「『絶対に達成する』習慣」武沢信行著

 個人的に思い出深い一冊。

 私がまだ会社員時代、何かを求めて参加した異業種交流会で講演されたのが著書の武沢氏であった。本書はその時に受け取ったもので、著者のサイン入りである。

 自己啓発はおろかビジネス書の類の存在さえ知らない時に読んだ本だけに、衝撃を受けた。
 
 私は本書及びその講演会をきっかけに「目標」を立てるということを知り、その一年後には会社を辞めていた

 サブタイトルは「勝てる自分をつくる7つの法則」とあり、文字通り「自分株式会社」として「自分」を高めていくことに主眼が置かれる。

 その7つとは「立志」「知己」「立案」「習慣」「実施」「遂行」「反省」とある。どの章も著者らしい力強さが感じられるが、単なる精神論に留まらず、「自分」をマネージメントするために、緻密に様々な工夫が凝らされている。

 とりわけ私がすぐに取り組んだのが「知己」における「偉大ゾーン」の抽出である。

 「偉大ゾーン」とは「好き」「得意」「利益」が重なる部分であり、多くの仕事の優先順位を付ける際、まずは「偉大ゾーン」を知っていれば、迷うことが少なくなる。

 そのまさしく「偉大ゾーン」が成り立つところに本業を置くことが、成功の秘訣となる。

 本書は武沢氏のその時点における集大成のようで、枝葉末節に渡って様々な成功ノウハウが紹介されている。

 私が武沢氏を知ったのは、たまたま購読していたメルマガ「頑張れ社長!」からによる。

 元々はオフラインでの経営コンサルタントをやっていたのだが、ある時、書き始めたメルマガが思いの他の反響で、そこからメルマガに傾斜したマーケティング、コンサルティングを行うようになった。

 今でこそオンラインでのソリューション戦略は常識であるが、武沢氏はその走りであると言えよう。

 そして今でも毎日届くメルマガは非常にためになり励みになる。

「絶対に達成する」習慣 勝てる自分をつくる7つの方法/武沢 信行
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「お金持ちになれる1分間の魔法」マーク・ハンセン、ロバート・アレン著

 アメリカの自己啓発界の巨人であるマーク・ハンセンとロバート・アレンの共著。

 本書は「物語編」と「実践編」とが左右見開きに同時進行で記載されており、それぞれ「物語編」をハンセン、「実践編」をアレンが担当するようになっている。

 私はまず「物語編」を中心に、ところどころ「実践編」に目を移すという読み方をした。

 分量も多く、内容も濃いのだが、「物語編」が立派な物語になっていることもあり、面白く一気に読めた。

 物語は非常に単純だが奥が深い。親権を取られたある女性が、子どもを取り戻すために、約束の百万ドルを期間内に稼ぎだす話。

 失意のどん底にある主人公の女性ミシェルは、ある夜、成功者のパーティに参加して、メンターとなるべき人物に出会う。

 出会った瞬間からテストが始まり、最初のテストは「拒絶の克服」である。多くの人が「第一の拒絶」で引きさがり、お金持ちになれないが「第三の拒絶」を乗り越えた時に道は開けると言う。

 ミシェルはその「第三の拒絶」を克服したところから、本格的なサクセスストーリーが始まる。

 一方で「実践編」については、古今東西の「成功法則」が凝縮されているようだ。

 最初に「富を呼ぶ24の法則」として確認されるが、改めてその力強さに心を打たれる。それだけはここで紹介したい。

1.誰もが具現する。
2.ある、やる、得る。
3.線より上で生きよ。
4.豊かさこそ自然な状態。
5.与える者が得る。
6.ピシッと現実が変わる。
7.言葉で一変する。
8.あなたの富はあなた自身。
9.お金持ちは自由。
10.すべては夢から始まる。
11.豊かさは力なり。
12.さらなる明快さはさらなる力なり。
13.あなたの天分を活用する。
14.愛の梃子。
15.想像力は意思を凌駕する。
16.質問の大きさが成果の大きさを決める。
17.あなたはすでに答えを知っている。
18.整列すべし。
19.マネーの磁石となれ。
20.叩けよ、さらば開かれん。
21.分かち合いは人のためならず。
22.お金のありかは神のみぞ知る。
23.破壊は創造なり。
24.ひとつにまとめあげよ。

 ここで言う「富」とは主に「お金」のことであるが、巨額のお金を稼ぐためには、「梃子」が必要である。

 そのための方法論を「実践編」において指南するが、それは同時進行で「物語編」でも実演される。

 それは「師」「チーム」「ネットワーク」「無限ネットワーク」「技術と道具」「システム」であり、それらがレバレッジとして働くことで、ひとりの力は何倍にもなるとする。

 主人公のミシェルにも師(メンター)が付き、その指導のもとで、チームやネットワークを構築しながら、最終的には期限内で約束のお金を用意することに成功する。

 物語の中で実際に稼ぐ手段として用いられるのが「投資」「不動産」「起業」「インターネット」であるが、実際に巨額の富を蓄積する上でも、それらは非常に現実的な選択肢であるように思う。

 物語のラストは感動的である。

 それでいて現実感覚に即した「富の獲得方法」が学べる仕組みなっている。

 本書が多くのお金持ちを生み出したと聞くが、あながち誇張でもないだろう。私も改めて読み直して、実践しようと思う。

ワン・ミニッツ・ミリオネア――お金持ちになれる1分間の魔法/ロバート・アレン
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「もうスタッフで悩まない!一瞬で最高のお店にする本」森下裕道著

 森下裕道氏。肩書は「炎のスーパー接客マスター」「パーソナルモチベーター」「店舗運営コンサルタント」。

 本書はおもに「店舗運営」の視点で、そのノウハウが紹介される。森下氏の経験、実績に裏付けられた「使える」テクニックが満載である。

 
 サブタイトルとして「最強の店長にスグなる61の方法」とあるように、それぞれが完結型で、どこから読んでもいいようになっている。

 ただし、読んだからには実行して、できたらそのページの上はじを折るようになっている。

 どの方法も非常にわかりやすく実践的である。例えば、

01 ダメ店長の典型的な10のポイント。あなたは大丈夫?

ここではまず自分自身が「ダメ店長」でないかを診断する。10のポイントとは、

1.下に甘い

2.変化を嫌う

3.グチや不満ばかり言う


4.教育できない

5.フロアに出ない

6.自店のことを知らない

7.接客力がない

8.正当に評価できない

9.プロ根性がない

10.自分に自信がない

初っ端から襟を正すことを求められる。

 さらにスタッフのモチベーションを高めるには、

03 やりがいを高める3つの方法。これでスタッフのモチベーションが上がる!


1.目標を持たせる

2.その人を認めてあげる

3.お客さんにほめてもらう仕組みを作る



とあり、決して奇をてらった方法ではないものの、意外と実践されていないことも多いように思う。

 また、これも当たり前の話だが、やっているとやっていなのとでは雲泥の差がある。

06 ロールプレイングをどんどん活用しよう!接客レベルが格段とよくなる!

理屈や目的意識も大事だが、実はロールプレイこそが、最も短期間に成果を上げる秘訣なのだ。

 本書は「店舗運営」を中心に話が進められるが、必ずしも「天保運営」に携わってなくとも、役に立つ部分は多い。

 つまりコミュニケーションスキルを向上させるためにも、大いに参考になる。例えば、

18 部下を喜ばす2つのポイント!第三者と小声。

とあるが、これは部下に限らず、相手を喜ばす、承認する上で非常に有効である。

 ダイレクトだと見え透いた感じがするのを、第三者を使ったり、聞こえるか聞こえないかの小声で褒めることは、予想以上に効果的な場合がある。

 さらに、意外なところにも店員のモチベーションが関わってくることを見逃さない。

22 バックヤードをきれいにさせろ!汚いお店は流行らない!

 つまり倉庫や休憩室などお客さんに見えない部分のことであるが、ここが汚いとお客さんを楽しませようという気にならないのだと。現場ならではの説得力がある。

 このように本書は人を動かすノウハウ、人を喜ばせるノウハウ、人とうまくやるノウハウが満載で、実に説得力のある精神論から、現場ならではの細かいテクニックに至るまで、まさしく「店舗運営」のプロの言葉がストレートに耳に入ってくる。

 接客に関係ない人にとっても参考になる部分は多いであろう。

もうスタッフで悩まない!一瞬で最高のお店にする本/森下 裕道
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「マイルス・デイヴィス自叙伝」マイルス・デイヴィス著

モダンジャズを創った張本人、マイルス・デイヴィスの自伝。

 文章を書いたのは、おそらくクインシー・トループであろうが、中山康樹の訳とあわせて、マイルスの人物像がよく出ていると感じる。

 文庫の帯にはこう書かれている。

「ヒップな奴だけ読んでくれ!」

と。

 もちろんこれはマイルスが付けたのではなく、訳者の中山氏が勝手につけたのだろう。

 しかしマイルスなら言ってそうな感じなのが素晴らしく、私もこの帯に引き付けられて、中身を確かめずにレジに持って行ったものだ。

「まあ、聞いてくれ。」で始まる冒頭に続くのは、

「オレの人生で最高の瞬間は・・・セックス以外のことだが、それはディズとバードが一緒に演奏しているのを初めて聴いた時だった。」

というフレーズ。

 この一文で一気に引き込まれた。

 つまり50年に渡ってジャズ界の第一人者であり続けたマイルスにとってのビッグバンをここで追体験できるのだ。

 Bことビリー・エクスタインのバンドでディズとバードに混じってラッパを吹くマイルスだが、鼻息だけ荒くて何もできない「小僧」であっても、メンバーからは随分可愛がられたようだ。

 歴史に名を残す人間の一つの共通点は、大物から可愛がられるとことに尽きる。

 金持ちの家に生まれたマイルスだが、一人前にガールフレンドも作って初体験も済ます。

 一方で美人の局部を眼前にしながら、何をすればよいのかわからないといった「ウブ」な側面も見せる。人間マイルスだ。

 そして多くの様々なミュージシャンとの遍歴が綴られる。

 ディズとバードをはじめとして、レスター・ヤング、ファッツ・ナバロ、ミルト・ジャクソン、セロニアス・モンク、、、そしてジャズクラブ「ミントンズ」でビバップが始まった瞬間についても語られる。

 当時のニューヨークはとにかく凄いことが起こっていたらしい。

 興奮を抑えられない。

 JJジョンソンが「コンファメーション」の細部を教えてもらいに朝6時にマイルス宅を訪れるシーンなどは笑えるとおもに、当時に熱気がむんむんと伝わってくる。

 そしてチャーリー・パーカーと言う人間がいかに天才で迷惑な奴だったかも、マイルスは隠さず語ってくれる。

 マイルスは決心する。

 当時通っていたジュリアード音楽院を辞めてジャズに身を埋めることを。

 

そのことを父親に言うセリフが当時にニューヨークを端的に表している。

「ダッド、ニューヨークでは何かが起きているんだ。今、音楽もスタイルも変化していて、バードやディズと一緒に、オレもそのムーブメントに加わっていきたいんだ。だから、白人一辺倒で、興味のあることを何も教えてくれないジュリアードを辞めるってことを伝えに帰ってきたんだ」

 ここから文字通り「帝王・マイルス」のストーリーが始まるのである。

 本書ではこの後も、ジャズ好きには堪らない話が事細かに綴られていく。

 デューク・ジョーダンがバンドの厄介者で、パーカー以外のメンバーから嫌われていた話。

 デクスター・ゴードンからは服装が「ヒップ」でないから一緒にいるなと言われた話(最高)

 バド・パウエルが意味なくしゃべらずいつも微笑んでいる話。

 そんな些細な話がジャズファンには堪らないのだ。

 続きは読んでからのお楽しみとしよう。

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独立奮闘記(12) ~決別~ (2006)

※本記事に関する一切の質問・お問い合わせはご遠慮願っております


SPのおかげで、何もしなくても月々の収入がサラリーマン時代を超える。

それはそれで不思議なことでした。

ここではアメンバー限定記事にして、その辺の事実関係をお話したいと思います。

私が会社を辞めるにあたって、いつも相談してくれたり、励まされたり、時には物的な面においてもお世話になっている、ある友人(ご夫婦)がいました。

前世からも付き合いがあるんじゃないかと、それこそ魂のつながりを感じるお付き合いだったと思っていました。

私が会社を辞めるにあたって、友人は私をネットワークビジネスへと招待し、さらにSPを紹介してくれたのも、その友人でした。

本当にその友人なくして、今の私はありません。

しかし、その友人との付き合いは、私が独立してから次第にギクシャクし始め、2007年末にはほぼ冷却状態。

そして2009年には完全になくなりました。

「決別」という言葉がふさわしいかどうかわかりませんが、とにかくあれほど付き合いの深かった人間関係も、こんなに簡単になくなるものかと、振り返って考えると背筋が寒くなる思いです。

実のところ、独立してから、本当に様々な出会いと別れを繰り返してきました。

飲み会で熱く語り合ったり、時には一緒に旅行に行ったりするほどの仲間になったとしても、何かに拍子にスッパリと切れてしまう。

人間関係ってのは、かくもはかないものなのか。

それとも、私自身が特別そうなのか。

時として、そんな自分を責め、すごく悩んでしまうこともしばしば。

しかし、ある時、ふと気がつくのです。

実は「人間関係」が変わるときってのは、自らのステージが変わる時なのであると。

しかも、それはどっちが正しい、どっちが悪いというものでもなく、きっかけは何であれ、大きな視点から見たら、異なるステージにいる人間同士が、心からの付き合いをするのは不可能なことだ、と。

独立前からお世話になっていた友人とは、ステージの上下もなく、単に住む世界が変わったからこそ

必然的に縁がなくなったのでしょう。

それに伴って、もう一つ、完全に決別したものがあります。

それがネットワークビジネスです。

しばしばネットワークビジネスはこの世に必要か、または必要悪か、それとも完全に無くなるべきかという論議を聞くことがあります。

独立当初に少し関わった立場からすると、今までは必要(悪)だったかもしれないけど、これから先はわからない(・・・なくなってもいい)と言うのが正直なところです。

私が思うに、ネットワークビジネスのメリットは、人生を逆転する唯一の手段であること。いや、であったこと(過去形)。

35歳を超えると、一般的に再就職は難しくなります。

何らかのスキルがあれば受け皿もあるでしょうが、そうでなければ、その後の人生は決して明るいものにはなりにくいでしょう。

そのような、ある意味、底を見た人間にとって、人生逆転するためにはネットワークビジネスか飛び込み営業くらいしか手段が残されていないのです。

必要なのはまさに「信念」だけ。

しかし、もしかすると、それは過去の遺物なのかもしれません。

なぜなら、今は、インターネットと登場によって、ネットワークや飛び込みでなくとも、人生逆転する手段がいくらでも転がっているからです。

一例を言えば、オークションを使った稼ぎ術などがそうでしょう。

日本のヤフーオークションで仕入れたものを、海外のイーベイで転売する。もしくはその逆。

それによってちょっとした手間と工夫ににより、ほとんどリスクもなく、確実に現金を手にすることができるのですから。

あとは量稽古によって、目利きとレター能力を磨くだけ。

それ以外にも手段は無数にあります。

アメブロを使って月収90万円も、決して絵空事ではありません。

そのような時代の潮流にあって、ネットワークビジネスは今後本当になくなるかもしれません。

話を戻しますが、その友人とのご縁が切れたきっかけもネットワークビジネスでのこじれでした。

毎日電話がかかってくる、時として夜中もかかってくる。出なかったら翌日は説教。

今日はどうだった?何人に声をかけた?いつ会わせてくれるんだ?

私が思い通りの動きを見せなかったら、こんこんと責められる。

飲み会よりも滝行を優先すると、それでも延々と説教(行中は肉・酒がNGなので)。

私は何のために会社を辞めたのか。

自由に、自分らしく生きていくためではなかったのか。

これならば、安定した給料で仕事しながら、適当に立ち回る方がよかったのではないか。

次第に友人のことが疎ましくなってくるのですが、ここで縁を切ってしまっては、生活を支えているSPを捨てることになる。

しかし私は決断をします。

もしも次のステージに行きたいのであれば、目先の収入にしがみつくべきではない!

オマエは何がやりたいのだ? オマエは何がやりたいのだ? オマエは何がやりたいのだ?

何度も何度も自問します。

そこで最終的に出てきた答えが、、、、まさに「決別」だったのです。

おそらく人生において最も大きな「決別」だったかもしれません。

しかし、それは私の人生において最も大きな、そして偉大な決断となったのです。


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