「一瞬で新しい自分になる30の方法」北岡泰典著

 著書いわく、

「自分の頭の中の配線とスイッチを切り替えることで、瞬時にストレスを解消・軽減するための方法とテクニックを網羅した本」

とある。ストレスを引き起こす30の悩みや症状と、その解決方法を具体的にワークによって紹介される。方法論はNLP(神経言語プログラム)である。

 現在、NLPに関連する著作が次々と刊行されており、その多くはコミュニケーションであったり、願望実現であったり、とりわけビジネスサイドからのアプローチが多いようであるが、本書は「ストレス」に焦点を絞った、ある意味、特徴的な一冊。

 
 目次に目を通すと「ストレス」「~がない」「~できない」「苦痛」「ムカッとくる」「気分が悪くなる」「イライラ」「プレッシャー」「混乱」「無力感」「やる気が出ない」「不安」「いじめ」「コンプレックス」「嫌いな人」「先送り」「ダメ」など、ネガティブな言葉が目に付く。

 しかし著者が「一億三千万人総ストレス時代」と言うように、誰もが様々なケースにおいて、ネガティブな感情を持つことはあるだろう。

 本書ではそれらを取り除くための実践的な方法がイラストをまじえながらわかりやすく示されている。

 まずは初っ端にNLPの基本スキルとも言える「アンカリング」がくる。それは身体に特定の刺激を加えることで、瞬時に感情や反応を変える(元に戻す)ための方法である。まずはそれだけを徹底したとしても、よい効果はでるであろう。

 本書では、NLPのコースやセミナーで実践される、個別のスキルを、個別のケースにあてはめながら紹介しているので、より実感しやすいだろう。

 ただ、ラポールを切るためのスキルとして「メタモデル」が紹介されるのはどうかと思うが、ストレスを解消することに特化しているので、そのつもりで活用した方がいいだろう。

 確かに使える。しかし、ある意味、偏った使い方であることを知った上で手に取るのが無難かもしれない。

一瞬で新しい自分になる30の方法―24時間ストレスフリーでいられるNLPテクニック/北岡 泰典
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「セミナー講師になって稼ぐ方法【実践編】」松尾昭仁著

 数少ない(と言うより、ほとんどいない)セミナープロデューサーとしての肩書を持つ、松尾昭仁氏による、タイトルそのまんまの「セミナー講師になって稼ぐ方法」の全貌が明かされた一冊。

 

 私自身も現在、セミナー業を中心に活動してるため、いろいろと参考になることもあろうかと思い一読した。

 全体の印象としては、よく言えば懇切丁寧であり、これからセミナーをやりたいと思っている人、一応、セミナーをやっては見たものの、今一つ加速しきれないでいる人には、大いに参考になろうとか思う。

 
 一方で、すでに自分のセミナースタイルを確立してる人は、自分自身の判断の元でいいとこどりをしていけばいいであろう。

 著書が言うように、本書で目指してるセミナーとは、飛行機で言えばファーストクラス級の、上質でハイグレードなものだ。

 その点で言えば「高級弁当」も必要であろうが、すべてのセミナーで「高級弁当」をデリバリーしなければならないわけではない。

 しかしながら、本書に流れる一貫した主張は、あくまで「プロ」としてのセミナー講師のあり方。そのためには「写真」「話し方」「舞台の作り方」「参加者との接し方」「集客戦略」など、セミナーのコンテンツそのもの以外にも気を配るべきであろう。

 本書の主張にもある通り、プロは「細部」にこだわるものだ。飲み物のラベルを揃えるところから、セミナーが始まり、その「場」が醸成されるもの。

 そのように、何度もセミナーをやっている人間にとっても、ハッとなる話がいくつもある。

 私自身、セミナー講師になる最大の秘訣は「まずはやってみること」だと自負している。

 したがって、本書に書かれていることをすべてクリアできるようになってから始めようとおものであれば、それは本書の趣旨には反するであろう。

 セミナーをしたければ、まずはやってみる。そして「餅は餅屋」と言うように、セミナー業のおける日本の第一人者の言うこと、本書を傍らにおいて進んでみるのもよし。

 とにかく本書一冊で、「セミナー業」の何たるかがよくわかるし、すでにセミナーをやっている人にとっても学びは決して少なくない

セミナー講師になって稼ぐ方法 【実践編】 営業しないで売れる!優良顧客をつかめる!/松尾 昭仁
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熱くてゴメン!

最近、いろんな人から「熱い」って言われます。

普段はそうでもないのですが、セミナーや講演をすると、もう必ず言われます。

それだけ一生懸命だし、エネルギーを集中砲火している証拠だと自分でも思っています。

ただ、この「熱い」のは、年々激しくなっている気がします。

何を隠そう、私の高校3年一学期の口癖が「人生に疲れを感じる」でしたので、そのヘタレぶりは自分でもびっくりです。

ただ、あんなのは一時的なことだったとは思いますが。

でも、一つだけ言えるのは、男も女も、もっと熱く生きようぜ!ってこと。

何かに打ち込んだり、一生懸命になったり、必死になったり、本気になったりするって、決して恥ずかしいことじゃないってこと。

確かにエネルギー使うけどね。普段の何倍も。

でもね、エネルギーってのは使えば使うほど、チャージできるキャパも広くなるんですよ。

喩えて言うなら何かな。長距離走の持久力とでも言おうか。

あれってとにかく全力を尽くせば尽くすほど、心肺能力も高まるし、それだけ持久力もついて、タイムも縮まる。

エネルギーも同じで、出せば出すほど、次に出せるキャパも広くなって、もっと大きなエネルギーが出せるようになるんです。

そしてそのエネルギーこそが実行力だったり、実現力だったりするのだから、やっぱり普段から熱く生きてた方がいいと思いますね。

ちなみにエネルギーをチャージする方法はご存知ですか?

それはね、、、

「寝ること」

なんです。

猛烈に眠たくなる時って、とにかくエネルギーを使い果たした時。

自分の経験で言えば、疲れるを通り越して、熱が39度6分まで一気に出たことあるけど、あれは「寝ろ!」って合図なんだと思う。

特にセミナーなんかだと、猛烈にエネルギー使っちゃうから。

それからもう一つ。

エネルギー抜群もそうだけど、感動力と言うか、涙腺の脆弱化と言おうか、とにかく年と共に涙もろくなるんすよね。

オレの親父なんかひどいっすよ。

普段はクールなくせに、何かあると、涙腺が完全崩壊ですからね。

オレがガキの頃はそんなの見たことないのに、最近はひどいね、ほんと。

でも、それだけいい人生なんだと思います。

物事に感動できない人生ほどつまらないものないからね。

たぶんうちの子どもが「じいちゃん」って言うだけで、親父の涙腺は崩壊すると思うけど、そんな些細なことでも感動できる人生って、ある意味、勝ち組なんじゃないかと。

世の中には無感動、無関心、おまけに無気力な老人だって多いからね。

茂木健一郎さんが言ってたけど、創造力ってのは「意欲×経験」なんだそうです。

脳科学的に言えば「前頭葉(意欲)×側頭葉(経験)」ってことで、その二つが最大化した時にとんでもない創造力が発揮されるんだと。

なんだけど、「経験」というデータベースは確かに年と共に大きくなるだろうけど、「意欲」ってのは、残念ながら年と共に減少する。

だから若者の方が創造力があるって言われるんだと。

ただ、この方程式からすれば、「意欲のある老人」ってのは、もう無敵ではないかって。

年と共に減少するはずの「意欲」が、逆に年と共にマックスになっていくと、もう、手がつけられようないからね。

作家や芸術家など、死ぬまで創作活動している人なんか、そうかもしれませんね。

経営者もそう。

だから、もちろん経験値を上げるのも大切ながら、人生後半に差しかかった時に、意識的に高めるべきは「意欲」なんじゃないかと。

そしてその「意欲」なんだけど、オレはなんとなく、「感動力」と比例するんじゃないかと思ってます。

つまり些細なことにも「感動」できる力のこと。涙腺の脆さとも言うけど。

いや、だからね、うちの親父なんか、確かに涙腺はもろいけど、70過ぎてまだ非常勤で数学教えてますからね。もと勤めてた中学高校で。

でも、その「感動力」ってそう簡単にはつけるのも難しいと思う。

日ごろから「感動」に対する感受性を高めておくことが重要。

そのためには本もたくさん読んで、映画もたくさん見て、そして旅もたくさん行って。

その先々で感動することがあったら、素直に泣いてみる。

それが「感動力」を高める秘訣じゃないかと。

それはオレも自然と心がけてるからこそ、熱い男と言われたり、また、親父並とは言わないまでも、かなり涙腺きつくなってきたからね。

そうなんだけど、実は今度、もっとヤバいんじゃないかって人と会うんです。

その名も「地球探検隊 」の中村伸一 氏。

「隊長」って呼ばれてます。

隊長の熱さも半端ないし、もう、徳光か紳助並に泣いてるんじゃないかと思うほど、一年中泣いてる男です。

でも、前も言ったと思うけど、男はたった2つのことだけでは泣いていいのです。

一つは親が死んだ時。

そしてもう一つは感動した時。

だからこそ、男が感動する涙ってカッコいいんです。

7月22日(木)は東京で隊長とジョイントトークライブします。

テーマは「人生」と「旅」、、、そして「感動」と「共感」。

もう、こんなくっさい、あっつい世界がどうしても嫌いなら、無理も言えないけど、もし好きなら絶対来てくださいよね。

とにかく熱く語りましょうよ!

7月22日(木):中村隊長&石田Qジョイントトークライブ「オレたちの、旅と人生を語る熱い夜」


とにかく人生は感動でしょ!

どうぞよろしく!

日時 :7月22日(木) 18:30開場、19:00開始 ~23:00完全撤収 (遅刻・退出・出入り自由)

場所 :スター会議室飯田橋 東京都千代田区飯田橋3-4-3エレガンス飯田橋2階

参加費:一般3,000円(当日3,500円)、学生2,000円(当日2,500円) 

     ※ワンドリンク付き(飲み物等持ち込み自由・・・ただしゴミは各自お持ち帰りください)

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「ドラえもん14巻(だんだん家が遠くなる)」藤子不二雄著

 「捨て犬だんご」という残酷な道具が登場する。ただし、その団子はいかにも美味しそう。
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 これを食べると、捨てられた犬は飼い主の元に戻れなくなる。ある日、誤ってそれをのび太が食べてしまい、お約束通り、家に帰れなくなる。
 お腹がすいて倒れそうな時、一匹の野良犬が、なにやら美味しそうに食べている。優しい野良犬は、それをのび太に恵んであげる。普段ののび太は、噛みつかれるのに、こんな時ばかりやさしくされる。
 しかし、その野良犬が食べていたのは「残飯」以外の何ものでもなかった。そこで、それを食べたのび太の表情がこれである。
namagomi.jpg
 
 残飯をここまで頬張るのび太ものび太だが、美味しそうに食べるのものび太の十八番であり、不味いものをここまで不味そうに表現できるのび太も「さすが」としか言いようがない。
 と言うか、藤子不二雄の筆力が並外れているのだろう。

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「現象学入門」竹田青嗣著

 私ごとであるが、私は高校を卒業するまでほとんど活字を読んだことがなかった。読書に疎い少年時代を過ごしてきたのである。

 それが、浪人中にあるきっかけで、一夜にして読書家になり、中でも哲学書をよく読んだ。竹田青嗣氏による「現象学入門」もちょうどその頃に読んだものだ。

 「現象学」は哲学の中でも、とにかく用語が難しい。現象学的還元、エポケー、ノエシス・ノエマ、間主観性、生活世界、などなど日常でお目にかからない言葉が目白押しで、「生活世界」など何となくわかりそうなものも、現象学の文脈ではさっぱりわからなくなる。

 それまで活字を読んだことのない人間が、突然、むさぼるように「現象学」にかじりついたのだから、当時の私はドンキホーテそのものだった。しかし、竹田氏による本書はとてもわかりやすい。

 
 その後、「現象学講義」「デカルト的省察」「ヨーロッパ諸学の危機と・・」などから、ハイデッガーの「存在と時間」、メルロポンティの「知覚の現象学」などを読み進める上で非常に参考になった。

 竹田流の比喩もわかりやすいし、巻末の用語集もかなり使える。

 たとえば「現象学的還元」を行う際、それをデカルトの「方法的懐疑」となぞらえて説明するのであるが、それを「玉ねぎの皮むき」に喩えて説明する。

 デカルトの場合は玉ねぎを最後までむくとそこに芯のようなものが残り(ほんとか?)、それを「我思う(コギト)」としたのであるが、デカルトの場合はそれはあくまで「実体」としてとらえられる。

 それに対してフッサールの場合は、その芯のようなものを「実体」ではなく、玉ねぎたらしめる「働き」のようなものだと説明する。

 デカルトは近代科学の祖と言われるが、原点を「実体」視することで、まさに「主観‐客観」を定位させ、世界をモノとして取り扱う「科学」の礎を築いたのである。

 一方のフッサールは「主観‐客観」の図式を超えて、この世界を形成する動的な根拠のようなものを示すのである。

 これはまさに相対性理論以前の「近代物理学」と、量子論に代表される「現代物理学」との対話に類似する。

 本書では単に「現象学とは何ぞや」を問う前に、哲学や科学がそれまで何を求め、どのような世界観を構築してきたかをおさらいするところから始めている。

 したがって今現在における思想や科学のパラダイムを俯瞰する上でも、この「現象学」への理解は不可欠であろうし、さらにその壮大な哲学史観をとりあえずおさらいするには、本書は役に立つかもしれない。

 もちろん本書を読んだところで、専門的な知識や考え方を身につけるには至らないであろう。あくまで「入門」ではあるが、そもそも「現代」が何を問題としているかを、基礎から考え直すためにも、一度は通過しておいて損はないであろう。

現象学入門 (NHKブックス)/竹田 青嗣
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