Malta & London · 2017

マルタとロンドンキックボードと、火渡りの旅

2017.4.21 — 5.1 / SOLO / 人生45か国目、マルタ

期間11日間
同行キックボード
舞台地中海〜ロンドン
通算45か国目

二〇一七年春。マイルを使って、夢のファーストクラスで飛び立った。行き先は、地中海に浮かぶ小さな島国マルタ。人生四十五か国目を、荷物はキックボードひとつで、ひたすら転がして巡る。城塞都市バレッタ、涙が出たメリーハの夕日、ゴゾ島、名物のウサギ肉。そして後半はロンドンへ。待っていたのは、アンソニー・ロビンズの四日間と、火渡り。贅沢と、バックパッカーと、自己変革が同居した、「濃く安く」な旅。人生、是ネタ。

PART I

マルタ編

First Class → キックボードの島旅

4.21

夢のファーストクラス / 福岡 → 仁川 → ロンドン

2017.04.21(金)

「ファーストクラスに乗る、という夢がまた一つ叶った。」

荷物はキックボードひとつ。マイルを使い、ビジネスクラスで福岡から仁川へ。ところが席に案内されると、やけに豪華な個室。よく見れば「First Suite Class」——アップグレードで、憧れのファーストクラスに乗ってしまった。ラウンジのビールに始まり、白ワイン、赤ワイン。今日は移動が大半、酒浸りの一日になりそうだ。

アシアナのファーストクラスの座席
FIRST — 思いがけず、憧れのファーストクラスへ

仁川で乗り継ぎ、ロンドンへ。機内では原稿もはかどる。じつは、十数年前はニートから月収十二万円のワープアだった。それが今、ファーストに乗っている。すべては「考え方」しだい。ヒースローに着けば、キックボードで十分ほど転がして、寝るだけのバジェット宿へ。バックパッカーの血が、騒ぐ。

ヒースロー空港
HEATHROW — でかすぎるヒースローに、降り立つ

ブログ原文 ▸ 出発

45MALTA
4.22

人生45か国目、マルタ / バレッタ

2017.04.22(土)

「空の青さが、ハンパない。地中海は、別天地だ。」

ロンドンからエアマルタで三時間。空港に降り立った瞬間、これで人生四十五か国目。そして——空が、青い。サントリーニ島を思い出す、地中海の青だ。SIMを買い、キックボードで空港から七キロの市街地へ。かなり怖いので、スピードだけは出しすぎないように。

マルタでキックボード
SCOOTER — 荷物はこれひとつ。キックボードで市街へ

首都バレッタまで、さらに徒歩一時間。今日は二万歩。外敵から島を守るための城塞都市は、雰囲気がありすぎる。夜八時を過ぎても、空はまだ青く美しい。地中海、ここは別天地だ。

城塞都市バレッタ
VALLETTA — 外敵から身を守る、城塞都市バレッタ

ブログ原文 ▸ 45か国目

4.23

メリーハの夕日 / Mellieħa

2017.04.23(日)

「この景色を見た瞬間、なぜか涙が出てきた。」

現金がおろせないまま、キックボード(というより、しばしば徒歩)で島を縦断する。舗装の粗い道では役に立たず、片手で抱えて歩く。「オレ、なにやってんだろ〜」——その瞬間が、最高なのだ。青い海が見えるたび、テンションが上がる。地球人のDNAには「空は青い」と刻まれているのかもしれない。

マルタの街並み
ROAD — キックボードを抱えて、島を横断する

たどり着いたのは、メリーハという小さな街。観光名所でもない。だが、夕方に見たその景色に、なぜか涙が出た。わけがわからない。でも、なにかが出てきたんだ。ああ、これを見るためにマルタに来たのかな。地中海の夕日ほど、美しいものはないかもしれない。

メリーハの地中海の夕日
SUNSET — 涙が出た、メリーハの地中海の夕日

ブログ原文 ▸ 何かが動いた日

4.24

ゴゾ島と、ウサギ肉 / Gozo

2017.04.24(月)

「マルタ名物のウサギ肉。経験を買う、という贅沢。」

フェリーで、隣のゴゾ島へ。中心地ビクトリアの要塞に登ると、島の全景が見渡せた。言葉にならない。海賊の襲撃が絶えなかった時代、島民は夜ここで寝るよう義務付けられていたという。世界一治安がいいとも言われるマルタの、守りの歴史がそこにあった。

ゴゾ島の要塞からの全景
GOZO — 要塞から見渡す、ゴゾ島の全景

島で最後の夜は、マルタ名物のウサギ肉のコース。スープ、ウサギ肉のパスタ(イタリアが近いだけに絶品だ)、そしてメインはウサギ肉のガーリックソース。鶏に近い食感で、柔らかくて美味い。ただ食べるのではなく、経験を買う。それが、最高の贅沢だった。

マルタ名物のウサギ肉
RABBIT — マルタ名物、ウサギ肉のガーリックソース

ブログ原文 ▸ オレも考えた

4.25

キックボードで、マルタを旅した / 島の南へ

2017.04.25(火)

「観光地に興味はない。その土地の風を感じながら移動する。」

空港近くの宿まで、二十二キロの移動日。昨年は自転車でニュージーランド、今年はキックボードでマルタ。いわゆる観光地にはあまり興味がなく、その土地の風を感じながら移動するのが、一番の楽しみ。四日目にして、キックボードの軸足にも筋肉がついてきた。慣れた頃に終わるのも、また旅だ。

マルタ南の荒い海
SOUTH — 荒く、しかし美しい、島の南の海

沈みゆく地中海の夕日に、また必ず来るぞと誓う。海辺の店は軒並みクローズで、帰り道のケバブ屋でステーキ定食。相変わらずのボリュームだが、肉は食った。マルタは猫の王国らしく、食べている間、たくさんの猫がやって来た。明日は、ロンドンに戻る。

マルタの猫
CATS — マルタは猫の王国。夕食に集まってきた

ブログ原文 ▸ キックボードで旅した

PART II

ロンドン編

旅の神様 → アンソニー・ロビンズと、火渡り

4.26

旅の神様、いるよね / マルタ → ロンドン

2017.04.26(水)

「トラブルこそ、旅。トラベルはトラブル。」

朝の便に乗るはずが、空港でうっかり職員専用エリアに迷い込み、事情聴取が始まってしまった。皆「ノープロブレム」と言うが、インドの教訓——「ノープロブレムだけは信じるな」。案の定、カウンターに着くと「クローズ」。乗り遅れた。次の便まで一万三千円と数時間のロス。それでも、これはこれでオイシイと思う自分がいる。

マルタの空港
MALTA — 最後にひと悶着あった、小さな空港

「大難を小難に」。無事にロンドンには着けたし、目的的には順調だ。おまけに、この騒動の一時間後、複雑な事情で四万円ほど得する出来事が突然やってきた。旅の神様って、いるよね。つくづく、いたずらが好きだ。明日からはいよいよ、アンソニー・ロビンズの四日間。しかも今回は、直前で相棒がキャンセルし、代わりに参加するのがなんとプロの通訳さん。もってるな、オレ。

ロンドン到着
LONDON — ともあれ、無事にロンドンへ

ブログ原文 ▸ 旅の神様

4.27 – 4.30

民族の祭典、そして火渡り / Tony Robbins UPW

2017.04.27(木)— 04.30(日)

「これはセミナーというより、『民族の祭典』だ。」

一年前にノリで申し込んだ、アンソニー・ロビンズのUPW(Unleash the Power Within)四日間。ホテルの前には、朝のテムズ川。会場は徒歩十分。今回は六十か国から一万人。ダンスミュージックがガンガンかかり、周りは踊り狂う。これはセミナーというより、人類がアフリカで受け継いできたパルスを呼び覚ます「民族の祭典」だ。

アンソニー・ロビンズのUPW会場
UPW — トニー登場。60か国1万人の熱狂

通訳なしは、予想以上につらい。だが、わかるところを増やしていけばいい。隣のポーランド人カップルに助けられながら、必死でシェアする。Qさん、頑張ってます。そして初日の夜は、ファイヤーウォーク——いわゆる火渡り。地面が濡れていて「火渡り」というより「水渡り」で、寒さのほうがつらかったが、これぞパンク精神。ヘロヘロでホテルに着いたのは零時前。あと三日、どうなることやら。

ロンドンの朝のテムズ川
THAMES — ホテルの前の、朝のテムズ川

ブログ原文 ▸ 民族の祭典2日目3日目4日目

5.1

最後に、ロンドンの街歩き / 大英博物館とパブ

2017.05.01(月)

「街並みは美しい。思えば、ここがオリジナルなんだ。」

五泊したホテルをチェックアウトし、向かうは大英博物館。圧巻だ。時間がいくらあっても足りない、世界一の博物館。歴史好きにはたまらない。日本ブースでは密教も詳しく紹介されていて、文殊菩薩にまた再会した。十二年前もここで文殊菩薩に出会ったことを思い出す。これからの十二年も、しっかり滝行をしろということだな。

大英博物館
MUSEUM — 時間が足りない、世界一の大英博物館

締めはブリティッシュパブ。エールは聞いていた通りほぼ常温だが、この方がしっかり味がわかって美味い。フィッシュ&チップスは予想通り、素朴な味だった。ロンドンの街並みは、やはり美しい。アメリカ、ニュージーランド、オーストラリア、シンガポール、インド——似た街並みは世界中にあるけれど、思えばここがオリジナルなんだ。イギリスには、また来よう。できれば自転車で、北部を走りたい。

ロンドンの街並み
LONDON — すべての街並みの、オリジナル

ブログ原文 ▸ 新たなサイクル

5.1 / 帰路 / HOMEWARD

人生、是ネタ / London → 帰国

2017.05.01(月)— 05.02(火)

「濃く、安く。人生是ネタ。」

ファーストクラスに始まり、キックボードで島を転がし、通訳なしのセミナーで火を渡った。贅沢もバックパッカーも、成功も失敗も、いい思いも良くない思いも、すべては「ネタ」。エドガー・ケイシーは「人はしゃべった言葉と必ず出会う」と言った。だったら、良きことを思い、良きことを発信していくしかない。ずっと思ってきたことが、数年後の現実になる。マルタを知ったのは、二十年前のエジプトで出会った、ある旅人の一言だった。そして今、その島にいた。

この現実は、自分の頭の中の反映でしかない。周りでも、環境でも、他人でもない。自分の「考え方」だけが大切なんだ。メリーハの夕日は、それを思い出させてくれた。さて、これからどんなことを考えようかな。それだけだ。

ブログ原文 ▸ 帰国しました

夢のファーストクラスで飛び立ち、荷物ひとつのキックボードで地中海の島を這うように巡り、涙の出る夕日に出会い、最後は一万人の熱狂の中で火を渡った。上も下も、贅沢も倹約も、ぜんぶ自分で選べる。トラベルはトラブル、そしてトラブルこそ最高のネタ。思ったことが、いつか現実になる。だったら——良きことだけを、思っていよう。

— Q / 濃く、安く。人生、是ネタ。