Desert Journey · Morocco & Portugal

モロッコ、砂漠の旅サハラと、52歳の誕生日

2025.02.24 — 03.04 / 9 DAYS / 63・64th country

期間9日間
同行6名
舞台モロッコ+ポルトガル
通算63・64カ国目

毎年、花粉の時期になると旅に出る。二〇二五年の行き先は、モロッコ。サハラ砂漠のど真ん中で、五十二歳の誕生日を迎えた。チューリッヒ、リスボンを経由して、六十三カ国目モロッコ、六十四カ国目ポルトガル。ラクダ、砂漠の夜明け、そして「モロッコ料理だけは、どうしても合わない」という発見。仲間と過ごした、九日間の記録。

▲ 2025.2.24 旅立ち … 9日間・サハラへ … 3.4 帰国 ▼

DAY 1

今年も、旅に出る / 成田 → チューリッヒ

2025.02.24(月)

「花粉の季節は、いつもどこかへ。」

毎年、花粉の時期になると、どこかへ旅に出ている。フィリピン、ニュージーランド、ラダック、エジプト、バングラデシュ、南アフリカ、インドネシア、西アフリカ……。書き出してみると、自分でもよう行ってるな、と思う。二〇二五年の行き先は、モロッコ。サハラ砂漠が、待っている。

成田空港から旅立ち
NARITA — 今年の旅も、ここから

朝、成田からボックス型のビジネスクラスで発つ。機内食はステーキ。可もなく不可もなく、温めただけの味だ。昔はあれにテンションが上がったけれど、今は旅の食事はなるべく現地で取りたい派。半分くらい、残した。

ビジネスクラスの機内食ステーキ
IN-FLIGHT — 機内食は、可もなく不可もなく

半日かけて、スイス・チューリッヒへ。外はもう暗い。今回はトランジットなので、空港内のカプセルホテルへ直行。初めての海外カプセルは、スマホで開閉する鍵付きで、内装もオシャレ。これで一万円なら、スイス価格では“安い”のかもしれない。

チューリッヒ空港のカプセルホテル
ZÜRICH — 初の海外カプセル、スマホ施錠

ブログ原文 ▸ 初日

63COUNTRY
DAY 2

マラケシュは、穏やかだった / モロッコ入国

2025.02.25(火)

「“人が悪い国”の評判は、もう昔の話。」

チューリッヒからリスボンへ小型機で飛び、まさえさんと合流。さらに小型機を乗り継いで、マラケシュへ。入国はスムーズ。作務衣のせいか、エジプトと同じく「カンフー? 空手?」と声をかけられる。もう、慣れたものだ。——六十三カ国目。

マラケシュへ向かう
MARRAKECH — 飛行機を乗り継いで、63カ国目

イスタンブール経由の四人とも合流し、プリペイドのタクシーで街中のホテルへ。呼び込みもなく、拍子抜けするほどスムーズ。かつてモロッコは、インドやエジプトと並ぶ“人が悪い国”と言われていた。でも少なくともマラケシュは、穏やかだった。

マラケシュの街とホテル
MEDINA — 穏やかな、赤い街

一時間後にロビー集合で、近くのレストランへ。タジンの肉煮込み(ビーフ、ラム)に、付け合わせのパンが抜群。メインの肉は、クミンやコリアンダーの効いた柔らかいビーフとラム。旨い。一皿が二人前で、六人で二皿がちょうどよかった。食後は酒を買い込んで部屋飲み。それぞれの「野望」を語り合う夜。

タジンの肉煮込み
TAJINE — 付け合わせのパンが、抜群に美味かった

ブログ原文 ▸ 二日目

DAY 3

砂漠ツアー、はじまる / ひたすら移動

2025.02.26(水)

「移動の長さも、瞑想に変わる。」

部屋飲みのあと十時には寝て、四時起き。今日から二泊三日のサハラ砂漠ツアーが始まる。「砂漠と言えば?」と聞かれて、ゴビと答える人はいない。やっぱりサハラだ。八年前にエジプトで会った大学生が「旅のベストはサハラ砂漠とバルセロナ」と言っていた。バルセロナも、いつか必ず。

サハラへ向かう道中
ON THE ROAD — 今日は、もっぱら移動

世界遺産のベルベル人の村や、映画の撮影地に立ち寄りながら、ひたすらバスで進む。これと言った見どころはないけれど、動かずにずっと瞑想していると、何かに繋がるような感覚があった。

モロッコの車窓の景色
VIEW — 車窓に流れる、乾いた大地の景色
モロッコの大地
ATLAS — 乾いた大地を、南へ

ブログ原文 ▸ 三日目

DAY 4

サハラ砂漠で、52歳になった / 誕生日

2025.02.27(木)

「五十二歳の朝は、砂の中で。」

サハラ砂漠で、誕生日を迎えた。五十二歳。ツアー二日目、ようやく砂漠が近づいてくる。ところで——モロッコ料理が、どうしても口に合わない。まずいわけじゃないのに、なぜか受け付けないのだ。みんなは普通に食べているのに。途中、カーペット工場やベルベル人のコミューンに立ち寄りながら、バスは南へ、砂漠へと近づいていく。

カーペットの工房
CARPET — 道すがら寄った、絨毯の工房

四時頃、ようやくサハラ砂漠。着いた瞬間、感動した。モンゴルやエジプト、ナミビアと、砂漠は何度も見てきたけれど、ここはスケールが決定的に違う。幼い日に出会った物語の一節がきっかけで、恐怖にも似た憧れとともに、いつか行きたいと思い続けて四十年。その場所に、ついに立っている。

ラクダに乗って、サンセットのスペースへ。お馴染みのホーミー(喉歌)を響かせたら砂漠中に轟いたらしく、同じグループのポーランド人に「写真を撮ったよ」と声をかけられた。沈む陽が、砂の稜線を金色に染めていく。

ターバンを巻いてラクダに乗る本人
RIDE — ターバンを巻いて、ラクダの隊列を行く
ラクダに乗ってサンセットへ
CAMEL — 夕陽のスペースへ、ゆられて

日が落ちたら、テントへ。申し込んでいたのは「ラグジュアリーテント」で、開けてみれば実に立派。ちなみにガイドからは最初「カンフー」、いつのまにか「ヤクザ」と呼ばれていた。作務衣とスキンヘッドが、彼らにはそう見えるらしい。

砂漠のラグジュアリーテント
CAMP — 砂漠のラグジュアリーテント

ディナーのあとは、サプライズのワイン。まさえさんからは、スパークリングまで。キャンプファイヤーを囲み、見上げれば満天の星。持参したボウモアで、回る、回る。疲れ果てて、でも——最高の誕生日になった。

砂漠のキャンプファイヤーと星空
BONFIRE — 満天の星の下、五十二歳の夜

ブログ原文 ▸ 四日目

DAY 5

ラクダの背で、夜明けを見た / As Time Goes By

2025.02.28(金)

「揺られながら、これからも旅しまくろうと思った。」

二月の最終日。五時前に起きて、朝食はヨーグルトとチーズとチャパティだけ。そしてラクダに乗って、もう一度砂漠へ。サンライズ。ゆっくり揺られながら、いろんなことを思い出した。何をやっとんのや、俺は。——でも、これからも旅しまくろう。そう、素直に思えた。

ラクダの背から見た砂漠の朝焼け
SUNRISE — ラクダの背から見た、朝焼け
朝の砂漠
DUNES — 朝陽に染まる、砂の稜線

六時にマラケシュへ戻り、ツアーは解散。少しいいホテルにチェックインして、うしくんと同室に。そして夜——フォーシーズンズのレストラン街で、スペイン料理。モロッコワインから始める。タパスも、パエリアも、うまい。料理を、やっとまともに食べられた。砂漠とモロッコ料理で乾いていた体が、生き返るようだった。

フォーシーズンズのスペイン料理
ESPAÑOL — タパスとパエリアで、生き返る

ホテルに帰って、バランタインで部屋飲み。そもそも俺がモロッコに憧れたのは、ジャズや映画の影響が強い。デクスター・ゴードン、カーメン・マクレエ、映画『カサブランカ』……。今回はマラケシュとサハラだけで、カサブランカにもタンジェにも行かないけれど、ウイスキー片手にそれらを聴く夜は、しみじみと感慨深かった。

ブログ原文 ▸ 五日目

DAY 6

何もない一日が、貴重だ / 終日マラケシュ

2025.03.01(土)

「移動ばかりの旅で、空白の日こそ宝物。」

三月。今日は終日フリー。移動ばかりの今回の旅で、この「何もない一日」は貴重だ。昼から三キロほど歩いて、フナ広場へ。ここがマラケシュの中心であり、観光地。いい天気だ。

ジャマ・エル・フナ広場
JEMAA EL-FNAA — マラケシュの、心臓

フレッシュのフルーツジュースが、やたら美味い。スーク(市場)をあてもなく練り歩けば、中東のスパイスの香りに包まれる。

フレッシュフルーツジュース
JUICE — 搾りたては、文句なしに旨い
スーク(市場)
SOUK — スパイスの香りの、迷宮

夕方、カフェのテラスでジェラートを舐めて、観光はおしまい。夜は、昨日と同じエリアのレストラン「TARO」へ。中南米料理だ。シーザーサラダ、ステーキ、タコス。モロッコワインも二本空けた。サービスも素晴らしく、ここがモロッコであることを、しばし忘れる。料理が合わなかったモロッコでの、これが「最後の晩餐」になった。

TAROでの最後の晩餐
TARO — モロッコを忘れる、最後の晩餐

部屋に帰って、余ったバランタインで最後の部屋飲み。いろんな話をした。今回の旅も、いつものようにターニングポイントになった。これから大きな企画を進めていく。本格的に、世界へ出ていく。人生は有限。やりたいことを、すべてやり尽くすのだ。——来年の花粉シーズンは、たぶんスペインになりそうだ。

ブログ原文 ▸ 六日目

64COUNTRY
DAY 7

リスボンで、胃袋が目を覚ます / ポルトガル

2025.03.02(日)

「縮こまっていた胃腸が、一気に解除。」

九時のフライトで、マラケシュからリスボンへ。——六十四カ国目、ポルトガル。着いた途端、急に腹が減った。空港のカフェでパスタを頼むと、これがめちゃくちゃ美味い。モロッコで縮こまっていた胃腸が、一気に解除された。

リスボン到着
LISBOA — 64カ国目、ポルトガル
空港カフェのパスタ
PASTA — 胃腸リセット、一気に解除

地下鉄はクレカのタッチで乗れる。なんて便利。三つ星ホテルはまるで東横インで、七千円ほどとリーズナブル。日曜のせいか、街のあちこちでバザーをやっていて、サングリアとタルトで十ユーロ。

バザーのサングリアとタルト
BAZAR — サングリアとタルトで、10€

夜七時から、ファド&ディナーのツアーに参加。ファドは、日本人に耳馴染みがいい。まるで演歌のようだ。同じ言葉でもボサノバとは違うけれど、サウダージ的な哀愁は、どこか通じるものがある。

リスボンのファド
FADO — 演歌に似た、哀愁のサウダージ

ディナーはパン、コロッケ、メイン。コロッケが食べられたのが嬉しい。メインはタラのグラタン、まさえさんはポークとアサリ。最後はデザートワインで、甘い。ポルトガル料理は、日本人の口にすごく合うと思う。締めにアイリッシュパブでビールを一杯、ホテルの真ん前でタルトを買って帰る。食欲は、見事に復活した。

ブログ原文 ▸ 七日目

DAY 8

お雛様の日が、半分になる / 帰路へ

2025.03.03(月)

「時差のぶん、特別な一日も短くなる。」

三月三日、お雛様。時差のせいで、この特別な日も半分に短縮される。四時起きでチェックアウト、Uberで空港へ。リスボン→フランクフルト→上海→関空という、ロングトリップの始まり。ラウンジでエッグタルトを。ポルトガル発祥で、マカオの名物でもある。

ラウンジのエッグタルト
PASTÉL DE NATA — 発祥の地で、エッグタルト

搭乗すると、やった、ビジネスシートだ。ヨーロッパ線はビジネスでもエコノミー三席分、なんてことがあるから、当たりだと嬉しい。フランクフルトでひと息ついて、上海へ向かう。

ビジネスシート
BUSINESS — 当たりの、フラットシート

ブログ原文 ▸ 八日目

DAY 9 / 帰国 / HOMEWARD

仲間旅の魅力 / 上海 → 関空

2025.03.04(火)

「仲間との旅は、それだけでご馳走だ。」

フランクフルトから上海、そして関空へ。上海の乗り換えがやっかいで、中国は乗り継ぎでも入国・荷物受け取り・再チェックインが必要。二時間十分の乗り継ぎに、二十分前に駆け込んだ。中国乗り換えは、二時間でもギリギリだと覚えておこう。

帰国便の機内
HOMEBOUND — 日本が、近づいてくる

無事に帰国。関空に『なか卯』があったので、牛丼とミニうどんのセット。美味い、美味すぎる。今回の大きなネタは、なんといっても「モロッコ料理がダメだった」こと。まずいわけじゃないのに、なぜか受け付けない——そんな発見も含めて、仲間との旅は、それだけでご馳走だった。

関空のなか卯の牛丼セット
なか卯 — 帰国の一杯は、牛丼とうどん

ブログ原文 ▸ 九日目

毎年、花粉の季節に旅へ出る。今年はサハラ砂漠で、五十二歳になった。ラクダの背で見た夜明けも、どうしても合わなかったモロッコ料理も、ぜんぶひっくるめて、いい旅だった。場所が変わり、歳を重ねても、旅をやめる理由は見つからない。来年は、どこへ行こう。暖かいところがいいね。

— Q / 「砂漠と言えば、サハラ」。じゃあ「ヨーグルトと言えば…」の本場へ——翌年、行くことになろう。