これまでの宿命天中殺は、すべて陰占、地支の話でした。この陽占天中殺は、その欠落が、星の世界にまで及んでいくという話です。宿命天中殺の、いちばん奥にある一枚です。
仕組み
欠落が、星に波及する
生年天中殺と生月天中殺を持つ人は、その欠落が、日干を通して、陽占の星にまで伝わっていきます。天中殺にあたる支の蔵干と、その柱の干から出た星、そして従星が、いわば「星の天中殺」の状態になる。人体星図のうえで、特定の星が、枠のない不確実な状態に置かれるのです。
なお、この波及は、生年・生月の宿命天中殺に起こるもので、日座天中殺には及びません。あくまで、地支の欠落が星へ伝わる、という筋道です。
現れかた
意図に、反する星
陽占天中殺の星は、独特の効き方をします。その星が本来持っている意味が、本人の意図とは、うらはらに現れるのです。
たとえば、玉堂星は、母や家族への深い愛情、学びの星です。それが天中殺になると、親を思う気持ちは人一倍あるのに、その真意が、なぜか相手に伝わらない。愛しているのに、伝わらない。届けたいのに、届かない。そういう、切ないねじれが起こります。星の力がないのではありません。力はあるのに、まっすぐ出ていかない。空回りしてしまう。それが、陽占天中殺の星の、独特の手ざわりです。
読み方
まっすぐ出さない、と決める
陽占天中殺の星は、正面から、力ずくで使おうとすると、空回りします。だから、この星は、少し斜めから使うのがいい。直接ぶつけるのではなく、まわり道をして、間接的に届ける。人を介したり、形を変えたり、時間をかけたり。総論で書いた宿命天中殺の処世法、その部分を不特定の人前で稼働させないという知恵が、ここでも生きます。
そして、いつもの念押しを。宿命天中殺に、吉凶はありません。意図に反して出る星は、扱いにくい星ではありますが、扱い方さえ覚えれば、他の人には出せない、独特の深みを放つ星になります。空回りする力は、方向さえ変えれば、誰よりも遠くへ届く力でもあるのです。
まっすぐ出せない星は、不良品ではありません。
まわり道の先で、いちばん深く届く。そういう星なのです。