。

 信念を持って行動し続ける限り、「お金」は後からついてくるもだと説き、それを実現した歴史的な成功者のエピソードを紹介する。

 単なる「結果論」だと反論する人もいるだろうが、確かに真に望み通りの人生を送っている人は、最初から順風満帆ではなかったにせよ、「ワクワクすること」だけを愚直に行ってきた人たちである。

 ただ、本書では、単に「ワクワクすること」だけやっていればそれでいい、そのことを信じて、あとは何も考えるな、などという精神論だけに終始しているわけではない。著者は「ワクワクすること」と同時に「バランス」が大切だと言う。

 仕事ばかりで家庭や健康を犠牲にすることはバランスの取れた人生だと言えないし、一方、働かずに惰性に任せた人生を送ることも、一見それが楽しそうに見えたとしても、本当に望む人生から逃避しているに過ぎない場合もある。これもバランスの取れた人生とは言えない。

 収入、健康、家庭、趣味など、あらゆることにおいてバランスの取れた状態から、真に「ワクワクすること」に突き進むことによって、本当の望むべき人生が手に入るのだと言う。

 本書の興味深いところが、「優先順位のウソ」にもあるように、仕事や家庭、趣味などに優先順位を付けるのではなく、同時にすべてやれ、と言うところである。

 それは大きなことでなくてもいい。些細なことだからこそ、優先順位が後回しにされがちだが、そうなるといつまで経っても本当にしたいことができなくなる。

 優先順位の高いものを、多少削ってでも、同時にやること。これが「ソース」の説く「バランス」感覚なのであろう。

 やりたいことをすべてやる人生。やりたいことしかやらない人生。そんな人生を実現するために、本書は少なからずとも、道しるべにはなるであろう。

ソース―あなたの人生の源はワクワクすることにある。/マイク マクマナス
¥1,575
Amazon.co.jp


カテゴリー: |―願望実現・自己啓発 | 「ソース」マイク・マクマナス著 はコメントを受け付けていません

「お金でなく、人のご縁ででっかく生きろ」中村文昭著

 一気に読んだ。面白かった。笑った。泣いた。感動した。元気が出た。ますますやる気になってきた。そんな本。

 関西を中心にレストラン・ウェディング事業を展開し、現在は講演活動で全国を周っている中村文昭氏の処女作。

 帯には斎藤一人氏の推薦の言葉もある。

 高校を卒業して、なんとなく上京して独り暮らしを始めるのだが、初日から防衛庁の敷地内に紛れ込み騒動を起こしたと思ったら、その帰り道で盗難自転車と思われ警察に連れて行かれる。

 上京の初日に、実に2度も実家に電話をかけられたという散々なスタート。しかしその警察官が中村氏の東京での友達第一号になる。

 本書は中村文昭一流の「人たらし術」の実践ノウハウ集とも言える。

 その後、メンター(田端社長」との出会いをきっかけに、野菜の行商から、バーの経営、そしてレストラン事業に取りかかる。

 順風満帆なサクセスストーリーに聞こえるが、もちろんそれ一筋縄ではいかない。だからこそ面白いのである。

 様々な失敗や挫折、そして成功を繰り返しながらも、ビジネスを成長させていったプロセスには、中村氏のコミュニケーション能力、人の心を瞬時につかむ術が生きている。

 天性の才もあるのだろうが、それ以上に田端社長からの教え、そして実際に人と会っていく中で培ったものが大きい。

 本書の冒頭には、新幹線で横に座った人との縁の築き方がまず紹介される。

 突然話しかけるのではなく、なんとわざと足を踏んで、靴の泥をハンカチで急いで拭き取ることできっかけを作る。

 そして新幹線を降りる頃には旧知の仲のようになり、それが縁で広がった「新幹線友達」は何と100名以上にものぼり、さらにそこからも仲間が増えているのだと言う。

 その他にも、頼まれごとを相手の想定する半分の時間で成し遂げる、ガソリンスタンドの浮気をしない、いい話は3日以内に5人にしゃべる、講演会ではよくうなずく、ハガキを書きまくる、マイおちょこで飲みに行く、街頭でティッシュを貰ったらありがとうと言う、などすぐにでも実践できそうな「人たらし術」が面白おかしいストーリーの中にいくつも紹介されている。

 いっちょ俺もやったるで!という気になってくる。是非一度、中村文昭の生の講演会にも参加してみたいものだ。

お金でなく、人のご縁ででっかく生きろ!/中村 文昭
¥1,365
Amazon.co.jp
お金でなく人のご縁ででっかく生きろ! (2)/中村 文昭
¥1,365
Amazon.co.jp


カテゴリー: |―人生哲学 | 「お金でなく、人のご縁ででっかく生きろ」中村文昭著 はコメントを受け付けていません