USA · 2022

アメリカ、書けば叶う旅サンフランシスコからニューヨークへ

2022.10.31 — 11.14 / SOLO / SF → Sedona → NY

期間15日間
同行ひとり
舞台SF 〜 NY
通算57カ国目

二〇二二年十月、二年半ぶりの海外。コロナ禍を越えて、アメリカへ。サンフランシスコで、全米デビューのセミナー。翌日には、金のロレックスに引き寄せられた。メキシコのティファナで五十七カ国目。アリゾナの赤い大地セドナ、ボルテックス、地球の子宮。そしてニューヨーク——二十年ぶりの街で、ジャズに浸り、トークライブ。帰りは、ファーストクラス。書けば、叶う。それを証明するような、十五日間のひとり旅。

ROUTE / 旅の行程

帰国 / ファーストクラス 成田 サンフランシスコ サンディエゴ ティファナ フェニックス セドナ ニューヨーク MEXICO · 57 立ち寄り地 往路 復路(ファースト)

▲ 2022.10.31 出発 … ひとり、アメリカを西から東へ … 11.14 帰国 ▼

10.31

旅が始まった / サンフランシスコ

2022.10.31(月)

「二年半ぶりの海外。新しい時代の風に、全身で触れる。」

ビジネスクラスで、二年半ぶりの海外へ。コロナ禍を越えて、ついにアメリカに上陸した。入国は、拍子抜けするほどスムーズ。サンフランシスコの空港から電車でダウンタウンへ向かうと、途中で乗ってきた怪しい人がわたしの周りを行ったり来たり。少し警戒しつつ、坂の多い街を、重いスーツケースを引いて歩く。

サンフランシスコ市庁舎
SAN FRANCISCO — 坂の街、市庁舎を望む

たどり着いたのは、日本人街のホテル。どこかイギリス風で、ベッドはよじ登らないといけないほど高い。サンフランシスコ風なんだそうだ。治安はあまり良くないと聞くが、この界隈は比較的マシらしい。それでも夜は警戒して、近くのスーパーでリンゴとポテチを買う。これで、千円。円安と物価高に、まだ少しビビっている。

サンフランシスコ風の高いベッド
BED — よじ登る、サンフランシスコ風の高いベッド

本格的に「コロナはもう終わった」と肌で感じる。新しい時代の風に、全身で触れている。明日は、この旅のトークライブ一回目にして、全米デビューの第一歩。何が起こるだろうか。ドキドキと、ワクワク。旅が、始まった。

ブログ原文 ▸ 初日:サンフランシスコ

11.1

記念すべきアメリカデビュー / サンフランシスコ

2022.11.01(火)

「合計八名は、末広がり。ここから始まるのだ。」

午後から、トークライブ。会場は、ジャパンタウンのカブキホテルの会議室だ。日本と同じように、物販も並べる。記念すべき、全米デビューの一歩。人数は決して多くないけれど、それゆえに伝説になる。合計八名は、末広がり。ここから始まるのだ。

サンフランシスコのトークライブ会場
DEBUT — カブキホテルの会議室で、全米デビュー

終わってからは、その場のノリで懇親会。困った時の中華料理は、外れがない。カリフォルニアの白ワインを開けて、乾杯。七人で二百二十ドルは、この物価の街では安すぎるくらいだ。濃くて、運命的で、最高に楽しい夜だった。

中華料理と白ワイン
乾杯 — 困った時の中華と、カリフォルニアの白

ブログ原文 ▸ 二日目:サンフランシスコ

11.2

ロレックスに引き寄せられた / サンフランシスコ

2022.11.02(水)

「欲しい時計がある。お金もある。あとは、今すぐ買えるか。」

セミナー翌日はオフ。参加者の方が「ロレックスに行く」というので、後学のためについていくことに。正規店で、たった一つだけあった「金のロレックス」を見た瞬間——一瞬で、欲しくなってしまった。デイデイトという人気のモデル。今はどこでも品薄で買えず、別室で着けさせてもらうに留まる。うーん、輝きが、違う。

金のロレックス デイデイト
DAY-DATE — 金の輝きに、一瞬で射抜かれる

店員が「隣のアウトレットなら、あるかも」と言う。高級時計だけを扱う店に行くと、な、な、なんと——金のデイデイトが、あった。値札は二万三千ドル、日本円で三百六十万円ほど。「買い」だと背中を押され、もう即決。問題は、カードが一度に通るかどうか。じゃん。歓声が上がった。アメックスにしておいて、よかった。

シャンパンで乾杯
CHEERS — シャンパンをご馳走になり、乾杯

そのあとは、アメリカンなハンバーガーでランチ。バンズも選べて、ボリュームたっぷり。これで五千円ほどというから、物価には驚くばかり。気分がいい一日だった。それにしても——なぜ、引き寄せられたのか。その答えは、翌日わかることになる。

アメリカンなハンバーガー
BURGER — ボリュームたっぷりの、祝杯ランチ

ブログ原文 ▸ 三日目:サンフランシスコ

57MEXICO
11.3 – 11.4

国境を越えて、ティファナ / サンディエゴ → メキシコ

2022.11.03(木)— 11.04(金)

「書けば叶う。『運なに』に、金のロレックスを書いていた。」

サンフランシスコからユナイテッドでサンディエゴへ。空港から街まで歩き、リトルイタリーのイタリアンで、まずは白ワイン。素麺のように細いパスタが、これがまた美味い。じつは——二〇一五年に出した著書『運なに』で、わたしは「金のロレックス」のことを書いていた。書けば、叶う。引き寄せられたのは、そういうことだったのだ。

リトルイタリーの細いパスタ
SAN DIEGO — リトルイタリーの、素麺のようなパスタ

翌日は、電車で一時間。人の波に乗って歩くと、メキシコ国境。係員に呼び止められつつ通過すると、景色がガラッと変わった。屋台が並び、顔つきも変わる。ティファナ。人生五十七カ国目だ。お腹が空いて、まずはタコスとビール。美味すぎる。歩けば、ルチャリブレ。メキシコといえば、覆面のプロレスだ。

ティファナのタコスとビール
TACOS — 五十七カ国目は、タコスとビールで

そして、シーザーサラダ発祥の地へ。日本のものとは違い、レタスだけ。ソースを目の前で作ってくれる。これが、絶品だった。テキーラベースのフローズンマルガリータも頼んで、大満足。こっちは、野菜が美味い。アメリカへの再入国は小一時間並んだが、思ったより早く戻れた。

シーザーサラダ
CAESAR — 発祥の地の、絶品シーザーサラダ

ブログ原文 ▸ 四日目:サンディエゴ五日目:ティファナ

11.5

砂漠の街の、夜のジャズ / フェニックス(アリゾナ)

2022.11.05(土)

「いつか五十州、すべて行きたい。」

サンディエゴから、フェニックスへ飛ぶ。アリゾナだ。いつか「アメリカ五十州すべて」を訪れるのが、夢。まだ六州だから、先は長い。空港では、YouTubeを見てくださっている現地の方が出迎えてくれた。立派な車で、まずはネイティブアメリカンのフェスへ。この辺りは、彼らの色が濃い。

ベトナム料理のチャーハン
PHOENIX — 遅めのランチは、パインのチャーハン

そして夜は、ジャズに連れて行ってもらった。店の名は「ナッシュ」。ん、聞き覚えがある——やはり、ドラマーのルイス・ナッシュの店だった。数えきれないレジェンドと共演してきた、リアルな伝説。彼のドラムは、これまで何度も録音で聴いてきた。それを、本拠地で。

ジャズクラブ Nash
NASH — ルイス・ナッシュの、本拠地のクラブ

この夜のプログラムは、ピアノトリオにトランペットとボーカル。ポップス寄りの曲が多かったが、ジャズのスタンダードもしっかりと。ビールを二本空けながら、本格的なジャズを、たっぷり堪能した。砂漠の街の、最高の夜だ。

ジャズの演奏
LIVE — 本場のジャズが、夜を満たす

ブログ原文 ▸ 六日目:フェニックス

11.6

セドナ、ボルテックス / アリゾナ

2022.11.06(日)

「日本にも、世界にも、こんな景色はないと思う。」

フェニックスから、現地の方々とセドナへ。途中のワイナリーでランチ。赤をテイスティングし、パンとハムとチーズ、それにピザ。十分すぎる。そして、セドナ。これだ、これ。さすがに日本にも、世界にも、こんな景色はないと思う。神聖視されるのが、よくわかる。

セドナの赤い岩
SEDONA — これぞ、赤い大地のセドナ

セドナには「ボルテックス」と呼ばれる場所がいくつかある。エネルギーの渦。その証のように、木が渦を巻いて伸びている。地元の人しか知らない絶景ポイントにも、いくつか連れて行ってもらった。

ボルテックスの渦巻く木
VORTEX — 渦を巻いて伸びる、不思議な木

景観に配慮して、看板が青くなっているマクドナルド。世界でここだけだという。濃厚なアイスは、安かった。月が出てきた。この二、三日、満月、月食、一粒万倍日と、縁起のいい日が重なっている。何か、ある。そんな予感がした。

セドナの青いマクドナルド
BLUE — 景観に配慮した、青いマクドナルド

ブログ原文 ▸ 7日目:セドナ

11.7 – 11.8

聖なる大地と、赤い月 / セドナ

2022.11.07(月)— 11.08(火)

「ずっと、行きたかった。『地球の子宮』と呼ばれる洞窟へ。」

セドナには、当初からどうしても行きたい場所があった。十数年前、ある講演会で見たスライド。「地球の子宮」と呼ばれる洞窟だ。マップでは宿から徒歩八キロ。自宅から滝行の場までと、ほぼ同じ距離。余裕で行ける。宿でリンゴとパンをもらい、最高の天気のなか、歩き始めた。

地球の子宮と呼ばれる洞窟の外観
CAVE — ハート形の外観。「地球の子宮」

思った以上に、すんなり着いた。中に入ると——すごいところだ。確かに、子宮のよう。そして、絶景。画角はすさまじいのに、実際は思ったより小さく感じる、不思議な空間。ここはまさに、沖縄の「御嶽」そのものだ。久高島を、強く思い出す。セドナと久高島、魂の結びつきのようなものを、感じた。

洞窟の内部
WOMB — 中はまるで、子宮のようだった

翌朝、ふと目が覚めて外に出ると、空を見上げる人たちがいた。月食だ。赤い月。この旅で重なっていた縁起のいい日の、ひとつの極み。離れた場所で撮ると、思った以上にきれいに撮れた。ご真言を唱える。何かが、確かに動いている。そんな夜明けだった。

セドナで見た赤い皆既月食
ECLIPSE — セドナの夜明けに、赤い皆既月食

ブログ原文 ▸ 8日目:セドナ9日目:セドナ→フェニックス

11.9 – 11.10

二十年ぶりのニューヨーク / NY

2022.11.09(水)— 11.10(木)

「二十五年前から通うジャズの店は、何も変わっていなかった。」

フェニックスからアトランタを経由して、ニューヨークのラガーディアへ。二十年ぶりのNYだ。ウーバーでマンハッタンへ向かうと、ハドソン川。ホテルにチェックインし、夜は地下鉄でダウンタウンへ。二十五年前に入り浸ったジャズの名店「スモールズ」。何も、変わっていない。若手中心の、ホットな演奏を、かぶりつきで。

ニューヨークのハドソン川
NEW YORK — 二十年ぶり、ハドソン川のほとり
ジャズクラブ スモールズ
SMALLS — 二十五年前から通う、ジャズの名店

翌日はフリー。今回の旅のミッションのひとつ、「アメリカでアメリカンドッグ」を、セントラルパークで達成。八ドル、千二百円は高いけれど、まあいい。トランプタワーを横目に、ひたすら街を歩く。

VIDEO — ミッション、アメリカでアメリカンドッグ

そして、サンフランシスコで買った金のロレックス。ブレスが少し小さかったので、NYで延長してもらう。当たり前だけれど、これで「本物」であることも確認できた。夕方のブライアントパークでは、昔ここでエルビン・ジョーンズやロイ・ヘインズを聴いたことを思い出す。街角では、オールドスタイルのジャズバンド。やっぱり、この街は、ジャズだ。

ニューヨークの街角のジャズバンド
STREET — 街角に、オールドスタイルのジャズ

ブログ原文 ▸ 10日目:ニューヨーク11日目:ニューヨーク

11.11 – 11.12

ニューヨーク、トークライブ / NY

2022.11.11(金)— 11.12(土)

「生涯で食べた中で、最も美味い肉だと思った。」

隣のスタバで事務作業をすませ、いよいよニューヨークでのトークライブ。初日はこじんまりと、シナリオのような話。部屋の手配の行き違いや、最中に響く掃除機の音など、ハプニングもあったが、かなりヤバい話になったと思う。終わってからは、アッパーウエストのジャズの店「スモーク」へ。

ジャズクラブ スモーク
SMOKE — トークライブのあとは、ジャズの店へ

壁に飾られていたのは、ジョージ・コールマンの写真。一九六〇年代にマイルス・デイヴィスのバンドにいた、ハードバップの巨匠だ。そしてこの夜、わたしが聴きに来たのは、ニコラス・ペイトンとゲイリー・トーマス。冒頭のブルースから、すごすぎて何をやっているかわからないほど。ワインとサラダを傾けながら、本場の音に酔いしれた。

店に飾られたジョージ・コールマンの写真
GEORGE COLEMAN — 店に飾られた、巨匠ジョージ・コールマンの写真

二日目のトークライブは、三十名近くが集まり、大いに盛り上がった。懇親会は、ホテルの下のステーキ屋でコース。この肉が——生涯で食べた中で、最も美味い肉だと思った。焼き加減も、味も、最高。肉はやっぱり、アメリカだ。十七時に始まり、気づけば二十一時過ぎ。最高の旅だった、と心から思う。

生涯で最も美味い肉のステーキ
STEAK — 生涯で、最も美味いと思った肉

ブログ原文 ▸ 12日目:ニューヨーク最後の晩餐

11.13 – 11.14 / 帰国 / HOMEWARD

帰りのファーストクラス / JFK → 羽田

2022.11.13(日)— 11.14(月)

「個室のような空間。ウェルカムシャンパン。最高だね。」

ウーバーでJFKへ。スムーズにチェックインして手にしたチケットは、ファーストクラス。まずはラウンジで、サラダとワイン。人も少なく、ゆったりとした空間だ。そして搭乗。個室のような席に、ウェルカムシャンパン。最高だね。基準が、また一つ上がった。

ファーストクラスの個室席とウェルカムシャンパン
FIRST — 個室のような席に、ウェルカムシャンパン

食事は、和食を選んだ。前菜にはじまり、マグロの炙り、銀鱈の煮つけ。ドリンクは、響の二十一年。これは、貴重だ。何を食べてもいい、という贅沢。地上の慌ただしさが、嘘のように遠い。

ファーストクラスのスターターと響21年
響21年 — スターターに、貴重な一杯を添えて

無事に、羽田着。フライトが正午に早まったおかげで、かえってゆっくりできた。そして——着陸してネットが繋がった瞬間、嬉しい知らせが届く。あの『運なに』が、文庫になるという。金のロレックスを書いた、あの本だ。書けば、叶う。旅の最初と最後が、一本の線で繋がった。ただいま、日本。

ファーストクラスの和食 マグロの炙り
和食 — 雲の上で味わう、マグロの炙り

全米デビューのセミナー、引き寄せられた金のロレックス、五十七カ国目のティファナ、セドナの赤い大地と聖なる洞窟、そして二十年ぶりのニューヨークのジャズ。二〇一五年に「金のロレックス」と書き、二〇二二年にそれを手にし、帰国の瞬間にその本の文庫化を知る。書けば、叶う。願いはいつも、ちゃんと、未来から呼んでいる。

— Q / 書けば、叶う。だから、書く。