「全東洋街道」藤原新也著

この本からは強烈な異臭が漂ってくる。

以前、中東だったか、旅をしている時、ひとりの日本人旅行者と出会った。

その旅行者は「ある食べ物」を求めてトルコまで来たと言う。

その食べ物とは「イシュケンベ・チョルバス」という名であり、つまりは「羊の腸スープ」のことである。

これは羊の腸を刻んで鍋の中にぶち込んで、塩味をきかせて煮込んだスープであるが、その旨味を最大限に特徴付けているのが、腸に残っている糞である(いわゆる宿便)。

この糞は多すぎても少なすぎてもよくないらしく、その加減にコックの腕前が試されるとのこと。

著者である藤原新也は、トルコに旅行中、このスープを立て続けに何杯も飲む怪物女に出くわしたとのこと。

そして私があった旅人もまた、この「全東洋街道」を読んで、このスープを求めてきたのだと言う。

とにかくこの本は最低である。

肉、糞、セックス。

人間が限りなく動物に近い部分だけを執拗に描写しており、異臭に悶絶するのである。

コンクリートのような分厚い化粧をした脂肪の乗り切った中年女が、先ほどの糞スープを飲んだままの口でやってきて、おもむろに足を広げる。

立ちやしない!

そう思うのだが、もしかするとその現場に出くわすと、不可抗力的に立ってしまい、導かれるがままに密林の中に侵入してしまうのか。

そして10分経過したら「ハラース!」の合図で、何も生み出すことのない肉の交わりが終了する。

本書を読むと、そんな情景まで浮かんくる。

ちなみに「ハラース」とはアラビア語で「お終い」の意味だが、レバノンで出くわした日本人バックパッカーが、まさにレバノン女を「買って」、そこで言われた言葉とのこと。

言うまでもなくオレはやってない(が・・・シリアのルーフドミトリーで夢精をした・・・が、これは数日前にイスラエルの安宿で白人女の○○○を見てしまったからだと思う)

ところで、先に出会った「糞スープ」を求めていた旅行者だが、結局その時は見つけることが出来なかったとのこと(1997年)。

たぶんオレも、、、あれば一度は注文してみるかもしれない。

とにかくこの本は最低で強烈。

何度読んでも臭くて、いつでもトリップしてしまうのだ。

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全東洋街道(上) (集英社文庫 153-A)/藤原 新也
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人生を変える100日ブログ :18日目


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「ビル・エヴァンスについてのいくつかの事柄」中山康樹著

私が初めて買ったジャズのCDがビル・エヴァンスの「ポートレート・イン・ジャズ」である。

(同時にソニー・ロリンズ「サキソフォンコロッサス」とエリック・ドルフィー「ラスト・デイト」も購入)

とりあえず「ジャズ」という音楽が聴きたくて、まずはとっかかりにスタンダードの「枯葉」を目当てに買ったCDである。

ただ、その「枯葉」らしからぬ、あまりにもアグレッシブな演奏に驚いたと同時に、一気にビル・エヴァンスに魅了されてしまったのを昨日のように覚えている。

その「枯葉」において、ややアップテンポのテーマに続いて登場するのがベースとピアノのインタープレイ。

そのベーシストこそが夭折の天才ベーシスト、スコット・ラファロである。

エヴァンスの現役生活の中で、ラファロ以上のベーシストに出会うことは結局なかったと言われるが、そのあまりにも早すぎる死が、ラファロの伝説性を余計に高めている。

本書にはこんな逸話が紹介されていた。

ラファロの父親の葬儀の直後、姉に対して「ぼくは25歳で死ぬような気がするんだ」と語ったと言う。

ラファロの死後、エヴァンスはしばらくの間、まともにピアノを弾くことができなかったと言われているが、実はエヴァンスの人生はつねに「死」とリンクしていたことがわかる。

最愛のベーシストであるラファロの死をはじめとして、妻や兄の自殺、そしてエヴァンス自身。

エヴァンスのピアノはその代表作である「ワルツ・フォー・デビー」に見られるようなリリカルさが最大の魅力であり、そのエピゴーネンも実に多い。

しかし晩年の演奏になると、例えばバラードであるはずの「酒とバラの日々」などもアップテンポの激しい曲と化してしまい、それもどんどんとテンポが上がってくる。

まさに「死に急いでる」という表現がふさわしい。

そして周囲の入院を懇願する声を一切聞かず、最後の最後までピアノを弾き続け、まさに「長い自殺」を図り、最後は様々な合併症を悪化させて入院と同時に死んだ。

ビル・エヴァンスとはまさに「死」をピアノで語った詩人だったであろう。

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・ビル・エヴァンスを聴け!

ビル・エヴァンスについてのいくつかの事柄/中山 康樹

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人生を変える100日ブログ :17日目


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「全脳への道」石丸裕高著

胎児のストレスまで取れるワンブレインシステム、つまり右脳と左脳の統合を目指す「全脳」という概念を紹介する。

なぜこの本を購入したかと言うと、著者を知っているから。

著者石丸裕高氏は、私の老人時代(河合塾)の英語の講師であった。

当時から「瞑想英文解釈」や「キネシオロジー英作文」など怪しげな方法論を、大学受験生に向かって唱えていたが、やはり合う人は合うのだろうが、合わない人はとことん合わない。

私は石丸氏に会って英語の成績が上がったかどうかわからないが、私の友人には「石丸先生さまさま」という人間もいる。

英語の成績を伸ばすには、英語へのストレスを取ればよく、その点で講義そのものに「ワンブレインシステム」のエッセンスが組み込まれていたと言えよう。

当時聞いた話で確かに効果があるものがあり、それは本書の前半でも言及されている。

それは前頭と後頭を両手で挟むようにおさえる、、、と言う方法である。

確かにこれによってその時のストレスは消えていき、頭が冴えてくるような気がしてきた。

実はこれは「ハチマキ」の原理と同じで、勉強するときにハチマキをするのは、前頭と後頭に手を当てるのと同じである。

確かに効果テキメンであり、それを知るだけでも、本書を手にする価値はあった。

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・困った時は両手で前後から頭をはさみこめ

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人生を変える100日ブログ :16日目


カテゴリー: |―学習・能力開発 | 1件のコメント

「波動速読法実践篇」七田眞著

オカルト本。

右脳を鍛えると、本のカバーだけで内容がわかるようになる、と言う。

「波動で情報が取れるようになる」そうなのだが、これが本当なら考古学者は要らなくなる。

波動で古代の情報を読み取ればいいのだから。

要するに何か特殊な方法を用いて楽に「天才(超能力者)」になれると思わせる、単なる詐欺的商法に過ぎない。

この著者が一貫して主張しているのは、「右脳」を鍛えれば優れた人間になり、幸せになれる、というもの。

このような主張は一部の「右脳信者」の心をとらえはするため、マーケティング上は成功していると言えるが、当然、すべてがデタラメとは言わないまでも、普通のリテラシーがあればバカげた主張であることは一目瞭然である。

速読に関して言えば、もしもこのような能力開発法が通用するのであれば、とっくの昔に一般の学習塾や受験予備校などで教えられるはずであるが、そのような話を聞くことはない。

ただ、本書について言えば、偏重した「右脳信仰」から距離を置き、一般的にリテラシーを持って読むと、それなりにうなずける部分もないわけではない。

例えば「右脳を開く三つの公式」の中で、「瞑想」、「呼吸」、「視覚化」の重要性を説いているが、別の言い方をすれば「リラックス」、「集中」、「イメージング」のことであり、右脳や左脳などの考え方にとらわれなければ、それらは普通に大切であり、生活の中に積極的に取り入れていいものである。

確かに能力が最大限に発揮されるのは、リラックスしながら集中した状態であり、物事が具体的なイメージとして見えてくる時であろうから。

本書は「読書法」の本と言うより、「七田式」の宣伝本である。

言うまでもなく、読書に大切なことは、本が好きであること、習慣、理解を補う体験である。

それだけで特殊な能力開発などせずとも、十分な学習能力を身につけることは可能なのである。

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・本書は「速読法」の本ではなく、オカルト本である

波動速読法 実践篇 (ムックセレクト)/七田 眞
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人生を変える100日ブログ :15日目


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「豊かに成功するホ・オポノポノ」イハレアカラ・ヒューレン著

その「魔法」性がとかく強調されがちだが、実は至極まっとうな考え方であるホ・オポノポノ。

逆に言えば、これまでいくつも同じようなものが出ては消え出ては消えの一つに過ぎない。

本書はとりわけホ・オポノポノをいかにビジネスへと利用するかがテーマとなっている。

しかし、言わんとしていることは極めてシンプル。

「ありがとう」

「あいしてる」

「ごめんなさい」

「許してください」

の4つの言葉によって、潜在意識にある「情報」をクリーニング(消去)せよとのこと。

例えば第6章では「ホ・オポノポノとビジネス Q&A」とあるが、すべてにおいて問題となる「情報(過去の記憶)」を4つの言葉によって消去すればよいとのことで、具体的な答えは何一つない。

ただ、このシンプルさこそがホ・オポノポノの魅力であり、急速に広まった大きな理由なのであろう。

個人的に面白いと思った賞は第2章の「ホ・オポノポノの本質」について。

ホ・オポノポノでは、世の中に起きるすべての問題は、潜在意識の中の情報(過去の記憶)に原因があるとするが、この観点は例えばNLP(神経言語プログラム)や各種心理セラピーなどでも強調する点である。

これらの「情報」を4つの言葉にとって消去し、「ゼロ」に戻すことがあらゆる問題解決の原則であり、その状態を「悟り」と呼ぶことができる。

「潜在意識」と言うと、自己啓発の本などでは、とかく願望実現のカギであるだとか、大いなる可能性のようなとらえ方をされるが、実のところは「潜在意識」は実現や問題解決においてブレーキとなることの方が多く、そのブレーキを取り除くことが何とりも重要である。

これまでの心理セラピーなどは、例えば「インナーチャイルドを癒すワーク」や「NLPテクニック」などに頼ることが多かったが、ホ・オポノポノでは、何度も言うように極めてシンプルであり、ただそれ(4つの言葉を言うこと)を実践することが最大にして唯一の方法であるとする。

とは言うものの、4つ言葉を補う方法論についても巻末で言及されており、水を飲むこと、呼吸法、瞑想などわりとオーソドックスなものが紹介されている。

ホ・オポノポノについては、それこそ関連書が次から次へと翻訳・出版されているが、実用的と言う意味では、本書一冊だけで十分かもしれない。

ただ、重要なのは「実践」すること。

JUST DO IT!である。

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・ホ・オポノポノは非常に理にかなった方法論であるが、重要なのはただ実践するのみである

豊かに成功するホ・オポノポノ 愛と感謝のパワーがもたらすビジネスの大転換/イハレアカラ・ヒューレン
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人生を変える100日ブログ :14日目


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